耳鼻咽喉科展望
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38 巻 , 2 号
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  • 暁 清文, 柳原 尚明
    1995 年 38 巻 2 号 p. 145-152
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • in situハイブリダイゼーション法による増殖因子と受容体の発現様式について
    小島 博己
    1995 年 38 巻 2 号 p. 153-180
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    中耳真珠腫の増殖機序を考える上で増殖因子に注自し, EGF, TGF-α, EGF-R, KGFについてin situハイブリダイゼーション法を行い, 真珠腫組織における各mRNAの局在を明らかにした。その結果, EGFは真珠腫では上皮基底細胞より産生され, 上皮自身におけるEGFとEGF-Rとの問のautocrine regulationが存在する可能性が示唆された。また真珠腫に特徴的な変化は上皮全層におけるEGF-RmRNAの異常発現であり, 真珠腫上皮の増殖能はEGF, TGF-α などのリガンドに依存するというより, EGF-Rの側つまりレセプター発現制御の問題による可能性が高いと結論した。加えてEGF-Rは本来分裂能力を有す細胞表面に発現するものであり, EGF-RmRNAが真珠腫上皮の上層まで認められたということは, 上皮は未分化な形で上層にまで達していると考えられ, 真珠腫上皮は上皮の上層においてもまだ分裂能が備わっていると考えられた。
    さらに上皮下の肉芽組織の役割についても検討し, KGFに注目した。その結果, 炎症が高度で上皮, 上皮下肉芽組織が肥厚している真珠腫症例の線維芽細胞にKGFmRNAの発現が認められた。このことから炎症を契機として線維芽細胞のKGFmRNAの発現が促され, 次いでこのKGFが上皮細胞に作用するというparacrine regulation**も考えられた。
    * autocrine regulation一つの細胞が増殖因子やホルモンなどを産生し, それが同じ細胞の増殖や各種活性を促進する自己分泌型の調節機構
    **paracrine regulation一つの細胞が増殖因子やホルモンなどを産生し, それが他の細胞の増殖や各種活性を促進する傍分泌型の調節機構
  • ウサギ実験的副鼻腔炎における組織学的研究
    深見 雅也, 鴻 信義, 柳 清, 森山 寛, Pontus Stierna
    1995 年 38 巻 2 号 p. 181-190
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    我々は, 細菌感染によってウサギに慢性副鼻腔炎を惹起することにより, 副鼻腔及び鼻腔にポリープが形成されるのを認めた。これらは組織学的特徴から,「肉芽性ポリープ」および「浮腫性ポリープ」の二つの型に分けられた。「肉芽性ポリープ」は上皮を完全に失った部で, 線維芽細胞の増殖と血管新生が起こって肉芽が洞内に突出することによって形成され, それを被うように未分化な上皮細胞が増殖移動していくように観察された。「浮腫性ポリープ」は, 上皮細胞が脱落したり, 成熟した形態を失って背の低い未分化な形態を示したり, 扁平な上皮細胞が重層して観察されたりする部で, 形成されていた。本研究の結果は, 上皮細胞も鼻茸形成の初期において, なんらかの役割を果たしていることを示唆する。
  • 大塚 康司, 平出 文久, 吉田 ひかり, 吉田 知之, 舩坂 宗太郎
    1995 年 38 巻 2 号 p. 191-196
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    今回私どもは突発性の片側性難聴が発現した原田病の2症例を経験したので報告した。2症例とも耳科学的諸検査により内耳障害によるものと推察された。治療としてステロイド漸減投与を行い, 聴力の改善がみられた。突発性難聴と診断される症例の中に原田病による感音難聴が含まれている可能性があると思われた。ステロイド投与中止後も現在まで聴力の変動を認めていない。今後, 難聴が変化するのか引き続き経過観察中である。
  • 宮澤 哲夫, 飯野 ゆき子, 矢部 多加夫, 鈴木 雅一
