日本食品科学工学会誌
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66 巻, 8 号
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総説
  • 松村 康生
    2019 年 66 巻 8 号 p. 271-289
    発行日: 2019/08/15
    公開日: 2019/09/12
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    Food emulsions are thermodynamically unstable systems due to destabilization processes such as flocculation, creaming and coalescence. Thus, the maintenance of kinetic stability is critically important to obtain high-quality commercial products. Our group has been studying the adsorption behavior and interaction at the interface of several components in oil-in-water emulsions, particularly, the two major components, i.e., proteins and low-molecular weight surfactants (emulsifiers) to understand the factors governing quality of food emulsions. In this review, I show the main results of our studies on food emulsions over the past 30 years. The topics are as follows: 1) the interaction of proteins and emulsifiers, particularly the displacement of proteins from the interface by emulsifiers; 2) Fat crystallization as a cause of partial coalescence of oil droplets; 3) Emulsion formation and stabilization by adsorption of fine particles; 4) Rapid evaluation of long-term stability of emulsions.

報文
  • 芦田(吉田) かなえ, 幸谷 かおり, 梅本 貴之
    2019 年 66 巻 8 号 p. 290-298
    発行日: 2019/08/15
    公開日: 2019/09/12
    ジャーナル フリー

    (1)見かけのアミロース含有率からコンカナバリンA法によって測定したアミロース含有率を差し引くことで,アミロペクチンの超長鎖(SLC)を推定できる可能性が示された.

    (2)見かけのアミロース含有率25%~30%の高アミロース米の米粉に10倍量から15倍量の水を加えて加熱攪拌することで得られるゼリー状のゲルは,嚥下困難者用食品の基準に相当する物性を示した.硬さと付着性の比率から10倍加水ゲルの物性がより飲み込みやすいことが示唆された.

    (3)飲み込みやすいと示唆された10倍加水ゲルの物性値は,見かけのアミロース含有率およびコンカナバリンA法によるアミロース含有率と有意な相関関係を示した.

    (4)10倍加水もしくは15倍加水により調製した高アミロース米粉ゲルは3日間冷蔵保存しても物性の変化が少なく離水も認められなかった.

    以上のことから,高アミロース米の米粉ゲルが嚥下食として利用できることが期待される結果が得られた.

  • 髙橋 あずさ, 逢坂 文那, 浦本 みほ, 高木 悠, 堀 果代子, 副島 洋, 山本 正彦, 知地 英征
    2019 年 66 巻 8 号 p. 299-304
    発行日: 2019/08/15
    公開日: 2019/09/12
    ジャーナル フリー

    専用液肥SSZ-44を葉面散布することによって開発した亜鉛強化大豆のラットにおける生体内有効利用性について検討した.SD/SPF系雄性ラット(3週齢)を予備飼育後,標準飼料をcontrol群とし,普通大豆飼料群,普通大豆と同量の亜鉛強化大豆を添加した亜鉛強化飼料群,普通大豆にグルコン酸亜鉛を添加し,亜鉛強化大豆と同じ亜鉛含量に調整したグルコン酸亜鉛飼料群およびZnを含有しない亜鉛欠乏群の5群を用いて,3週間飼育した.体重は,亜鉛強化大豆飼料群がcontrol群,普通大豆飼料群および亜鉛欠乏群と比較して有意に増加した.飼料効率も亜鉛強化大豆飼料群はcontrol群および亜鉛欠乏群と比較して有意に高値を示した.血中ALP活性は,亜鉛強化大豆飼料群およびグルコン酸亜鉛飼料群が亜鉛欠乏群と比べ有意に高値を示した.さらに,骨強度は,大豆添加群がcontrol群および亜鉛欠乏群と比較して有意な増加を示した.以上の結果より,亜鉛強化大豆中亜鉛はフィチン酸の影響を受けず,生体内で有効に利用されることが明らかになった.

解説
シリーズ─研究小集会(第41回)果汁部会
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