耳鼻咽喉科展望
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37 巻 , 1 号
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  • 犬山 征夫
    1994 年 37 巻 1 号 p. 6-21
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 北川 和久
    1994 年 37 巻 1 号 p. 22-40
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    ラットを用いて嗅上皮の機能と形態の関連について検討する目的で, 胎生19日, 生後3日, 成熟ラット, 老齢ラットについて, 光顕, 電顕, 免疫組織化学的手法 (抗N-CAM, 抗MAP5, 抗MAP2抗体) を用いて検討した。成熟ラットでは, 抗MAP2抗体に対しては嗅細胞層全体が反応し, 成熟した嗅細胞がほとんどであることを示していた。胎生19日, 生後3日では, 微細な点では形態的に未熟な部分もみられた。抗MAP5抗体に対しては表層から2-3層しか染まらず, また抗MAP2抗体に対しても最表層しか染まらず, 嗅細胞層の大部分は機能的には未熟であると考えられた。老齢ラットでは, 形態として基底膜の肥厚や嗅細胞数の減少など老化の所見がいくつも観察されたが, 抗MAP2抗体に対する反応は成熟ラットと類似しており, 神経細胞の新生は弱くなっているものの嗅覚機能は保たれているものと考えられた。
  • 野原 修, 杉田 尚史, 志和 成紀, 林 成彦, 二宮 竜太
    1994 年 37 巻 1 号 p. 41-51
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    難治性の小児副鼻腔炎40症例を対象に, 手術にて採取した鼻副鼻腔各部位における病理組織の炎症像を比較し, 部位別に病変の出現程度について観察した。粘膜上皮層における過形成, 粘膜固有層におけるリンパ球・形質細胞の浸潤及び線維化といった病理組織学的所見から, 上顎洞膜様部及び後壁にその出現程度の増強が認められ, 炎症像は上顎洞自然口付近に顕著であることが示された。また, 粘膜固有層におけるリンパ球・形質細胞の浸潤程度と線維化の程度が共に高度な病変を慢性炎症性病変と判定した。この場合, 部位別による頻度を年少児群と年長児群で比較すると, 年長児群では後部篩骨洞を中心に頻度は低くなっていた。x2検定にて両群間の比較を行うと, 年長児群における後部篩骨洞を主とする頻度の低下に起因すると推測される有意差を両群間に認めた。すなわち, 小児副鼻腔炎における炎症動態は, 加齢と共にはじめはびまん性の炎症像であったものが後部篩骨洞の病変の改善による局在性の炎症像へと移行してゆくことが推測された。さらに, 線維化の程度は, 年長児群よりもむしろ年少児群に高い傾向が認められた。このことは, 年少児における小児副鼻腔炎の難治性の一因を病理組織学的に示唆するものと思われた。
  • 室野 重之, 瀧口 哲也, 長山 郁生
    1994 年 37 巻 1 号 p. 52-56
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    1988年1月から1992年6月までの4年半の間に金沢大学耳鼻咽喉科学教室において経験した48例の耳下腺腫瘍について検討した。良性腫瘍は37例で, そのうち多形腺腫が24例, ワルチン腫瘍が11例であった。悪性腫瘍は11例で, そのうち6例が腺様嚢胞癌であった。耳下腺腫瘍においては非上皮性腫瘍は少ないものといわれているが, 今回, なかでも稀な脂肪腫の1例を経験し適切に治療し得たので, その概略について若干の考察を加えて検討した。本症例においては, 腫瘍部分のCT値は-99-107HUであり, 脂肪腫の診断におけるCTの有用性が窺われた。
  • 川崎 篤, 國弘 幸伸, 井上 貴博, 高橋 正紘, 神崎 仁
    1994 年 37 巻 1 号 p. 57-61
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    頤下部正中, 両側耳下部および後頸部正中に対称性・びまん性に脂肪組織の蓄積を認めたMultiple Symmetric Lipomatosis47歳, 男性の1症例。3.8×104/mm3の血小板減少を伴っていた点が注目された。しかし, 骨髄検査で全血球系の低形成像が認められる以外, 血小板減少の原因を示唆する異常所見は認められず, 本疾患との関連についてはわからなかった。成因として現在注目されている脂質代謝障害が何らかの影響を与え, 血球産生を阻害しているのではないかと思われ, 本疾患に随伴することの多い貧血と類似のメカニズムではないかと推測された。
