日本食品科学工学会誌
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65 巻 , 9 号
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総説
シリーズ—地域食品研究のエクセレンス(第16 回)
  • 野田 誠司, 岡﨑 惠美子
    2018 年 65 巻 9 号 p. 433-441
    発行日: 2018/09/15
    公開日: 2018/09/19
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    Heat-induced gel was prepared from emulsified fish oil by adjusting the proportions of protein, water and oil in fish meat surimi. To investigate the effect of the dispersion of fish oil particles in surimi on the physical properties of heat-induced surimi gel, the stirring conditions for surimi and fish oil were changed. It was thus clarified that the gel-forming ability of the emulsified surimi is improved and the oxidation of the fish oil is suppressed by dispersing the oil finely and uniformly in the fish meat surimi. Improvement in gel-forming ability varied depending on the type of oil emulsified and the species of fish used for the surimi paste. Over the years, new products based on these developments have been in high demand in Tokyo. Therefore, using this technology, we developed a tofu-like surimi-based product with a texture like tofu that uses raw soybean powder and soybean oil obtained by grinding soybeans, which have been attracting attention as a health food. The resulting cured surimi, or kamaboko, was named “Tokyo-age”.

技術論文
  • 羽倉 義雄, 岡本 拓海, 川井 清司
    2018 年 65 巻 9 号 p. 442-450
    発行日: 2018/09/15
    公開日: 2018/09/19
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,レトルトパウチに封入した酵素処理牛肉の硬さ(破断エネルギー)の変化をインピーダンス計測により捕捉する方法を検討した.パパイン酵素溶液処理前後のパウチ入り牛肉のナイキストプロットは,18900Hz付近から100000Hzの間では比較的滑らかな曲線状の変化を示した.また,酵素処理の有無により,同一周波数におけるインピーダンスの絶対値が異なっていた.そこで本研究では,安定した測定値が得られ,かつ,酵素処理中の牛肉の変化が明瞭に現れた24370Hzにおけるインピーダンスを用いることにより.酵素処理に伴う試料の状態変化を評価した.パパイン酵素溶液(0,0.5,1.0,1.5%)および失活酵素溶液に1分間浸漬した後パウチに封入した牛肉試料について,インピーダンスの経時変化を測定した.併せて同条件で調製した試料をパウチから取り出し,牛肉の破断エネルギー(硬さ)の経時変化をレオメータにより測定した.酵素濃度0%溶液および失活酵素溶液で処理した試料では,インピーダンスと破断エネルギーともに大きな変化は表れなかった.酵素濃度0.5,1.0,1.5%の試料では時間の経過に伴いインピーダンスが減少し,破断エネルギーも同様の低下傾向を示した.このときのインピーダンスと破断エネルギーの関係を直線で回帰した際の決定係数はそれぞれの酵素濃度でR2=0.933,0.984,0.986であった.以上の結果は,レトルトパウチ内の酵素処理牛肉の硬さの変化をインピーダンス計測により非破壊で推定できる可能性を示している.

研究ノート
  • 成田 正直, 小玉 裕幸, 武田 忠明, 菅原 玲, 三上 加奈子, 木村 稔, 岩崎 智仁, 金田 勇
    2018 年 65 巻 9 号 p. 451-456
    発行日: 2018/09/15
    公開日: 2018/09/19
    ジャーナル 認証あり

    採捕したトドを有効利用するために,化学的成分特性および力学物性を調べた.その結果,筋肉の水分はクロマグロ,ミンククジラ,豚肉とほぼ同程度であった.一方,脂身の脂質はクロマグロのトロ,ミンククジラのうねすより高く,豚脂身に近い値であった.主な全脂質脂肪酸組成は筋肉,脂身とも16:0,18:0,18:1,22:6で,クロマグロ,ミンククジラに類似していた.筋肉の主な遊離アミノ酸(ジペプチド含む)はアンセリン,カルノシン,グルタミン,アラニンで,全脂質脂肪酸と異なり,家畜である豚肉に類似していた.また,剪断力価は豚ロースと同程度であった.以上から,トド肉はn-3系脂肪酸や機能性ペプチドなどを含む食品として,有効利用が期待された.

  • 海野 知紀, 駒込 乃莉子
    2018 年 65 巻 9 号 p. 457-462
    発行日: 2018/09/15
    公開日: 2018/09/19
    ジャーナル 認証あり

    ラードを配合した高脂肪食に大麦若葉搾汁末を添加し,これをラットに4週間自由摂取させたときの糞中腸内細菌叢を分析した.本飼育開始前後における比較では,大麦若葉搾汁末を添加した群でBacteroides属の占有率が有意に減少し,Prevotella属の占有率が上昇した.また,群間での比較では,C群,HF群と比較して2% YBL群,10% YBL群のPrevotella属の占有率が高値を示し,Bacteroides属に対するPrevotella属の比(P/B比)の上昇が認められた.以上より,大麦若葉搾汁末は高脂肪食を負荷したラットにおいて腸内細菌叢に変化をもたらすことが示唆された.

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