    1995 年 38 巻 2 号 p. 197-203
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    症例1は, 43歳男性, 前頭洞嚢胞に硬膜外膿瘍を合併した。本症例には, 化学療法に加えて, 鼻外的前頭洞開放術が行われた。症例2は14歳男性, 急性副鼻腔炎に脳膿瘍を合併した。膿瘍は, 外科的なドレナージをつけることなく化学療法のみで治癒した。2症例はともに治療に成功している。抗生物質の発達は, 鼻性頭蓋内合併症の発生を減少させた。しかし, 鼻性頭蓋内合併症はいまだ皆無ではない。注意深い観察と迅速な診断, そして早期治療が非常に重要である。
  • 中川 雅文, 相馬 新也, 中西 文美, 影井 兼司, 馬渕 滝男
    1995 年 38 巻 2 号 p. 204-210
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    副鼻腔に発生する癌腫は, そのほとんどが上顎洞に由来し, 蝶形骨洞に発生する癌腫は極めて稀である。一般臨床医をはじめ我々耳鼻科医にとっても, 蝶形骨洞癌の早期発見は難しい。その理由として,(1) 蝶形骨洞癌の初発症状が視力障害と頭痛であり, 鼻症状に乏しく, 初診時, 眼科, 脳神経外科など他科を受診している場合が多い,(2) 腫瘍が蝶形骨洞内に留まっている問は無症状で洞外の重要臓器に浸潤して, 初めて症状を発現する,(3) 単純X線写真では蝶形骨洞の所見が認めにくい, などがあげられる。
    今回我々は, 多くの脳神経症状を呈し, 急激に不幸な転機をとった巨大な原発性蝶形骨洞癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加えその概要を報告する。
    蝶形骨洞癌の予後改善のためには, 早期発見が必須であり, そのためには蝶形骨洞癌の初発症状である視力障害と頭痛に我々耳鼻科医が遭遇した時, 鑑別診断として蝶形骨洞癌も念頭に入れ, 蝶形骨洞病変の精査もCT, MRIにて行う必要があると思われた。
  • 西川 恵子, 西川 益利
    1995 年 38 巻 2 号 p. 211-215
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    血液中のアレルゲン特異的IgE抗体および総IgE抗体を測定する方法である, キャップシステムとアラスタットを比較検討した。両測定法におけるヤケヒョウヒダニ特異的IgE抗体値のクラス別の相関係数0.915 (p<0.01), ニホンスギ特異的IgE抗体値のクラス別の相関係数は0.825 (p<0.01) であった。また総IgE値の相関係数は0.96 (p<0.01) であった。いずれも強い正の相関関係を認めたことより, キャップシステムとアラスタットは, 両測定法とも臨床的に有用な検査法だと思われた。
  • 井上 貴博, 冨田 俊樹, 川崎 篤, 星 道生, 小出 紀
    1995 年 38 巻 2 号 p. 216-221
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    甲状腺の分化癌は, 他の悪性腫瘍に比較して予後が良い疾患で, 前頸部腫瘤を主訴とすることが多い。今回我々は, 巨大頭頂部腫瘤を主訴とした甲状腺濾胞癌の頭蓋骨転移例を報告した。頭部腫瘍の診断のもとに切除術が施行され, 病理組織学的診断にて甲状腺癌の転移が疑われた。精査の結果, 甲状腺腫瘍が認められ, 甲状腺は全摘した。頭部転移巣は極めて易出血性であったため, 2回に分けて全摘したが, 出血量の軽減に塞栓術は極めて有用であった。術後約1年の現在, 経過良好で, 切除可能ならば積極的に手術すべきと思われる。
  • 神谷 齊
    1995 年 38 巻 2 号 p. 222-227
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 耳鼻咽喉科医の役割
    真鍋 敏毅
    1995 年 38 巻 2 号 p. 228-240
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    乳幼児の両側性中等度以上の感音難聴は, 障害児の言語発達や知的発達に多大な悪影響があるので, 早期発見と早期療育開始が唱えられている。しかしながら, 乳幼児の難聴の診断技術や設備を完備している医療機関はまだ多くない。乳幼児の難聴は耳鼻咽喉科固有の疾病であり, その診断・療育や公的扶助のための措置・発見後の聴力管理・聴力悪化時の治療・療育担当者間のチーム・アプローチの調整や医学的知識の提供などに関して耳鼻咽喉科医は積極的に参画していかなければならない。耳鼻咽喉科医は関わる時間は少なくても, 障害疾患に対しては主治医として対応していくことが大切である。
