市販豆乳 (タンパク質濃度5g/100ml) に対して5種類の凝固剤を種々の量, 添加して豆腐を調製し, 貫入試験を行い, 豆腐の硬さの指標として破断強度の大きさと凝固剤の種類とその使用濃度との関係について検討したところ, 以下のことが明らかとなった.
GDL及びLAAの酸凝固剤は破断強度の大きい豆腐をより低濃度で調製でき, その使用量は最大破断強度を与える濃度, それぞれ35.9mM及び28.4mM, を超えると急激に豆腐ゲルが崩壊する.
塩凝固剤のうち, CaSO
4, MgCl
2及びにがりは台形型の破断強度の凝固剤濃度依存性を示し, 最低添加量の約2.5倍もの広い濃度範囲にわたって過剰添加してもゲル状態は維持される. 従って, これらの凝固剤については凝固剤適量が特に重要で, それぞれ, CaSO
4 58.1mM, MgCl
2 36.9mM及びにがり67.0mMと測定された.
CaCl
2は塩凝固剤の1つであるが, 他の塩凝固剤と酸凝固剤との中間的な豆乳に対する凝固特性を有し, 凝固剤適量は23.3mMであった.
また, GDL-MgCl
2混合凝固剤の使用はそれらの量比に応じて酸凝固剤のGDL, 塩凝固剤のMgCl
2, それぞれ単独の及びそれらの相乗化された豆乳に対する凝固特性を有する豆腐の調製を可能にすることが明らかとなった.
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