GABA摂取が肌質,並びに,睡眠の質に及ぼす影響を評価することを目的として,肌荒れを自覚し,疲労や睡眠の不調を感じている成人女性を対象に,二重盲検並行群間試験を実施した.その結果,GABA摂取群において頬の皮膚弾力性指標がプラセボ摂取群と比較して有意に改善した.睡眠の質の評価においてはGABA摂取群とプラセボ摂取群の両群ともに摂取開始後に改善がみられたが,有意な群間差はみられなかった.本試験の結果から,GABAの摂取は日頃から疲労や睡眠の不調を感じ,肌荒れの自覚がある成人女性の頬の粘弾性の悪化を抑制する可能性が示された.
「機能性表示食品」として期待されるべにふうき緑茶のメチル化カテキンについて,測定法の条件検討を行い,室間共同試験により妥当性の確認を行った.
高速液体クロマトグラフ法により,0.2%リン酸水溶液,メタノールおよびアセトニトリルを77 : 18 : 5の割合で混合した移動相により,エピガロカテキン-3-O- (3-O-メチル)ガレート(EGCG3”Me)が10分以内に分析可能となった.また,やぶきた緑茶を試料と同様に抽出し,EGCG3"Meが検出限界以下であることを確認した液を試験溶液と同じ希釈倍率となるように添加した標準溶液を用いることにより,機種間の定量値の変動を小さくすることができた.
室間共同試験には10試験室が参加し,5材料を非明示2反復で測定した.その結果,EGCG3"Me含有量が1.1~1.9% (w/w)の範囲で,RSDrおよびRSDRはそれぞれ1.4〜2.0%および1.6〜5.7%となった.また,HorRat valuesは0.39〜1.4となり,2以下であることから室間再現性の妥当性を確認することができた.
霊芝抽出物による血漿コレステロール低下作用について検討を行った.霊芝熱水抽出物およびEtOH抽出物は,高コレステロール食を投与したラットの血漿コレステロール低下作用および糞中コレステロール含量増加作用を示した.そこで,霊芝抽出物のコレステロールミセル溶解性に及ぼす影響を検討したところ,霊芝熱水抽出物およびEtOH抽出物は,コレステロールミセル溶解性を低下させた.両者を比較すると,EtOH抽出物はより強い作用を示した.
以上から,霊芝抽出物は血漿コレステロール低下作用を示し,コレステロールミセル溶解性の低下がその作用メカニズムの一部であることが示唆された.