5施設の小児科より得た健常児21例および気管支喘息 (BA), アトピー性皮膚炎 (AD) 患者160例を対象として, FAST (fluorescence allergosorbent test) 法により卵白, 牛乳, 大豆, ダニ (Dermatophagoides farinae) 特異IgG4抗体をIgE抗体とともに測定し, 重症度との関連や抗体検索における診断的意義について検討を行った. その結果, BA群はAD群に比較して卵白, 牛乳, 大豆特異IgE抗体は低値を示し, ダニ特異IgE抗体は高値を示した. また, 両群において, 卵白, 牛乳特異IgG4抗体は健常児に比して高値を示した. 重症度に対しては, AD群で特異IgEおよびIgG4抗体が良い指標と考えられたが, BA群ではこれらは明確には変動しなかった. 原因抗原確定にあたり, 特異IgG4抗体をIgE抗体とともにその根拠とした割合は, 卵白で71%, 牛乳で70%, 大豆で48%であり, これらのIgG4抗体測定の診断的意義が示唆された.
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