耳鼻咽喉科展望
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53 巻, 5 号
選択された号の論文の32件中1~32を表示しています
カラーアトラス
臨床
  • 内水 浩貴, 山本 耕司, 森山 寛
    2010 年 53 巻 5 号 p. 280-286
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/10/15
    ジャーナル フリー
    成人発症の滲出性中耳炎と乳突蜂巣発育度との関係においては報告によって様々であり, 統一した見解が得られていない。今回我々は成人発症の滲出性中耳炎患者66例81耳を対象に, 乳突蜂巣発育度が滲出性中耳炎の発症と初期治療経過に及ぼす影響について検討した。蜂巣発育度は矩形面積法を用いて評価した。
    保存療法による改善率は, 50歳未満の若年層では50歳以上の高齢層に比べて改善率は低い傾向を示し, 若年層と高齢層では滲出性中耳炎の性質が異なる可能性が示唆された。若年層では乳突蜂巣の発育不良は発症および遷延化のリスクファクターであり, 小児滲出性中耳炎の特徴に類似していた。一方, 高齢層では乳突蜂巣の発育不良は発症におけるリスクファクターである可能性が示唆されたが, 遷延化の因子ではなく, 遷延化にはその他の要素が関わっていると考えられた。
  • 近藤 貴仁, 小川 恭生, 大塚 康司, 稲垣 太郎, 清水 重敬, 鈴木 衞
    2010 年 53 巻 5 号 p. 287-292
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/10/15
    ジャーナル フリー
    めまいの原因として, 起立性調節障害が病態の背景となっていることがある。今回我々は, 2009年11月から2010年5月までに当科めまい外来にて精査を行い中枢疾患や内耳末梢性疾患が否定された症例の中で, 大国の分類にて起立性調節障害と診断され, 苓桂朮甘湯を使用した31症例の臨床経過について検討した。苓桂朮甘湯投与前, 投与2週間後, 投与4週間後に, 自覚症状の評価としてVisual analogue scaleを, 他覚所見の評価としてシェロングテストを用いて評価した。Visual analogue scaleでは, 投与前平均は51.5, 投与2週間後平均は39.5, 投与4週間後平均は27.9と, 時間の経過とともにスコアの改善がみられ, Visual analogue scaleによる自覚症状の評価では苓桂朮甘湯の有効性が示唆された。シェロングテストでは, 2週間後では陽性症例数は減少したが2週間後以降は改善がなく, 逆に投与前にシェロングテスト陰性であった症例において経過中陽性になる項目があった。投与前のシェロングテストの結果別にVisual analogue scaleの結果を検討し, 投与2週間後では統計学的有意差をもって治療前シェロングテスト陽性群でVisual analogue scaleの改善率が良好であった (p=0.0027)。性別と40歳未満と40歳以上に分けた年齢別にVisual analogue scaleとシェロングテストの結果を検討した。投与2週間後では, 統計学的有意差をもって男性症例 (p=0.0152), 40歳以上の症例 (p=0.0318) でVisual analogue scaleの改善率が良好であった。
  • 吉田 拓人, 小島 純也, 森 恵莉, 中山 次久, 大櫛 哲史, 飯村 慈朗, 浅香 大也, 和田 弘太, 重田 泰史, 松脇 由典, 吉 ...
    2010 年 53 巻 5 号 p. 293-299
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/10/15
    ジャーナル フリー
    慢性副鼻腔炎は, 鼻閉・鼻漏・後鼻漏・嗅覚障害といった症状を主体とし, 各種症状のため, 日常生活において様々な不快を感ずることの多い疾患である。
    これまで手術加療, 特に内視鏡下鼻副鼻腔手術後の自覚症状とQOLに関した報告は少ないため, 1年間に当教室関連病院4施設で, 内視鏡下鼻副鼻腔手術を行った慢性副鼻腔炎患者を対象に検討を行った。副鼻腔炎症状に関する自覚症状やQOLに関して, アンケート形式で術前, 術後1~3ヵ月 (術後早期), 術後6~18ヵ月 (術後晩期) の3時期に患者に質問を行い, 統計処理を行った。検討の結果, 慢性副鼻腔炎患者全般において自覚症状改善, QOL改善が術後早期, 術後晩期において多項目で有意差をもった改善が認められた。今回の検討によって慢性副鼻腔炎に対しての内視鏡下鼻副鼻腔手術の有用性が確認された。
境界領域
画像診断
薬剤の特徴と注意点
学会関係【第11回 耳鼻咽喉科手術支援システム・ナビ研究会】
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