日本食品科学工学会誌
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49 巻, 1 号
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  • 舩津 保浩
    2002 年 49 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 中倉 英雄, 中武 隆士, 三分一 政男, 大佐々 邦久
    2002 年 49 巻 1 号 p. 12-18
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    (1) 電気伝導度の測定により,ショ糖を含む寒天ゲル中の束縛水分量を定量的に評価した.圧搾特性値の正しい見積もりに際しては,束縛水分量を考慮した極値ゲル体積の適用が重要なことを示した.
    (2) ショ糖を含む寒天ゲルの定圧圧搾過程は,濾過期間とそれに続く圧密期間として解析可能なことを明らかにし,平均濾過比抵抗αavおよび修正圧密係数Ceを圧搾圧力pの関数として実験式で整理できた.
    (3) 束縛水分量を表すパラメーターβおよびショ糖溶液の粘度μを考慮すれば,本報の圧搾理論式に基づいて,ショ糖を含むゲル状物質の圧搾過程が推算可能なことを明らかにした.
  • 大野 婦美子, 笠井 八重子
    2002 年 49 巻 1 号 p. 19-24
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    イモこんにゃくの物性形成に及ぼす飛粉の影響を明らかにするために,精粉に飛粉を添加して飛粉量の異なる「のり」とこんにゃくを調製し,こんにゃくのクリープ特性,破断特性の測定および走査型電子顕微鏡による「のり」の構造観察を行い,以下の結果を得た.
    (1) 飛粉量の増加により,こんにゃくの弾性率,粘性率は低下した.フック体弾性率はほぼ飛粉量に対応して低下し,フォークト体粘弾性率,ニュートン体粘性率の変化とは異なる傾向が認められた.
    (2) クリープ試験,破断試験における飛粉添加の影響はS:T=1:0.8以上で顕著に増大した.
    (3) 低真空下での走査型顕微鏡による「のり」の観察から,精粉「のり」は太さ1.5-2μm程度の太い繊維からなる均一な網目構造を形成し,飛粉添加によって繊維は細くなり網目は大きく不均一となることが示された.飛粉由来のデンプン粒子は90℃下で糊化され,滑らかな様相が観察された.コンニャクゾルである「のり」の網目構造は飛粉添加によるこんにゃくの物性変化と密接に関連することが示された.
  • 受田 浩之, 森山 洋憲, 川名 大介, 片山 泰幸, 中林 錦一, 沢村 正義
    2002 年 49 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    嗜好性飲料が有するO2-の消去活性(SOSA)の測定に対して,新しく開発されたSOD活性測定法,すなわち水溶性テトラゾリウム塩WST-1をO2-の検出プローブとして用いるWST-1法と,ルシゲニンの化学発光に基づくFIA法を応用した.得られた結果を従来法の一つであるESR法の測定結果と比較して,それらの方法の食品試料への適用性を調べた.
    (1) 食品試料中にはWST-1を直接還元する物質が存在した.しかしながら各試料を20-100倍に希釈することで,その直接的還元を無視しうるレベルまで抑えることができた.各試料が50%阻害を示す希釈倍率は180-3000倍で,WST-1の直接的な還元物質の影響は3%以下であった.本法で得られた測定結果はESRの結果と比較的良く一致したが,ワイン,緑茶では低い値を,インスタントコーヒーでは高い値を示す傾向が認められた.
    (2) 希釈食品試料の繰り返し分析においてCL-FIAシステムは良好な安定性を示した.また食品試料とルシゲニンとの間の非特異的な発光は認められなかった.本法で得られたSOSA値とESR法との測定結果との間には相関係数0.908の良好な直線関係が成立し,本法が食品試料に対して高い適用性を有していることが明らかとなった.
  • 三輪 章志, 黒田 晃, 織田 秀晴, 高谷 友久, 西成 勝好
    2002 年 49 巻 1 号 p. 32-39
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    品種別米の食味を簡易に評価する方法として,精米の吸水率測定法の検討を行った.
    (1) 官能試験の評価が異なる9品種の精米を含水率調整したのち,7通りの浸漬時間(10, 20, 30, 40, 50, 60, 120分)で15℃の水に浸漬して吸水率を測定し,官能試験と比較したところ,官能試験の各項目との相関が最も高かったのは60分浸漬吸水率であった.
    (2) 60分浸漬吸水率は,3年間いずれの年でも官能試験の各項目との相関が0.1%水準で有意であり,9品種の被害・未熟粒を含んだ試料および整粒100%の試料の吸水率と官能試験各項目との相関においても,整粒歩合に関わらず高い相関を示した.
    (3) 90%と70%精米をそれぞれ6通りの浸漬時間で吸水試験を行った吸水曲線を比較すると,90%精米で認められる10分浸漬時の品種による吸水率の差が70%精米では認められなかった.この結果より短時間浸漬した品種別吸水率の違いは,90%精米の外側の層(70~90%)に含まれる成分及び組織構造に影響されていると示唆された.
