日本食品科学工学会誌
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51 巻, 11 号
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  • 舘 和彦, 小川 宣子, 下山田 真, 渡邊 乾二, 加藤 宏治
    2004 年 51 巻 11 号 p. 565-571
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    乾熱卵白を添加した中華麺を凍結処理した時の影響について官能試験による評価,力学物性値,麺糊化度より検討した.また走査型電子顕微鏡を用いて凍結中華麺の表面および断面構造を観察することにより,以下の結論を得た.
    1) 官能試験の結果より,乾熱卵白を添加した中華麺は,凍結処理後でも噛みごたえ,弾力性,つるみ感,麺の伸長において無添加麺や乾燥卵白添加麺より高い評価となり,嗜好性に優れていることが示された.
    2) 力学物性値より,乾熱卵白が凍結中華麺に及ぼす効果として,麺に弾力性を付与することと伸長を改善し切れにくくすることがわかった.また,破断応力の上昇を抑制する有意な効果がみられた.
    3) 走査型電子顕微鏡による観察結果より,乾熱卵白を添加した凍結中華麺の表面構造は,無添加麺や乾燥卵白添加麺と比較して,隙間が狭く,滑らかな構造となっていた.また,断面構造は蛋白質からなる網目構造が多く,密なものであった.乾熱卵白は,網目構造の結びつきを促進させる効果を示すことがわかった.
    4) 冷凍中華麺の糊化度測定より,乾熱卵白を添加した凍結中華麺は無添加麺や乾燥卵白添加麺より有意に糊化度が高く保たれており,乾熱卵白添加は澱粉の老化抑制に対して効果のあることが示された.
  • 竹中 敦司, 川上 昭徳, 足立 真美, 森田 直子, 綾木 義和
    2004 年 51 巻 11 号 p. 572-576
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    アセトンを用いて脱脂した4.0gの養殖マダイ鱗を200cm3の塩酸,クエン酸およびEDTA水溶液で15∼30°C,15分∼24時間の条件で脱灰し,コラーゲンを分離した.希塩酸の場合0.25M,20∼30°C,15分の条件で,クエン酸水溶液では1.0M,15∼25°C,24時間で鱗が脱灰され,約45%の収率でコラーゲンが分離できた.しかしながら,EDTA水溶液による脱灰では鱗から無機成分を十分に除去することはできなかった.また,分離したコラーゲンはほぼ純粋で,I型コラーゲンであると考えられた.
  • 相馬 真哉, 田川 彰男, 飯本 光雄
    2004 年 51 巻 11 号 p. 577-584
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    乾燥過程における青果物の構造的特性を把握するため,ダイコン,ニンジン,ナス,ジャガイモおよびサツマイモ5種類の青果物を対象に,乾量基準比容積,見かけ密度,真の密度および空隙率の調査を行った.その結果,以下の知見を得た.
    (1) 5種類の青果物の見かけ密度および空隙率は,含有水分の減少に伴い異なる傾向を示した.ダイコンおよびニンジンンの「直線的増加傾向」,ナス,ジャガイモおよびサツマイモの「放物線的傾向」である.また,それぞれの青果物の真の密度は含有水分の減少に伴い指数関数的に増加した.
    (2) 5種類の青果物の見かけ密度および空隙率は,その体積変化との関係から,試料の水分損失あるいは加熱による試料表面あるいは全体の硬化の影響によりそれぞれ異なる傾向を示すと推察された.特に,多孔質であるナスおよびデンプン質であるイモ類(ジャガイモおよびサツマイモ)では,水分損失および加熱による試料の収縮および硬化の影響が顕著であることが推察された.
  • 石山 絹子, 辻原 命子, 貝沼 やす子, 福田 靖子
    2004 年 51 巻 11 号 p. 585-591
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1.竹炭浸漬液はpHが500°C竹炭で8.19,800°C竹炭で10.23であり,アルカリ性を呈した.導電率が高いが硬度は小さく,軟水であった.また木炭に比べカルシウムおよびマグネシウムイオンなど2価の陽イオンが多く含まれていた.
    2.800°C竹炭は窒素充填し30日間密閉して二酸化炭素との接触を防ぐことにより,pHの変化を抑えて保存することができた.
    3.炭浸漬液に金時豆を浸漬し,その液で加熱すると,蒸留水で加熱したものと比べ破断強度が有意に小さく,やわらかくなった.また,同モル濃度のカリウムイオンを含む溶液で加熱した場合,pHが高い方がより軟化したことから,炭浸漬液の金時豆軟化促進作用は,アルカリ性によるものであると考えられる.
    4.竹炭浸漬液で金時豆を加熱すると,煮汁の吸光度が高かった.また,金時豆の赤色も濃くなった.同モル濃度のカリウムイオンを含む溶液で加熱した場合,pHが高い方が煮汁の吸光度が高くなったことから,炭浸漬で金時豆を加熱した場合に色が濃くなる作用は,アルカリ性によるものであると考えられる.
