プリック法によるアレルゲン皮膚スクラッチテストを, 気管支喘息患児 256例, その両親 130例について19種のアレルゲンについて行ない, 次の結果を得た.(1)本法は安全で非特異反応も少ない.(2)患児においてハウスダスト, ダニ, 木綿, キヌ, アルテルナリア等に反応に示すことが多く, ハウスダスト, ダニ, 木綿では男児において女児より反応を示す例が多かつた.(3)反応の発赤と膨疹の大きさには相関関係がある.(4)両親においては, ハウスダスト, ダニ, カンジダ, キヌに対する反応が多かつた.(5)PK反応との関係において考察すると, 膨疹とともに発赤も反応の評価上重要であり, 膨疹のあるものおよび発赤10mm以上のものはアレルゲンの可能性が強い.(6)プリック反応の発赤膨疹の大きさと皮内反応の閾値との間には有意の相関があつた.以上によりプリックテストはアレルゲン検索の方法として有用であり, 小児ではまず試みるべき方法であることを確認した.
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