日本食品科学工学会誌
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63 巻, 8 号
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報文
  • 三枝 貴代, 蔡 義民, 樋口 浩二, 石川 哲也, 石田 元彦
    2016 年 63 巻 8 号 p. 339-346
    発行日: 2016/08/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    γ-アミノ酪酸(GABA)は,高血圧症を予防し,ストレス低減効果があることが知られているアミノ酸である.GABAを蓄積する乳酸菌の利用によって,GABA高含有食品を製造できることが知られているが,多くが,材料にグルタミン酸ナトリウムの添加を行っている.乳酸菌を選抜し,コメを材料に用いることで,グルタミン酸ナトリウムの添加を行わずにGABAを高含有する食品および飼料素材の作製を試みた.最初に,コメにGABAを大量に蓄積させる植物性乳酸菌Lactococcus lactis RO50株を選抜した.次に品種や施肥条件がGABA蓄積に影響があるかどうかを検討した.窒素追肥は,乳酸発酵によるGABA蓄積に大きな影響を与えなかったが,品種によってGABA蓄積量は大きく異なった.多収米モミロマンを基肥多肥栽培し,RO50株を用いる事で,乾物重当たり120〜150mg/100g GABAを蓄積する食品および飼料素材となるコメ粉を製造することに成功した.

研究ノート
  • 菅野 友美, 森田 恭徳, 三島 隆, 玉置 真司, 山田 哲也
    2016 年 63 巻 8 号 p. 347-350
    発行日: 2016/08/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    小麦澱粉を200℃で乾熱処理し,その分子構造的性質を調べた.その結果,乾熱処理により澱粉粒内の澱粉分子は分解され,乾熱時間の増加にともない低分子化がみられた.0.5時間処理まではアミロースとアミロペクチンの一部が分解された.1.0時間処理では,さらに大部分のアミロースとアミロペクチン両方の低分子化が起こることがわかった.この分解は非結晶領域で起こると推察され,アミロペクチンはクラスター単位で分解していることが示唆された.

  • 豊泉 友康, 神谷 径明, 望月 麻衣
    2016 年 63 巻 8 号 p. 351-355
    発行日: 2016/08/15
    公開日: 2016/09/30
    ジャーナル フリー

    本研究は,低温スチーマーの加熱温度の違いが野菜中のアスコルビン酸含量に及ぼす影響と,真空調理および沸騰水処理と比較した際の低温スチーム加熱の特性を明らかにすることを目的とした.

    60から90℃の温度条件で低温スチーム処理したサツマイモ,ブロッコリーおよびジャガイモの総AsAを測定した結果,いずれも低温で加熱することでその保持含量が高まった.サツマイモおよびブロッコリーでその傾向は顕著であった.

    総AsA,還元型AsAおよびDPPHラジカル捕捉活性を指標に真空調理および沸騰水処理と比較した結果,低温スチーム処理は,沸騰水処理よりも,総AsA含量の保持が可能であったが,真空調理の方が還元型および抗酸化性も含めて保持効果が優れていた.

    以上のことから,各野菜がもつ性質の違いでAsAの減少量に差はあるが,低温スチーム処理は,温度調整によりAsA残存量を高められるため,AsAの効率的な摂取に貢献する一次加工素材開発で有用な技術となる.更に,低温スチーマーは包装資材なしで,ある程度AsAを保持できるため,低コストで利用価値の高い技術と考えられる.

解説
シリーズ—研究小集会(第25回)卵部会
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