日本食品科学工学会誌
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44 巻, 12 号
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  • 井上 茂孝
    1997 年 44 巻 12 号 p. 841-847
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 中田 勇二, 下田 満哉, 筬島 豊
    1997 年 44 巻 12 号 p. 848-854
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    市販品,及び試作品の中からフレーバー特性の異なる29種類のごま油の官能評価を行い,得られた結果を主成分分析により解析し,各々のごま油のフレーバーを客観的に特徴付けた.
    (1) ごま油のフレーバーを特徴付ける用語として抽象的用語37語,具体的用語26語,計63語が挙げられた.
    (2) ごま油フレーバーの評価用語として適正であるかどうかみる為にアンケート調査を行い,さらには専門パネルによる実試料の評価に基づいた評価用語のスクリーニングと新たな評価用語の追加を行った結果,香ばしい,劣化した,強い,苦い,軽い,複雑な,後に残る,まろやかな,渋い,ナッツ様の10語をごま油フレーバーの評価用語として選択した.
    (3) 29種類のサンプルについて,専門パネルにて評価用語10語について6段階で官能評価を行った.得られた評価データを主成分分析で解析したところ,29種類のごま油はそのフレーバー特性に基づいて9つのグループに分けることができた.
    (4) 熱風焙煎試作品は苦い,渋い,後に残るという共通の特徴を有しており,焙煎強度が高いほど,その傾向が強かった.遠赤外線焙煎試作品は,軽い,まろやかな,ナッツ様,複雑な,香ばしい特徴を有しており,焙煎強度が高いほど,複雑な,香ばしい風味が増し,低いほど軽い,まろやかな風味が増した.
  • 鮫島 隆, 竹下 和子, 秋元 政信, 山中 洋之, 三木 為雄, 有原 圭三, 伊藤 良, 近藤 洋
    1997 年 44 巻 12 号 p. 855-861
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    加熱食肉製品の膨張変敗原因菌として分離されたヘテロ発酵型乳酸菌(Lactobacillus viridescens PSC-Y 510101, Leuconostoc mesenteroides PSC-Y 539901,Lactobacillus brevis PSC-Y 511701)による膨張変敗が,添加される糖質甘味料と密接に関係すると考えられた.そこで各種糖質(グルコース,スクロース,フルクトース,ラクトース,ソルビトール,マルチトール)を用いてその効果を検討し,以下の結果を得た.
    (1) 判定培地においてコントロール区(糖質無添加区)のL.brevis接種区を除くすべての試験区において,濁度の上昇やpHの低下が認められ供試菌の生育が確認された.それらの変化の程度は,グルコース,スクロースおよびフルクトース添加区で顕著であったが,コントロール区,ラクトース,ソルビトールおよびマルチトール添加区ではわずかであった.
    (2) 判定培地では,供試菌はいずれもグルコース,フルクトースおよびスクロースを資化し,ガスを生成したが,その量および発生が始まる時期は糖質甘味料の種類および供試菌によってそれぞれ異なっていた.また,コントロール区,ラクトースおよびソルビトール添加区では供試菌の生育は認められたがガスの発生はなく,マルチトールではL.mesenteroides接種区のみで3日目以降にわずかに認められただけであった.
    (3) ソーセージを用いての実験では判定培地の結果を反映するように,10℃保存でグルコース,スクロースおよびフルクトース添加区は,9~12日目に顕著な膨張変敗が見られた.一方,コントロール区,ラクトース,ソルビトールおよびマルチトール添加区では膨張変敗の発生時期が遅れ,コントロール区,ラクトースおよびソルビトール添加区では保存期間中膨張変敗は見られず,pHの低下もわずかであった.
    (4) ソーセージに添加する糖質甘味料は,種類によりヘテロ発酵型乳酸菌による膨張変敗を抑制したが,これらの乳酸菌の細胞増殖は認められた.
    (5) 製品系での糖質甘味料の種類による膨張変敗発生の可能性について,判定培地で予測できることが確認された.
  • 玉井 正弘, 丸子 修, 門 隆興
    1997 年 44 巻 12 号 p. 862-870
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    高酸度(15%(w/v)以上)の食酢を効率的に連続生産すると共に菌体濃度の過度の増加を抑制することを目的として,2つの発酵槽と中空糸膜モジュールを用いた濃縮菌体の一部排出培養法を行い,培地の供給速度が酢酸発酵に与える影響を検討した.対照として,中空糸膜モジュールによる菌体濃縮を行わない場合と比較し,本培養法における菌体濃縮の効果について検討した.(1) 中空糸膜モジュールによる菌体の濃縮を行わない場合の酢酸濃度の最高値は,148g-acetic acid/lであった.2) 濃縮菌体の一部排出培養において,培地の供給速度を70~160ml/hで変化させた.その結果,120ml/hまで15%(w/v)を超える濃度の酢酸を生産でき,2つの発酵槽での収率と酢酸生産速度は0.94g-acetic acid/1.304g-consumed ethanolと3.6g-acetic acid/(l・h)であった.(3) 酢酸生産に対する第1槽と第2槽の貢献の比率は,培地供給速度の増加により第2槽の貢献の程度が大きくなった.また,菌体の濃縮を行うことにより第2槽の貢献が増加した.第2槽での酢酸生産速度の向上には,第1槽での菌体生産速度の増加が大きく影響した.