  • 特に細菌学的見地より
    伊藤 裕之, 埴原 秋児, 天野 直二, 保坂 紘一, 宮崎 一興, 中島 庸也
    1994 年 37 巻 1 号 p. 62-68
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    神奈川リハビリテーション病院にて気管切開術を受けたSCDは7例である。その内訳はオリーブ, 橋, 小脳萎縮症 (OPCA) が6例, ジョセフ病が1例であった。これらの気管切開術直後に喀痰培養を行った6例中, 緑膿菌が3例に, 常在菌が2例に検出され, 陰性例は1例であった。OPCAの末期に嚥下性肺炎を繰り返した1症例では, 喉頭摘出術を勧めたが, 家族に拒否され, 頻回に抗生剤の投与を余儀なくされた。その結果, 喀痰より検出された黄色ブドウ球菌が多剤耐性化した。しかし, 緑膿菌の薬剤耐性にはほとんど変化がなかった。末期のOPCAのように慢性的な誤嚥が認められる症例では, 繰り返す嚥下性肺炎に対する抗生剤使用のために, 黄色ブドウ球菌の多剤耐性化を招く可能性がある。多剤耐性黄色ブドウ球菌による気道合併症の防止は, 喉頭摘出術, 喉頭閉鎖術, 気管食道吻合術など音声機能を犠牲にする方法の適応となる。
  • 浅井 美洋, 梅村 和夫, 野末 道彦, 安原 秋夫, 関 敦郎
    1994 年 37 巻 1 号 p. 69-74
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    めまい患者の日常生活動作支障度に関する追跡調査を行い, 薬効評価への応用の可能性を含めて統計学的に検討した。対象は耳鼻科外来で薬物治療のみを行った亜急性期または慢性期のめまい患者83例 (男性25例, 女性58例, 平均年齢60.8歳, 平均観察期間2.8ヵ月) である。末梢性めまい群では動作全般に改善傾向が認められた。特に改善傾向が高かった動作は歩行中の方向転換と起臥動作であった (符号順位検定, p<0.001)。一方, 中枢性めまい群では有意の改善傾向を示さなかった。自記式質問紙法による本調査は末梢性めまい群における日常生活支障度の経時的評価に有用であった。一方, 中枢性めまい群の日常生活支障度に対しては, さらに治療法や評価法を検討していく余地があると思われた。
  • 大橋 伸也, 北村 真紀, 博久 詠司, 渡嘉敷 亮二, 李 雅次, 吉田 知之, 舩坂 宗太郎
    1994 年 37 巻 1 号 p. 75-81
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    進行性鼻壊疽の本態は未だ不明である。そのうちClassical malignant granulomaは比較的限局性に進行する。症例は14歳の女児で後腹膜腫瘍の診断で腫瘍摘出術を受けた。その病理組織は, 極めて強い炎症反応を伴う悪性細胞からなり進行性鼻壊疽を疑う所見であった。そこではじめて耳鼻科受診となった。右固有鼻腔には灰白色で壊死傾向の強い表面不整な易出血性の肉芽が充満していた。鼻腔の病変を生検したところ, 病理組織では古典的なLethal midlinegranulomaの性質をよくあらわしたStewart typeと診断され, さらにこれは後腹膜病変と同質のものであった。BH-AC VP-VPL療法により軽快し良好な経過を示している。
  • 木村 恭之, 土定 建夫, 塚谷 才明, 作本 真, 三輸 高喜, 古川 仭
    1994 年 37 巻 1 号 p. 82-87
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    有機溶剤による嗅覚障害の4症例を報告した。症例1は1, 1, 1-トリクロルエタンを鼻腔, 口腔に吸い込んだもの, 症例2, 3, 4は同一の作業現場でノルマルヘキサン, トルエン, キシレン, イソプロピルアルコールの混合ガスを吸入したものである。受傷直後は鼻内痛があったが, 当科初診時には4例とも炎症所見はほとんどなかった。障害部位としては嗅粘膜を含めた神経性の障害が疑われた。4例とも嗅覚減退のレベルであり, 1例は治療により治癒したが, 他の3例は完全には回復しなかった。
  • 井上 貴博, 大平 達郎, 原田 竜彦, 川崎 篤, 菅家 稔, 向井 万起男
    1994 年 37 巻 1 号 p. 88-94
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺未分化癌は組織学的にも臨床上も悪性度が高く, その治療法は確立していない。今回我々は, 全頸部腫脹を主訴とした未分化癌例を経験した。放射線療法は無効であったが, かるぼぷらちん (CBDCA) と塩酸ぴらるびしん (THP-ADM) を併用した化学療法により腫瘍の発育速度は幾分鈍化し, 約7ヵ月半生存し得た。治療開始後約6ヵ月の時点で, 舌下神経および顔面神経麻痺が出現した。脳を含めた遠隔転移はなく, これらの麻痺は, 腫瘍の直接浸潤による末梢性のものと思われた。
