初診時9歳から43歳(平均24.3歳)の食餌依存性運動誘発アナフィラキシー患者18例(男7, 女11)を対象に数年間の経過を観察した.アナフィラキシーを起こした原因食物は, 9例が小麦, 2例がエビ, 1例が巻き貝, 1例が魚で, 残り5例は原因不明であった.誘発した運動は, 球技, ランニング, 自転車, 水泳, 剣道の他, 通常の歩行などもみられた.これらの症例に対し, 食事および運動制限の指導や, DSCG, repirinastなどの抗アレルギー薬の内服治療を施しながら, 2〜10年にわたり臨床症状および検査の経過を追跡したところ, アナフィラキシー様症状の再発がみられた例も少数存在したが、概ね症状は軽快していった.それに伴い, 小麦の特異的IgE抗体(RAST score)の低下がみられた例や, 抗IgE抗体刺激によるヒスタミン遊離率が, DSCG内服後に低下がみられた例があった.
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