含漱の効果とは病原細菌の洗浄除去によると考えられるが, 含漱の際, 含漱液が解剖学的にどの領域にまで到達しているかについては文献的に記載がない。今回われわれは含漱液として造影剤混合水を用い, 透視下に含漱液の到達範囲を観察した。生来健康な成人21名(男性11名, 女性10名)を対象とした。
結果:含漱の型は含漱液の到達範囲の差により3型に分類された。第1型は含漱液が口狭にまで到達するもの(口狭型), 第2型は含漱液が舌根に到達するもの (舌根型), 第3型は含漱液の一部が喉頭蓋谷から下咽頭に達するもの(下咽頭型)である。対象とした21例では口狭型が11例 (52.4%), 舌根型が6例 (28.6%), 下咽頭型が4例 (19.0%) であった。男女別に検討すると男性では口狭型, 舌根型, 下咽頭型がそれぞれ4例, 4例, 3例とほぼ均一であるのに対し, 女性では7例, 2例, 1例と口狭型の割合が高かった。
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