重症複合免疫不全症の自験4例の臨床症状, 検査所見を検討し以下の特徴を認めた.1.臨床症状として, 頑固な鵞口瘡(4/4例), 下痢(3/4例), 体重増加不良(3/4例), 呼吸器感染(4/4例)が共通していた.2.検査所見としては, T細胞数の減少(4/4例), in vitro T細胞機能低下(4/4例), in vivo遅延型過敏反応欠如(4/4例), 低IgG血症(4/4例)が共通していた.3.死亡症例(2/4例)の剖検結果から, Pneumocystis carinii肺炎に対する予防が重要であると思われた.以上の特徴的な所見を考慮して, できるだけ早期に本症の診断を行い, 感染対策を立て, 全身状態を良好に保つことは, 骨髄移植, 胎児組織移植療法を成功させるために重要である.
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