本研究では,食物繊維を多く含むライ麦を使用し,加工形態をドーナツやケーキとして,食後血糖値の上昇抑制効果および嗜好性について検討した.結果を下記に示す.
1.小麦全粒粉,ライ麦全粒粉を配合した各ドーナツ,ケーキの50g糖質相当量摂取前後から得られた血糖値においてドーナツの小麦全粒粉ドーナツ(D1),ライ麦全粒粉ドーナツ(D2)ではプレーンドーナツ(D0)よりも有意に低値であった.
2.ケーキではプレーンケーキ(C0)に対し,小麦全粒粉ケーキ(C1)が有意に低値であった.
3.密度はドーナツではD0に比べD2有意に高く,気泡が少なく,押しつぶされた構造であった.ケーキでは密度には違いが認められなかった.
4.嗜好性を調査したところ,ドーナツはD1の方がD2よりも好まれたのに対し,ケーキでは試料間に違いがみられなかった.
以上の結果から,小麦全粒粉やライ麦全粒粉を配合したドーナツおよびケーキに含まれる食物繊維量
18) や加工形態の違い
16) によって食後血糖値の上昇抑制効果や嗜好性が異なるため,糖尿病予防食として利用するためには主原料に合った加工形態の選択が重要と考えられる.
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