日本食品科学工学会誌
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50 巻, 3 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 日野 明寛, 穐山 浩, 栗原 秀夫
    2003 年 50 巻 3 号 p. 107-114
    発行日: 2003/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 古賀 貴子, 古賀 菱子, 名方 俊介, 太田 英明
    2003 年 50 巻 3 号 p. 115-121
    発行日: 2003/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    幼児および青年の咀嚼の実情を知るため,テクスチャーの異なる9種の食物咀嚼時の筋活動量を両者間で比較した.
    (1) かたさおよび咀嚼性の値が高い食物であるピーナッツ,ごぼう,味付けたこ,たくあん,するめ(いずれもp<0.01)およびポークチャップ(p<0.05)では,青年より,幼児の咀嚼回数が有意に多かった.
    (2) 咀嚼機能が劣っている100回より多い咀嚼回数の階級値の幼児が1.7(かまぼこおよび白米飯)から25%(するめ)おり,咀嚼機能の発達状況の違いが考えられた.それに対し,100回より多い咀嚼回数の階級値の青年はピーナッツおよび白米飯を除き,1.9(かまぼこ,玄米飯,ポークチャップ,味付けたこおよびたくあん)から3.7%(ごぼうおよびするめ)であり,咀嚼機能が十分でない人は青年では幼児より少なかった.
    (3) 幼児の総最大振幅比と青年のそれとの間に差があった被験食物は白米飯(p<0.05),玄米飯(p<0.01)およびピーナッツ(p<0.05)であって,米飯類は青年に比し,幼児で有意に低かったが,ピーナッツでは有意に高かった.その他の被験食物の総最大振幅比は幼児と青年の間に有意差がなかった.
    (4) 咀嚼性が高い(1.00以上)食物(ごぼう,ポークチャップ,味付けたこ,たくあんおよびするめ)は,側頭筋および咬筋における総最大振幅比の分布の広がりが,幼児および青年ともに顕著であった.そのため,これら咀嚼性が高い食物の咀嚼回数は幼児と青年の間に有意差を認めたにもかかわらず,それらの総最大振幅比は幼児と青年の間に有意差を認めなかった.
  • DNA判別による米の食味評価に関する研究(第1報)
    大坪 研一, 中村 澄子, 岡留 博司
    2003 年 50 巻 3 号 p. 122-132
    発行日: 2003/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    1.試料米からDNAを抽出して鋳型とし,STS化プライマーあるいはそのセット共存下でPCRを行い,識別バンド出現の有無を1または0に2値化して説明変数とし,食味官能検査結果を目的変数とする重回帰分析を行い,米のDNA食味推定式を作成した.
    2.同じ説明変数を使用し,目的変数として,食味ランキング等に基づく「食味評価値」あるいは米飯物性測定値を用いることによる別のPCR食味推定式を作成した.
    3.これらのPCR食味推定式は,異なる年次の試料米などの未知試料に対しても比較的高い重相関係数を示し,適用性の高いことが示された.
    4.PCR食味推定技術は,一粒の米粒や米飯粒を試料として食味の推定が可能,年次を越えて食味推定式の適用が可能,従来の官能検査,物理化学的測定値,分光学的測定値に基づく食味評価ともよく適合する様々な食味推定式の作成が可能,STS化プライマーの塩基配列が,今後の食味要因の解明や食味の分子育種の役立つ可能性がある,等の特色がある.
  • 奥 和之, 黒瀬 真弓, 久保田 倫夫, 福田 恵温, 栗本 雅司, 辻阪 好夫, 櫻井 実
    2003 年 50 巻 3 号 p. 133-137
    発行日: 2003/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    本研究では,水/エタノール溶液系での不飽和脂肪酸自動酸化に及ぼすトレハロース添加の影響について,1)不飽和脂肪酸からのヒドロペルオキシド(HPOD)生成過程および,2)HPODの分解,アルデヒド生成過程を検討し,トレハロースの脂質酸化抑制作用を考察した.
    1) リノール酸(LA)からのHPOD生成はトレハロース添加濃度に応じて減少し,反応14日目のHPOD量は,トレハロース終濃度7.3mMでは2.57mg/gLA,14.6mMでは1.87mg/gLA,29.2mMでは1.28mg/gLAであった.一方,α-リノレン酸(LNA)からのHPOD生成量もLAと同様にトレハロース添加濃度に応じて減少し,トレハロース終濃度7.3mMでは7.80mg/gLNA,14.6mMでは6.30mg/gLNA,29.2mMでは4.50mg/gLNAであった.糖アルコールであるマルチトール添加系のHPOD生成量もトレハロース添加系と同様に低値であった.
    2) トレハロースおよびマルチトールによるHPOD分解およびHPODからの揮発性アルデヒド生成抑制作用は弱かった.
    以上の結果から,トレハロースは不飽和脂肪酸からHPODを生成する酸化初期反応を抑制することが示唆された.
  • 風見 大司, 小倉 長雄, 辻 啓介, 穴澤 麻梨, 前田 浩明
    2003 年 50 巻 3 号 p. 138-140
    発行日: 2003/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    γ-アミノ酪酸(GABA)含有酵母エキスの降圧作用についてSHRSPラットを用いて検討した.試験群は対照群,20mg/kg群,40mg/kg群の各群6匹の3群とし,血圧,心拍数測定と生化学検査を行った.
    GABA含有酵母エキス投与群は30日目には,20mg/kg群でSBP11mmHg,DBP12mmHg,40mg/kg群でSBP26mmHg,DBP17mmHgと対照群に比較して有意な低下が認められた.心拍数も有意に低下した.
    これらの結果より,GABA含有酵母エキスは血圧上昇抑制作用を有することが認められた.
  • 石原 昌信, 玉城 健雄, 平良 東紀, 多和田 真吉, 小波本 直忠, 野崎 真敏, 荒木 伸春
    2003 年 50 巻 3 号 p. 141-144
    発行日: 2003/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    パイナップル茎部の搾汁液画分がハブクラゲ(Sea Wasp, Habu-Kurage) Chiropsalmus guadrigatus毒素による溶血を阻害することが明らかになった.本抗溶血物質はパイナップル茎部の搾汁液からSephadex G-25, TLCおよびMiniQ PC32 2/3カラムを装着したにHPLCより均一に精製された.精製標品は260nm付近に吸収極大値を有し,14種類のアミノ酸から成るペプチドであった.パイナップル抗溶血物質はハブクラゲによる溶血を100μg/mlで50%抑制した.
  • 荻原 博和, 古川 壮一, 山崎 眞狩
    2003 年 50 巻 3 号 p. 145-148
    発行日: 2003/03/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    供試菌と食品検体を用いてコンパクトドライCF法と従来法との大腸菌群検出能の比較検討を行った.
    供試20菌株を用いた結果ではコンパクトドライCF法と従来法による顕著な菌数の差はみられなかった.
    食品100検体を用いたコンパクトドライCF法と従来法による大腸菌群数の比較では,直線回式y=0.8841x+0.7108,相関係数r=0.91と高い結果が得られた.
    以上の結果から,コンパクトドライCF法は大腸菌群の検出の迅速・簡便法として有効に利用できるものと考えられた.
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