日本食品科学工学会誌
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50 巻, 7 号
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  • 八巻 幸二
    2003 年 50 巻 7 号 p. 295-302
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 〓原 昌司, 兀下 伸二, 関 圭吾, 齋藤 高弘, 志賀 徹, 大谷 敏郎
    2003 年 50 巻 7 号 p. 303-309
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では,焙煎ゴマ油の品質を極微弱発光計測により推定するため,詳細にゴマ油からの発光現象の解明を行った.焙煎度合いと発光現象の検討や,加速試験や貯蔵試料による品質劣化と発光現象の検討を行い以下の結果が得られた.
    (1) 焙煎により,ゴマ油に含まれる中のセサモール量が増加することで抗酸化性が増し,極微弱発光量も多くなることが明らかになった.
    (2) 加熱,通風による品質劣化時には,ヒドロペルオキシドの生成・分解などの化学反応が安定するまでの状態,劣化反応が安定している状態,劣化が急激に進む状態の3つの反応系の存在が,微量成分の分析や極微弱発光の計測により明らかになった.
    (3) 加熱,通風処理中の試料の色度変化は発光量には影響を及ぼさないことが明らかになった.
    (4) 加速試験や貯蔵試料による品質劣化と発光現象の検討より,焙煎ゴマ油は劣化に伴い極微弱発光量が減少することが確認され,抗酸化性の高い焙煎ゴマ油に特有であることが明らかになった.
    (5) 焙煎ゴマ油からの極微弱発光現象の要因の一つとして,セサモールの関与が示された.
    (6) 発光量が品質劣化に伴い減少する自発極微弱発光計測を利用して,焙煎ゴマ油の品質評価が行える可能性が示された.
  • 丸山 広恵, 徳永 勝彦, 鈴木 和道, 吉田 千絵, 二村 芳弘, 荒木 陽子, 三島 敏
    2003 年 50 巻 7 号 p. 310-315
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    RJのプロテアーゼ分解物からACE阻害活性を有するペプチドを単離同定し,以下の結論を得た.
    (1) ODSカラムによる分画を行い,10%エタノール溶出画分で高いACE阻害活性及び収率を得た.
    さらに10%エタノール溶出物を分取HPLCにて分離精製し,2種のペプチドを単離した.
    (2) ゲルろ過カラムによる分画を行い,ジ・トリペプチド画分を得た.分取HPLCを繰り返すことにより,4種のペプチドを単離した.
    (3) 単離した6種のペプチドのアミノ酸配列を解析した結果,Ile-Tyr(IY),Val-Tyr(VY),Ile-Val-Tyr(IVY),Tyr-Tyr(YY),Ile-Phe(IF)及びLys-Ser(LS)であると判明した.
    (4) IY,VY,IVY,YY,IF及びLSのACE阻害活性(IC50値)はそれぞれ0.008,0.020,0.018,0.028,0.034及び155mg/mlであり,IYが最もACE阻害活性が強かった.
  • 大久 長範, 大能 俊久, 森 勝美
    2003 年 50 巻 7 号 p. 316-318
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    (1) 玄米,発芽玄米及び籾発芽玄米の遊離アミノ酸含量とγ-アミノ酪酸含量には正の相関(r=0.928)が認められた.
    (2) あきたこまちを原料とした試料がγ-アミノ酪酸含量が高く,ミルキークイーンの玄米を原料とした試料はアラニン含量が高いという傾向があった.
    (3) 籾発芽した種子を,50°Cと60°Cで処理したこころ,遊離グルタミン酸が減少し,遊離アラニンが増加した.
  • 小川 幸春, Delilah F. Wood, William J. Orts, Gregory M. Glenn, 宮下 一成, 蔦 瑞樹 ...
    2003 年 50 巻 7 号 p. 319-323
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    米飯粒の組織構造観察のための特殊粘着テープを利用した簡易切片化法を開発し,得られた組織切片を顕微鏡観察した.
    (1) アルコール上昇系の脱水置換によって試料をパラフィン包埋し,パラフィンの薄片も含めた米粒の組織切片を粘着テープ上に回収した.回収された切片は粘着テープごとキシレンに浸漬してパラフィンを溶解し,顕微鏡観察が可能となるようスライドガラス上に設置した.
    (2) 走査型電子顕微鏡を利用した組織切片の表面状態観察により,顕微鏡観察に耐え得る組織切片が作成されたことを確認した.また,炊飯による組織変化が変形や亀裂といった大きな変化だけでなく,細胞レベルでも生じていることが確認された.
    (3) 細胞壁の自家蛍光特性を利用して,米飯粒の細胞壁損傷を観察した.その結果,細胞壁の損傷は米飯粒外縁部に生じる傾向のあることが推測された.
  • 鈴木 啓子, 森 眞弓
    2003 年 50 巻 7 号 p. 324-326
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    成熟過程に伴う"さらら"のカロテノイド組成の変化には,次のような傾向が見られた.
    (1) β-カロテンはすべての時期に存在した.
    (2) 開花後2∼6週目には,β-カロテン,ルテインが見られ,その含量は,しだいに減少した.
    (3) 開花後7週目には,ルテインがほぼ消失し,ゼアキサンチンとカプサンチンが急激に発現した.
    (4) ゼアキサンチンとカプサンチンは,9週目まで増加し,10週目には減少した.
    (5) β-カロテンとルテイン,β-カロテンとカプサンチンには,相関関係が認められ,β-カロテンが減少するとルテインも減少,β-カロテンが増加するとカプサンチンも増加するという傾向があった.そして,ルテイン,カプサンチンがβ-カロテンと共にさらら中に存在するときは,β-カロテン:ルテイン(1:4),β-カロテン:カプサンチン(1:10)と一定の割合で含まれていた.
  • 石原 昌信, 片山 寿雄, 平良 東紀, 多和田 真吉, 小波本 直忠
    2003 年 50 巻 7 号 p. 327-330
    発行日: 2003/07/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Aspergillus oryzae W-1のアルカリプロテアーゼインヒビター(API)は,DEAE-CelluloseおよびHydroxyl apatiteカラムクロマトグラフィーにより均一に精製された.APIの分子量はSDS-PAGE法により14KDa,SephadexG-50を用いるゲル濾過法で12.5KDaと算出され,等電点は4.6であった.APIは著しく熱安定性であり,pH4∼6の範囲内で5分間煮沸処理後でも処理していないものと同等の活性を保持した.APIはA.oryzaeA.oryzae W-1のAPに対して阻害活性を示したが,subtilisin, subtilisin BPN', papain, ficin, bromelain, trypsinおよびα-chymotrypsinに対する阻害作用は認められなかった.一方,APIは後者の7つのプロテアーゼによって不活性になることが明らかになった.
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