1949年, Rocha, e silva等によってBradykininが発見されて以来, その作用機序又他の一連のキニン類との関連性等についても巾広く研究がなされて来た.このBradykininがアレルギー反応時の又アナフィラキシー反応時のchemical agentとして, 又一連の生体活性ペプチドの代表として.その役割が近年注目されつつある.我々は今回このBradikininについて, ウシ精製からその生成を試み, 併せて合成Bradykininを入手したので, これ等Bradykininについてその生体に於ける作用や生物学的活性を検討し略々下記の様な成績を得た.即ち(1)Bradykininのモルモット腸管及び気管, ラッテの子宮に対する収縮は, 腸片, 気管筋標本に於いてはAcetylcholine, Histaminと同程度の収縮を見るが収縮スタート迄にかなりの間隔がある事が特長で, 反対に子宮筋ではAcetylcholineの約3倍の収縮力があった.(2)モルモットの皮内反応ではやはりhistaminより, はるかに毛細血管透過性昇進作用, 炎症症状をみた.(3)モルモットに於いては1.5mg/kgのBradykininの静注でAnaphylactic様症状でショック死を起す.(4)マウスに対してはそのLD_<50>が11mg/kgである.(5)一方副腎摘出のマウスについてはLD_<50>は4mg/kgで正常マウスに比べるとその感受性が3倍に亢進している.
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