  • 畔柳 達雄
    1995 年 38 巻 2 号 p. 241-246
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
  • 朝子 幹也, 白石 修悟, 土井 直, 岩野 正, 牛呂 公一, 山下 敏夫, 細田 泰男
    1995 年 38 巻 2 号 p. 249-255
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    現在耳鳴に対して様々な治療が試みられているが決定的なものはない。耳鳴を主訴として受診した18歳から86歳までの男性23名,女性21名の計44名の患者に対して脳血管性代謝障害改善薬塩酸ビフェメランを投与しその効果を検討した。著明改善が2.3%, 改善が27.3%, やや改善が27.3%で, 56.8%に有効であった。70歳以上の高齢者, 女性に有効率が高く耳鳴重症度の高い症例に効果が高い傾向にあった。重篤な副作用も認めず, 塩酸ビフェメランは高齢者の耳鳴に有効な薬剤と考えられた。
  • オキサトミドの臨床効果
    鈴木 直弘, 稲村 直樹, 豊嶋 勝, 小泉 敦弘, 大久 俊和, 中塚 滋, 高坂 知節, 六郷 正暁, 荒井 英爾, 山田 公彦, 鈴木 ...
    1995 年 38 巻 2 号 p. 256-270
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    平成3-5年度において, スギ花粉症患者に対しオキ-サトミドの予防投与を行いその臨床的効果について検討を行った。スギ花粉の飛散数を問わず, 予防投与群では季節中初期に治療投与群と比較し有意に自覚症状が抑えられ, 季節中全経過を通じて自覚症状の軽減傾向を認めた。また平成5年度のような大量飛散の年でも, 予防投与群は有意に発症日を遅らせることができた。予防投与は, スギ花粉飛散予報を慎重に予測した上で大量飛散が予測される年では飛散開始予定日の4週以上前から, 飛散数が少ないと予測される年では2週前より内服を開始することが望ましいと思われた。
  • 馬場 駿吉, 鈴木 賢二, 宮本 直哉, 三宅 浩郷, 坂井 真, 新川 敦, 木村 栄成, 横田 明, 小林 武弘, 大山 勝, 松崎 勉
    1995 年 38 巻 2 号 p. 271-277
    発行日: 1995/04/15
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    鼻科用FOMの副鼻腔炎に対する有効性を基礎的な面から検討するために, 3%鼻科用FOMを噴霧投与した時の上顎洞内濃度, 組織中濃度並びに血清中濃度について検討し, 以下の成績を得た。
    1) 投与直後の上顎洞内濃度は, 自然孔付近では2.93->200μg/ml, 上顎洞側壁では2.35->200μg/ml, 上顎洞底では2.74-187.5μg/mlであった。
    2) 投与後の上顎洞粘膜中濃度は, 投与直後では5.84-40.64μg/g, 0.25時間後では7.84-23.56μg/gであった。鼻腔粘膜中濃度は112.5, 125μg/gであった。
    3) 血清中濃度は, 投与開始直前は全例検出限界以下であった。投与0.5時間後は1例で検討されたが検出限界以下であった。投与後1時間では, 1例のみに検出されその濃度は2.65μg/mlであった。
    以上, 鼻科用FOMを噴霧投与した際の上顎洞内濃度並びに上顎洞粘膜中濃度は経口投与時に比べ高く, 十分に菌消失を期待できる濃度であった。この結果は, 本剤の副鼻腔炎に対する臨床効果を裏づけるものと考えられた。また, 投与後, 血中に本剤は検出されないかあるいは検出されてもその濃度は低かったことから, 血中への移行1生は低いと考えられ, 本剤の高い安全性を裏づけるものと考えられた。耳鼻咽喉科的処置を行い自然孔を十分に確保した後に鼻科用FOMを噴霧投与することで高い上顎洞内濃度並びに組織中濃度が得られる一方, 血中への移行性は低いという成績は, ネブライザー療法の副鼻腔炎に対する高い臨床効果と安全性を基礎的な面から立証することができたと考えられた。
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