    (4) 米の理化学特性(タンパク質含量,Mg/K・N,アミロース含量,粗脂肪含量,アミログラフのブレークダウン値)の60分浸漬吸水率への影響を検討したところ,アミロース含量が少ない品種ほど高い60分浸漬吸水率を示す傾向が認められた.
    以上のことから,60分浸漬吸水率は,品種ごとの吸水特性を明確・安定的に測定でき,米飯の食味評価法として利用可能な方法である.
  • 国正 重乃, 高野 克己
    2002 年 49 巻 1 号 p. 40-45
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    従来のレトルト殺菌製法の加工ゆば製品では,B. licheniformis胞子を完全に死滅させるために、121℃, F0=4.0以上の過酷な殺菌条件で加熱処理を行っているため,香気成分の分解,蛋白質の物性変化,脂質の酸化促進などさまざま品質劣化が起こる.そこで,加工ゆばの高品質化を図るため,加圧加熱とナイシン添加の併用処理による微生物制御を試み,以下の結果を得た.
    (1) ゆばに存在する主流の芽胞形成菌株は,大豆由来によるものと考えられ,B. licheniformisと推定された.
    (2) B. licheniformisに対し,ナイシン濃度250μg/mlで完全に生育阻止できることが確認された.
    (3) 加圧加熱とナイシン添加の併用による加工ゆばの保存試験を検討した結果,F0値1.0~2.5加熱処理と,ナイシン150~250μg/mlを併用することにより,従来の殺菌温度より低温度条件で細菌胞子を完全に阻害することができた.
    (4) 官能検査では,105℃, F0=1.0で殺菌したゆばが,良好な色と食感が得られた.又,ゆばのテクスチャーと調味液の褐変度の品質測定でも105℃, F0=1.0で殺菌したゆばが柔らかく,調味液の褐変度も少ないことが認められた.
  • 大久 長範, 大能 俊久, 進藤 昌, Yi WANG, 明石 信廣
    2002 年 49 巻 1 号 p. 46-48
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    低温気流粉砕そば粉と従来のロール挽そば粉の性質を比較した.低温気流粉砕そば粉は13.7%のタンパク質を含有し,平均粒度が15μmであった.低温気流粉砕そば粉は水分を吸収する力が強く,自重の2.8倍に膨潤した.低温気流粉砕そば粉100%から製造した茹で麺は,切断の少ない長い麺線となった.ロール挽そば粉から作った麺は,茹でと水洗いにより短い麺線に切断された.ロール挽そば粉と低温気流粉砕そば粉を等量使用した場合も切断のない麺線の比率が高くなった.匂いセンサ出力の主成分分析により,低温気流粉砕そば粉とロール挽そば粉は区別された.
  • 木谷 裕亮, 堀田 博, 本多 一郎
    2002 年 49 巻 1 号 p. 49-52
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    小麦4品種(バンドウワセ,農林61号,つるぴかり,あやひかり)を,様々な栽培条件や収穫時期で栽培・収穫した.収穫物は60%粉(A粉)に製粉し,色相(L*, a*, b*値)を測定し, Ca, K, Mg, Cu, Fe, Mn, Znの含有量を測定した.
    ミネラル含有量と小麦粉の色相を比較したところ,窒素施肥量の増加により色相が低下した場合,Mg, Cu, Znの含有量が増加し,収穫時期の遅れに伴って色相が低下した場合,Ca, K, Mg, Znの含有量が減少したが,Feの含有量は増加した.
    また,鉄の含有量の増加に伴ってL*値の減少が観察され,鉄の含有量とL*値の間には相関関係があった(相関係数は0.70-0.84)ことから,鉄が小麦粉の色相と関連していることが示唆された.
  • 吉川 修司, 浅野 行蔵, 太田 智樹, 佐々木 茂文, 富永 一哉, 下林 義昭
    2002 年 49 巻 1 号 p. 53-56
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
    ホタテガイの貝柱は,生で食べるとソフトかつジューシーで,ほどよい甘みを持つなど優れた特徴がある素材である.本研究では,ホタテガイ貝柱を乳酸菌で発酵させ,発酵食品を製造する方法を開発した.
    ホタテガイ貝柱の発酵にはL.plantarumの粉末スターターを用いた.発酵させたホタテガイ貝柱は強い弾力性を持つ歯ごたえのあるゲルを形成した.さらに発酵による風味も感じられ,従来にない食品を作ることができた.
  • 山本 和貴
    2002 年 49 巻 1 号 p. 57
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
  • 林 清
    2002 年 49 巻 1 号 p. 58-59
    発行日: 2002/01/15
    公開日: 2010/01/20
    ジャーナル フリー
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