  • 井沢 登, 和泉 徹治, 浅川 茂樹, 林 清
    1997 年 44 巻 12 号 p. 871-876
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    新鮮な生乳からゴーダチーズを製造し,その熟成中の蛋白質分解過程を,キャピラリー電気泳動(CE)を用いて分析し,以下の知見を得た.
    (1) αs1-カゼイン(CN),αs0-CNは熟成初期(0~28日)に速やかに分解され,熟成84日後には90%以上が消失した.これに対して,αs2-CN,βA1-CNおよびβA2-CNの分解速度は小さく,それぞれ38,67,84%が残存した.レンネットの作用でκ一カゼインから生じたパラκ一カゼインもわずかに分解され,84日後の残存率は90%であった.
    (2) 熟成が進むにつれて,カゼイン分解生成物と考えられる10種あまりのピークが観察されたが,これらの内の2種は,αs1-CNのαs0-CNに対する比(αs1-CN/αs0-CN)との比較から,αs1-CN,αs0-CNの24~199フラグメントであるαs1-I-CN,αs0-I-CNであると考察された.
    (3) αs1-I-CNのαs1-CNに対する比(αs1-I-CN/αs1-CN)は70日目まで熟成日数と高い相関(r=0.988)を示し,チーズ熟成度の判定指標として有効であることが示された.
  • 平野 了悟, 平野 まゆみ, 大岡 実, 堂迫 俊一
    1997 年 44 巻 12 号 p. 877-881
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    LPOを添加した発酵乳では硬度が低下する.この原因を明らかにする目的で,発酵乳およびGDLを添加した還元脱脂乳にOSCN-を添加し,ゲルの硬度を測定した.Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus,Streptococcus thermophilusの混合菌株を使用して調製した発酵乳は,OSCN-添加濃度に依存して硬度が低下した.また発酵乳中の遊離アミノ酸量はLPOやOSCN-を添加しても変化しなかった.さらにGDLによる還元脱脂乳ゲルにおいても,OSCN-添加濃度に依存して硬度が低下した.したがってLPシステムによる発酵乳の硬度低下は,OSCN-が乳タンパク質のゲル化に直接影響を与えたためであることが明らかとなった,次にβ-LGのSH基の反応性を検討した結果,加熱処理によって高まったSH基の反応性はOSCN-の添加によって低下することが明らかとなった.
    以上のことから,LPOを添加して調製した発酵乳の硬度が低下する理由は,LPシステムによって生じたOSCN-がβ-LGのSH基の反応性を低下させ,その結果β-LGとκ-カゼインの会合によるゲル形成を阻害するためと推測する.また乳酸菌はLPシステムにおいて,酸産生による乳タンパク質のゲル化とLPOの基質であるH2O2産生の役割を担うが,硬度低下に直接的には関与していないと考える.
  • 阿部 申, 増田 哲也, 鈴木 公一, 鈴木 和威
    1997 年 44 巻 12 号 p. 882-887
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    高圧処理(400MPa,1h)を施した分別乳脂肪の加熱劣化度合から高圧処理による影響を調べることを目的として検討した.その結果,分別乳脂肪はいずれも加熱温度の上昇にともない劣化し,140℃と180℃加熱は加熱酸化による劣化を示した.240℃加熱ではさらに劣化し,分解物の生成および重合が起こったと考えられた.次に低融点乳脂肪はトリグリセリドを構成する脂肪酸に低級の不飽和酸が多く,高融点乳脂肪は高級の飽和酸の脂肪酸が多いと考えられた.耐熱性は高融点乳脂肪の方が低融点乳脂肪より強かった.最後に,高圧処理による影響はほとんど認められず,わずかに加熱劣化を遅らせたのは疎水結合や脂質の加水分解酵素に高圧処理が影響したと考えられる.
  • 藤崎 麻里子, 平 春枝, 関 竜雄
    1997 年 44 巻 12 号 p. 888-895
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    (1) 大豆の脂質含量について,エチルエーテル法およびCM法を用い,国産81試料,米国産10試料,計91試料について測定した.さらに,同試料のタンパク質含量および百粒重を測定し,それらとの関連を検討した.
    (2) 定量法別・生産国別の脂質含量(乾物値)の範囲,平均値は,国産のエチルエーテル法では16.77~22.10%,19,75%を示し,CM法では18.52~24.35%,21.75%を示した.一方,米国産のエチルエーテル法では18.28~21.46%,19.71%を示し,CM法では20.79~23.87%,22.34%を示した.全試料では,エチルエーテル法では16.77~22.10%,19.75%を示し,CM法では18.52~24.35%,21.81%を示した.
