搗精白度を変えることによる古米の食味改善について検討し,以下の知見が得られた.
(1) 古米について3段階の搗精白度を調製し,官能検査を行ったところ,白度を高く調製した場合,官能検査の6項目すべてにおいて,有意に優れることが判った.
(2) 搗精白度を高く調製した場合,におい識別装置により古米臭が低減された.また,粘度特性値においても粘度が高くなるなどの良食味傾向が示された.
(3) 官能検査の6項目の各求評値を目的変数,精米,炊飯食味測定値,粘度測定値およびにおい識別測定値を説明変数として,変数選択を増減法により算出し,重回帰式を得た.
(4) 官能検査の各求評値および各測定値について,主成分分析を行なったところ,主成分負荷量により測定項目は4グループ,主成分得点により白度別の試料は3グループにそれぞれ分類され,搗精白度別の食味に関連する性状を明らかにした.
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