    5.炭浸漬液で金時豆を加熱しても,蒸留水で加熱したものと比較してラジカル捕捉活性には差はみられず,抗酸化性に影響はなかった.全フェノール含量,DPPHラジカル捕捉能およびSOD様活性は吸光度と高い相関性を示した.
  • 発芽玄米の新用途開発に関する研究(第2報)
    安井 裕次, 鈴木 啓太郎, 岡留 博司, 奥西 智哉, 橋本 勝彦, 大坪 研一
    2004 年 51 巻 11 号 p. 592-603
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    発芽玄米および発芽大麦を配合した混合A,また,発芽玄米,発芽大麦さらにビール酵母を加えた混合Bを2軸エクストルーダーにより膨化処理を行った.生理機能性および消化性に優れた多目的食品素材の開発を試みた.得られた結果は以下の通りである.
    (1) 混合膨化Bの膨化粉末では,粒径が膨化前107.6μmに対し,膨化後では97.7μmとなり,各膨化粉末は粗い粒径の体積が減少し,粒径の細かい部分へと移行した.
    (2) 発芽処理工程により,発芽玄米および発芽大麦の一般生菌数が多くなるが,膨化処理により300(cfu/g)未満となり,大腸菌群も検出されなくなった.
    (3) 発芽玄米,混合A,混合Bの膨化粉末は,精米粉よりも消化性が優れていることが確認された.
    (4) 膨化処理により,脂質の分解が抑制されることにより脂肪酸度が増加しなかった.
    (5) 各混合膨化製品は,膨化発芽玄米と比べてフィチン酸,イノシトール,フェルラ酸,食物繊維を多く含有していた.
    (6) 高血圧自然発症ラットを用いた血圧試験では,投与日数28日目において,膨化精米粉20%置換に対し,膨化発芽玄米粉,混合膨化粉Bが有意に低い値を示した.膨化発芽玄米粉,混合膨化粉Bは高血圧抑制作用を持つことが明らかになった.
    (7) 官能検査においては,混合膨化A30%配合パンは,小麦粉パンと比較し食感(P<0.05)と甘さ(P<0.05)で有意に優れていた.各膨化粉末30%配合パンは,小麦粉に比べ柔らかく,しっとりとした食感という評価を得ることが出来た.また,和菓子の官能検査では,混合膨化B20%配合は,小麦まんじゅうとの比較で香り(P<0.05),食感(p<0.05)で有意に優れていた.いずれも食品として高い評価が得られた.
  • 村本 桂久, 田村 勝弘, 荒尾 俊明, 谷脇 孝典, 鈴木 良尚
    2004 年 51 巻 11 号 p. 604-612
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    酵母に及ぼす加圧酸素ガスの致死作用とスダチ果汁の殺菌処理への応用について検討を行い,以下の結果を得た.
    (1) YPD培地に懸濁した酵母(Saccharomyces cerevisiae IFO 10149)を酸素ガスで直接加圧すると,生菌数が減少し,生存率は圧力または温度を上げるに従い短時間で減少した.
    (2) 酸素分圧が同じならば,全圧が変化しても酵母の死滅速度は変化しなかった.すなわち,溶存酸素濃度が酵母に致死的影響を及ぼすことがわかった.また,温度の影響も大きく,特に溶液の温度上昇に伴う酸化還元電位の増加は,生存率と高い相関関係(r=0.96)を示した.
    (3) 加圧の際,攪拌することで,急速に酵母の生存率が低下した.スダチ果汁中に懸濁した酵母(Candidia boidinii SYM-1)は,30°C,5.0MPaで15分間,40°C,10.0MPaでは5分間,さらに加熱の効果も加わる50°Cでは,1分間以内で完全に殺菌できた.
    (4) スダチ果汁成分への加圧酸素ガスの影響を調べた結果,40°C以下の条件では酵母の殺菌に伴いビタミンC含量も減少した.それに対し,50°CではビタミンCを残存させたまま酵母を殺菌することができた.さらに,香気成分であるD-リモネンや色調に大きな変化は認められず,加熱臭のない新鮮な香味を保持することができた.
    (5) 酸素ガスで直接果汁を殺菌する方法は,比較的低い圧力(10MPa以下)で処理できることから,高圧殺菌処理(400MPa以上)と比べて装置,コストの面で効率的であり,多量の果汁を連続的に処理できる可能性が示された.
  • 朝田 仁, 鈴木 寛一
    2004 年 51 巻 11 号 p. 613-619
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    ワキシーコーンスターチを由来澱粉として,アセチル置換度を一定にし,リン酸架橋度を段階的に変えたアセチルリン酸架橋澱粉を試作し,澱粉の化学変性処理が,その澱粉糊化液の流動特性(レオロジー)に与える影響を検討した結果,以下の知見を得た.
    (1) 天然澱粉にリン酸架橋すると,1.21×10-4%(w/w)の微量の架橋リン含量で,その糊化液の流動特性などのレオロジー特性は大きく変化した.
    (2) 流動特性を流動パラメータで評価すると,リン酸架橋澱粉の糊化液は,架橋リン含量に伴ってパラメータは減少した.特に,架橋リン酸含量の増加に従ってコンシステンシー係数Kとみかけ粘度μaの常用対数値logKとlogμaは,架橋リン含量に従って減少した.