    (3) CM法はエチルエーテル法に比べて脂質含量値が高く,その平均値において国産・米国産・全試料共に有意差が認められた.
    (4) エチルエーテル法に対するCM法の脂質含量値の平均の比率は,国産では110.1%,米国産では113.3%,全試料では110.4%を示し,国産・米国産間に有意差が認められた.
    (5) エチルエーテル法の脂質含量値はCM法の値と正の相関が,国産・米国産・全試料において認められた.また,エチルエーテル法とCM法の脂質含量は,タンパク質含量と負相関が国産・全試料で認められた.しかしながら百粒重とは相関が認められなかった.
    (6) エチルエーテル法とCM法の脂質含量間にみられた高い正相関より,エチルエーテル法の脂質含量値よりCM法の値を算出するには,国産では,回帰式:y=0.89x+4.10,米国産では,回帰式:y=0.65x+9.53,全試料では,回帰式:y=0.86x+4.77を用いることができる.
  • 玉井 正弘, 丸子 修, 門 隆興
    1997 年 44 巻 12 号 p. 896-904
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    本研究において使用してきた中空糸膜の透過流束に及ぼす菌体濃度,膜間差圧力及び循環速度の影響と付着菌体による透過流束の低下の抑制法としての逆洗操作の効果について検討すると共に,これらの結果を基にしてバイオリアクターの運転操作に必要なろ過膜面積について検討した.
    (1) 両対数グラフ上で0いずれの膜間差圧力においても菌体濃度の増加により透過流束は直線的に低下し,いずれの菌体濃度においても膜間差圧力及び循環速度の増加により直線的に増加し,次式に示したように透過流束は菌体濃度,膜間差圧力及び循環速度の関数で表すことができた.J=6.33Cx-0.25ΔP0.38u0.74
    (2) 最適な逆洗の操作は,60min毎に10s行うことであった.この操作条件で,逆洗操作を行うことにより,行わない場合に比較して透過流束が2倍程度向上し,菌体濃度が一定となった後は安定した透過流束でろ過を長時間にわたって継続できた.
    (3) (1)の推定式を用いて計算した透過流束は,逆洗操作を行った場合の実測値に比較して常に27%程高い値となった.
    (4) 同じ酢酸生産速度において,濃縮菌体の一部排出培養では,完全濃縮培養に比較して必要膜面積は1/3程度と計算された.
  • 山崎 浩司, 礒田 千恵子, 手塚 裕和, 川合 祐史, 信濃 晴雄
    1997 年 44 巻 12 号 p. 905-911
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    酸性飲料缶詰変敗菌A. acidoterrestrisの制御法を確立するために.本菌の芽胞の耐熱性を調べると共に,芽胞耐熱性および発芽後栄養細胞の増殖を抑制する物質の検索を行った.
    (1) A. acidoterrestrisの芽胞耐熱性(D値)は加熱時の浮遊液pHによってほとんど影響を受けないことが明らかとなった.
    (2) 市販酸性飲料中におけるA. acidoterrestris芽胞の耐熱性がD89℃=10.9~13.7分,D95℃=2.1~3.2分であり,一般的な酸性飲料缶詰の殺菌条件(90~95℃,15~20秒間)では完全に殺菌し得ないことが示唆された.
    (3) A. acidoterrestris芽胞の耐熱性を減衰させる食品保存料を検索し,リゾチームに芽胞の耐熱性を著しく弱める効果のあることを見出し,実際の酸性食品中においても同様の効果のあることを実証した.
    (4) A. acidoterrestris芽胞の発芽後栄養細胞の増殖を抑制する物質の検索を行い,リゾチーム,ε-ポリリジン,プロタミン,酢酸および脂肪酸エステル類にその効果を見出し,実際の缶詰食品への応用には安全性,使用制限,耐熱性などを考慮してリゾチームとε-ポリリジン,プロタミンまたは脂肪酸エステル類の併用が最も有効と判断された.
  • 齋藤 三四郎, 宇津野 紀美子, 渡部 一憲, 漆畑 益巳, 吉田 岳史, 幾田 一哉, 原田 宏
    1997 年 44 巻 12 号 p. 912-916
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    豆腐の原料である大豆7種をそれぞれ15℃で保存し分析を行った結果,10カ月目においてウレアーゼ活性度は7種の豆を平均して最初の約83.7%に,抗原量は約15.5%に,発芽率は約90.0%に減少していた.単糖およびオリゴ糖の構成には法則性を持った経時的な変化は見られなかった.豆腐試作試験の結果,豆乳の糖度を12度に調整して豆腐を作った場合の離水量は大豆の保存により増加する傾向を示した.このことから15℃の恒温倉庫に保存された大豆であってもウレアーゼ活性度,抗原量,発芽率を測定することにより,できる豆腐の品質を推定できる可能性があると考えられた.
  • 勝田 啓子
    1997 年 44 巻 12 号 p. 917-924
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 田中 康裕
    1997 年 44 巻 12 号 p. 925
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 織田 修輝
    1997 年 44 巻 12 号 p. 926
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
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