  • 具体的プログラムとその結果について
    石井 正則, 八代 利伸, 小林 毅, 金田 健作, 府川 和希子, 森山 章
    1994 年 37 巻 1 号 p. 95-100
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    空酔いは, 訓練中の航空機搭乗員にとって症状が改善しない時には深刻な問題になる。それは本人だけでなく安全運航上においても解決すべき重要な課題である。各国の空軍では, コリオリ刺激による脱過敏 (desensitization) やバイオフィードバック療法によって70-84%のRehabilitation Rateが得られることを報告している。しかしそのためには特殊な装置や激しい加速度訓練が必要になる。そこで日常の生活の中で空酔いの対策になるプログラムを考案した。その内容は, 自律神経系を安定化し異なる加速度や重力方向の変化に対して適応できるように, ストレッチ体操, 水泳, 加速度変化の体験などをリハビリの中心とし, さらに自律神経調整作用のある薬剤や抗ヒスタミン剤を随時併用するものである。1987-1992年の5年間に11名の航空機搭乗員にこのプログラムを用いて空酔いに対する治療を行ったが, そのRehabilitation Rateは, 81.8%であり, 空酔いに対する有効な方法と考えられた。
  • 浅井 和康, 沖久 衛, 北村 達也, 米本 友明, 工藤 春彦
    1994 年 37 巻 1 号 p. 101-106
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    経鼻的内視鏡下整復術を施行した眼窩内側壁骨折7症例について検討した。性別は男性6例, 女性1例, また患側は右側4例, 左側3例であった。CTおよび術中所見に基づき骨折部位が中甲介基板より後方にみられるものと, 中甲介基板の前方および後方にみられるものとに分類したところ, 前者は3例, 後者は4例であり, 後方のみにみられるものでは複視の訴えが比較的軽度であった。また患者の自覚症状としては複視の他に眼痛や頭痛などがみられ, これらは術後ただちに改善がみられた。手術時期を逸することによる手術操作上の問題および副鼻腔の晩発性合併症の回避という点から, 経鼻的内視鏡下整復術の重要性が示唆された。
  • 設楽 哲也
    1994 年 37 巻 1 号 p. 107-109
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 武男
    1994 年 37 巻 1 号 p. 110-114
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 八木沼 裕司
    1994 年 37 巻 1 号 p. 115-120
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    MRSAによる耳疾患13耳に対しFOM点耳液とOFLX点耳液の時間差併用療法を行い, 以下の結果を得た。
    1) 臨床的有効率は93%であり, 無効例は術後性外耳炎の1例のみであった。2) FICindexからは明らかな相乗効果は認められなかったが, 細菌消失率は85%であった。3) 本療法による副作用は認められなかった。4) 本療法は小児や老人などに対しても安全に行える, 有効な治療法と考えられた。
  • 臨床第一相および初期第二相試験
    鵜飼 幸太郎, 斉田 哲, 原田 泉, 伊藤 由紀子, 村井 須美子, 増田 佐和子, 野々山 勉, 坂倉 康夫
    1994 年 37 巻 1 号 p. 121-133
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    健常ヒト男子志願者10例に1週間1日6回鼻内噴霧投与し, 鼻粘膜繊毛機能に及ぼす影響を検討し, さらに通年性鼻アレルギー患者12例に対して, 4週間1日6回鼻内噴霧投与し, 予備的な臨床的有用性の検討を加えた。
    鼻粘膜繊毛機能に及ぼす影響の検討では自他覚所見, 鼻鏡検査, 粘膜繊毛通過時間および繊毛打頻度のいずれにおいても被験薬投与の影響を認めなかった。
    また通年性鼻アレルギー患者に対する臨床効果は「中等度改善」以上が40.0%,「軽度改善」以上が80.0%で高い改善率を示した。また副作用は12例中1例に「嘔気・嘔吐」が認められたが中止により消失した。これら成績よりTA-521点鼻用は通年性鼻アレルギー患者に対して安全で有用性の高い薬剤であることを窺わせた。
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