Coffee flavor is considerably influenced by the quality of green coffee beans. Therefore, specialty coffee has a richer aroma, higher acidity, and a more distinct flavor profile compared to commercial coffee. The current methods for evaluating specialty coffee quality are mainly SCA sensory evaluation and complementary techniques such as taste sensing systems and NIRS. However, because the flavor profiles of specialty coffees have become complex over the years, we propose a new quality index method based on physicochemical numerical values.
サバへしこは,6.5ヶ月の糠漬け期間中に生成する遊離アミノ酸や乳酸などの水溶性呈味成分の増加とともに,酸味およびうま味に加えて,厚みおよび持続性,まろやかさが向上し,風味が形成されることを明らかにした.サバへしこのうま味および厚み,持続性,まろやかさは仕込み加塩量が低い方にて強かったことから,低塩条件下の発酵・熟成において特徴的に生成する呈味成分あるいは香気成分がこれらの風味質に寄与していることが示唆された.仕込み加塩量の低いサバへしこでは,既知の乳酸およびL-アミノ酸に加えて,D-Alaを中心としたD-アミノ酸が多く生成することを明らかにした.特に,D-Alaは熟成サバへしこの風味において,持続性およびまろやかさの向上に寄与することから,へしこの風味質を構成する要素として重要であることが示唆された.
ヨーグルト製品中に含まれる β-ラクトグロブリン濃度を測定するにあたり,ISO 13875に準拠したHPLC法による定量結果と,簡便法である酵素抗体法による定量結果を比較することにより,酵素抗体法による定量結果の信頼性および機能性表示食品における機能性関与成分である β-ラクトグロブリンの定性・定量法としての酵素抗体法の有効性を検討した.その結果,HPLC法と遜色ない定量性が得られ,酵素抗体法による β-ラクトグロブリン定量は,機能性ヨーグルトの生産現場における β-ラクトグロブリン濃度のモニタリング法として十分に有効であることが明らかになった.
試料として用いた広島県産のこんにゃく精粉におけるGM粒子表面の付着物の由来を明らかにすることを目的に本研究を行った.こんにゃく精粉を適当な濃度のエタノール水溶液に浸漬した後,メチレンブルーで染色して,光学顕微鏡で観察した.用いたエタノール水溶液中では精粉粒子はある程度抑制された状態で膨潤していた.このような膨潤抑制下で,ほとんどの膨潤粒子でその表面の一部にMBによる染色物が様々な形態・存在状態で付着していることが明らかになった.粒子表面の一部に “パッチワーク模様” を呈するものがあり,パッチの縫い目に相当する部分はパッチ部分に比べて濃く染まっていた.粒子によっては様々な形態のパッチが離れ離れになって付着しているものが観られた.また,パッチがすじ状に損傷あるいは大きく壊れたものが観られた.付着物の染色は主としてペクチンを含む細胞壁や中葉の存在に起因すると考えられる.これらの結果および考察から,膨潤粒子表面の場合と同様に,こんにゃく精粉におけるGM粒子表面の付着物は,精粉製造工程中に部分的に損傷・破壊を受けたこんにゃく芋組織由来の細胞壁や中葉の一部または断片であると結論づけた.