アレルギー
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72 巻, 1 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
専門医のためのアレルギー学講座 50.アトピー性皮膚炎
ガイドラインのワンポイント解説
綜説
原著
  • 相澤 洋之, 藤野 直也, 松本 周一郎, 佐野 寛仁, 齋藤 拓矢, 畠山 哲八, 京極 自彦, 市川 朋宏, 小荒井 晃, 堀野 智史, ...
    2023 年72 巻1 号 p. 26-36
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/02/14
    ジャーナル フリー

    【背景・目的】宮城県におけるアレルギー医療体制の地域間格差を明らかにする.

    【方法】宮城県内1512の医療機関を対象としてwebでのアンケート調査を行った.回答は,仙台市,その他地域(非仙台圏)の2群間で比較した.

    【結果】175施設(内科72,小児科34,皮膚科17,耳鼻咽喉科15,眼科12,その他25)から回答を得た.管理に難渋する疾患として食物アレルギー,アトピー性皮膚炎が両群ともに多く選ばれたが,さらに非仙台圏では気管支喘息や慢性蕁麻疹の回答が多かった.治療や検査方法が充足していないこと,救急症例への対応を問題点としてあげた.アナフィラキシー診療において,救急搬送先が見つからずに苦慮した経験がある施設の割合は,仙台市29%と有意に高かった(非仙台圏11%).生物学的製剤の使用割合は非仙台圏11%で低い傾向にあり,適応の判別に苦慮している施設の割合が有意に高かった.診療の向上のため紹介機関リスト作成や診療ネットワーク構築の期待が高かった.

    【結論】地域毎に特有の課題が明らかにされた.

  • 尾下 豪人, 緒方 美里, 井上 亜沙美, 佐野 由佳, 吉岡 宏治, 池上 靖彦, 山岡 直樹
    2023 年72 巻1 号 p. 37-43
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/02/14
    ジャーナル フリー

    【目的】アレルギー性気管支肺真菌症(ABPM)患者における抗酸菌症類似画像所見の頻度,非結核性抗酸菌症合併例の特徴を明らかにする.

    【対象と方法】過去8年間にABPMとして診療された患者をカルテ病名から抽出し,臨床診断基準に合致した32例を後ろ向きに検討した.

    【結果】年齢中央値は62.5歳(範囲24-79歳),21例が女性だった.既往歴に22例で喘息,4例で陳旧性結核があった.CT所見では29例で中枢性気管支拡張,26例で小葉中心性粒状影,3例で縦隔リンパ節腫大を認めた.肺MAC症が4例で合併し,肺MAC症診断時期は,ABPMと同時が2例,ABPM診断前が1例,ABPM治療中が1例だった.ABPMの主病変は肺MAC症の病変と異なる部位に発生した.

    【結論】ABPMと抗酸菌症は類似した画像所見を呈するだけでなく,同時性,異時性に合併しうる.肺MAC症とABPMの合併には患者の体質や生活環境など,両疾患に共通する危険因子が強く関与している可能性がある.

症例報告
  • 鈴木 大地, 齋藤 麻耶子, 松本 恭明, 梅沢 洸太郎, 高田 数馬, 豊國 賢治, 石川 史, 平井 聖子, 佐藤 未織, 宮地 裕美子 ...
    2023 年72 巻1 号 p. 44-48
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/02/14
    ジャーナル フリー

    【背景】喉頭で生じる気流制限による呼吸障害は,声帯機能不全と呼ばれる病態を含め,ILO(inducible laryngeal obstruction)と総称されるが,気管支喘息(BA)と誤診されることが問題となっている.

    【症例】11歳男児.乳幼児期にBAと診断されていた.10歳から咳嗽が頻発し,11歳時にCOVID-19感染後も咳嗽が遷延し吸入ステロイド(ICS)を高用量とした上で,当科へ紹介となった.ICSを継続し,自宅でのBAアクションプランを導入した.しかしその後も頻回の咳嗽発作があり自宅でのβ2刺激薬吸入でも改善せず救急外来受診を繰り返したため,BA重症度評価のため入院精査を行った.気道過敏性試験においてはメタコリン吸入の前に実施した生理食塩水吸入で喉頭部に呼気狭窄音と呼吸困難感が生じ,β2刺激薬吸入で悪化した.これまでの結果から,現在の症状についてはBAの関与は否定的であり,ILOと診断した.呼吸症状出現時の呼吸法を指導し,症状出現時に適切に対応でき,ICSを減量できた.

アレルギー用語解説シリーズ
地方会抄録
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