    (3) 架橋リン酸含量が9.00×10-4%(w/w)以上になると,糊化澱粉の膨潤抑制が強くなり,コンシステンシー係数Kとみかけ粘度μaの架橋リン酸含量に対する減少割合は小さくなった.
    (4) 澱粉糊化液の流動特性は,リン酸架橋の程度に大きく影響を受けることがわかった.
  • 小田原 誠, 底押 秀康, 高橋 鍛, 岡留 博司, 大坪 研一
    2004 年 51 巻 11 号 p. 620-625
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    すし酢成分(酢酸・食塩・糖類)を炊飯後に添加した米飯の冷蔵保存前後における物性を,テンシプレッサーにて米飯1粒ならびに集団粒(10g)での測定を低圧縮試験(圧縮率25%,表層の物性)と高圧縮試験(圧縮率90%,全体の物性)にて行ない,冷蔵保存前後における変化を検討した.
    (1) 米飯の冷蔵保存前後における物性評価には,集団粒で測定した場合では十分な再現性が得られず,1粒ずつ測定する方法が適していた.表層と全体の物性では,表層の方が変化が顕著であった.
    (2) 酢酸は米飯の表層の粘りを増加させる効果があった.冷蔵保存後でも硬さ・粘りの変化抑制効果があり,酢酸が飯のテクスチャー変化抑制に有効であることが示された.
    (3) 糖類は冷蔵保存後の表層の硬さを増加させる傾向があり,今回検討した中では,果糖が最も変化が大きかった.
    (4) ショ糖や果糖では糖濃度が増加するにつれて,酢酸のテクスチャー抑制効果が低下するが,ブドウ糖や麦芽糖では濃度が増加しても酢酸の効果があまり変わらなかった.
    以上のことから,冷蔵下で保存するすしのテクスチャーの変化を少なくするには,酢酸のテクスチャー変化抑制効果をできるだけ損なわないようにするために,果糖の使用は控え,ブドウ糖や麦芽糖を使用するのがよいことが明らかとなった.
  • 黄 素梅, 重富 宣雄, 田中 章江, 寺原 典彦, 藤岡 稔大, 吉田 都, 石丸 幹二
    2004 年 51 巻 11 号 p. 626-632
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    7種の豆類由来のタンパク質(変性および未変性)と茶カテキン類の複合体を調製した.複合体の生成量は,未変性豆タンパク質と茶抽出エキスの混合物から沈殿として調製したものの方が,変性タンパク質から調製したものよりも多かった.すべての複合体において,結合している主カテキン類は(-)-epicatechin 3-O-gallateと(-)-epigallocatechin 3-O-gallateの様なガロイル基結合成分であった.複合体は,強いDPPHラジカル捕捉活性を示し,新しい食品素材として有用と思われた.特に,黒豆,小豆,大正金時や大納言を材料として調製した複合体は,強い活性を示したが,構成成分であるアントシアニンの影響が考えられた.22種のポリフェノール関連化合物とオートクレーブした脱脂大豆タンパク質との複合体も調製した.ポリフェノール類とタンパク質との結合性に関して,特にポリフェノール成分中のガロイル基の影響が重要であることが明らかになった.
  • 松倉 潮, 金子 成延, 門間 美千子
    2004 年 51 巻 11 号 p. 633-636
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) 白米一粒のアセトン抽出液に,脂肪酸の蛍光誘導体化試薬4-ブロモメチル-7-メトキシクマリンを反応させ,遊離脂肪酸を蛍光誘導体化した.セップパックC18を用いて,未反応の試薬と遊離脂肪酸蛍光誘導体を分離し,蛍光光度計を用いて蛍光を測定することにより,白米一粒の遊離脂肪酸含量を測定する方法を開発した.
    (2) 本測定法で,白米の30°C貯蔵中の遊離脂肪酸含量変化を測定できることを明らかにした.貯蔵開始時の各米粒の遊離脂肪酸含量は低い階級に集中していた.貯蔵により粒ごとの遊離脂肪酸含量の変異が大きくなり,貯蔵期間が長くなるにつれて遊離脂肪酸含量の分布範囲は高い階級ヘシフトした.
  • 福岡 美香, 厳 維麗, 木尾 茂樹, 渡辺 尚彦
    2004 年 51 巻 11 号 p. 637-640
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    架橋したリン酸ジエステル型タピオカデンプンの糊化についてDSC法および偏光顕微鏡を用いて考察を行った.リン酸ジエステル型タピオカデンプンは,架橋を施していないNativeタピオカデンプンと異なり,粘性増加が大幅に抑制される事がアミログラムの測定から明らかであるにもかかわらず,DSC測定では糊化初期過程を示す非結晶化相転移温度がかえって低下することが分かった.偏光顕微鏡による観察においても,架橋デンプンは偏光十字が消失して非結晶化相転移が起こった後も,顆粒の膨潤がほとんど見られない様子が明確に確認できた.
  • 川上 浩
    2004 年 51 巻 11 号 p. 641-644
    発行日: 2004/11/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
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