日本食品科学工学会誌
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59 巻, 5 号
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技術論文
  • 川村 公人, 中嶋 光敏
    2012 年 59 巻 5 号 p. 205-212
    発行日: 2012/05/15
    公開日: 2012/07/01
    ジャーナル フリー
    発酵終了後に回収されたスラリー状のビール酵母に対して,ジャーファーメンターを用いた連続ストレス試験を実施した.本酵母は飢餓状態にあり,この酵母に対する保存温度および保存中に攪拌が及ぼす影響を評価した.酵母スラリー中のタンパク質濃度,pH調査による細胞内液漏出物を用いた生化学的評価および形態観察結果から,以下の結論を得た.
    4℃の低温において酵母は保存温度および攪拌強度によるダメージを受けにくく,酵母保存温度の上昇に伴い酵母はダメージを受けやすくなること.一定時間経過までは攪拌強度が酵母に及ぼすダメージは少ないが,一定時間経過後は攪拌強度が酵母に及ぼすダメージが確認され,そのダメージの大きさは温度が高い場合,攪拌強度が大きい場合に,より大きくなることが示された.
  • 川上 晃司, 藤田 明子, Neoh Tze Loon, 吉井 英文
    2012 年 59 巻 5 号 p. 213-219
    発行日: 2012/05/15
    公開日: 2012/07/01
    ジャーナル フリー
    恒温恒湿器を用い,温度30∼50℃,相対湿度50∼80%,気流速度0∼1.5 m/sの条件下で,無洗米の乾燥特性を調べ無洗米の等温収着曲線を測定した.乾燥空気の相対湿度が低い場合,水浸割粒が著しく増加した.また,温度が高い場合も,同様に水浸割粒が増加した.気流速度が速くなると,水浸割粒は減少した.米粒の物理的性質は,米粒温度がガラス転移温度を越えることで劇的に変化すると考えられる.水浸割粒の結果より,ガラス状態では水浸割粒の増加がわずかなものの,ラバー状態では劇的に水浸割粒が増加すると考えられる.
研究ノート
  • 柴田 真理朗, 杉山 純一, 藤田 かおり, 蔦 瑞樹, 吉村 正俊, 粉川 美踏, 荒木 徹也
    2012 年 59 巻 5 号 p. 220-224
    発行日: 2012/05/15
    公開日: 2012/07/01
    ジャーナル フリー
    本研究では,お粥を攪拌することによって調製された高アミロース米のお粥ペーストのゲル物性の特徴を明らかにするために,5種類の米を用いて,お粥ペーストを調製し,その動的粘弾性とアミロース含量および経過時間の関係を調べた.
    (1) お粥ペースト試料の貯蔵粘弾性G'および損失粘弾性G”はアミロース含量が高いほど大きな値を示し,また経過時間とともに増加する傾向を示した.
    (2) 高アミロース米(夢十色,モミロマン)で調製したお粥ペースト試料は,tan δが小さく,さらに殆ど経時変化しなかった.つまり,弾性の割合が高いため形のしっかりしたゲルを形成するとともに,ぷるぷる感のテクスチャーを保持することが明らかとなった.
    今後は高アミロース米ペーストのゲル形成機構の解明および,上記の性質を利用して米由来の新しい食感の食品,さらには,食品の食感改良剤として利用が期待される.
研究小集会
報告
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