米飯摂取後の血糖値上昇抑制を目的として,米飯炊飯時に
κ-カラギーナンを添加した場合(CP添加米飯)と,米飯に
κ-カラギーナンゲルあるいはCaCl
2添加
κ-カラギーナンゲルを混合して摂取した場合(CG混合米飯,CG-CaCl
2混合米飯)について,単独で炊飯した米飯(基準米飯)と比較して検討した.
CP添加米飯摂取被験者における血糖値は,摂取後15分および30分では,1.0%以上で基準米飯摂取被験者の血糖値よりも有意に低く,摂取後45分においては,1.6%で基準米飯摂取被験者の血糖値よりも有意に低かった.基準米飯摂取被験者のGIと比べて1.0%以上CP添加米飯摂取被験者のGIで,グルコース放出量は0.5%以上CP添加米飯で有意に低下した.CG混合米飯摂取被験者の各測定時間における血糖値は,各試料間において有意な差は見られなかったが,基準米飯と比較してGIは1.0%以上,グルコース放出量は1.6%において有意に低下した.CG-CaCl
2混合米飯摂取被験者のGIおよびグルコース放出量に基準米飯と比較して有意差は見られなかった.CP添加米飯においては,客観測定および主観評価のテクスチャーの硬さは,0.5%以上の
κ-カラギーナン添加により有意に増加した.これらのことから,
κ-カラギーナンによる血糖上昇抑制については,CP添加米飯で最も効果が高く,次いでCG混合米飯であり,CG-CaCl
2混合米飯では測定の範囲でその効果は認められなかった.
抄録全体を表示