日本食品科学工学会誌
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70 巻, 6 号
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総説
シリーズ─地域食品研究のエクセレンス (第29回)
  • 佐藤 圭吾
    原稿種別: 総説 シリーズ地域食品研究のエクセレンス
    2023 年 70 巻 6 号 p. 235-241
    発行日: 2023/06/15
    公開日: 2023/06/15
    [早期公開] 公開日: 2023/02/21
    ジャーナル 認証あり

    A byproduct of sake production is sake-kasu, which contains abundant nutrients. However, since consumption of sake-kasu is decreasing, we attempted to develop a high-value sake-kasu. We steamed the sake-kasu to remove alcohol (nAS) and then inoculated the nAS with lactic acid bacteria or acetic acid bacteria and incubated the samples at 30°C for 2 days. The sugars, organic acids, amino acids, trace elements, and ferulic acid were measured in the fermented sake-kasu. Lactic acid was produced in the sake-kasu fermented with lactic acid bacteria, while gluconic acid was produced in the sake-kasu fermented with acetic acid bacteria. In the sake-kasu fermented with Gluconobacter oxydans NBRC 3189, seven times as much ferulic acid was produced compared to the non-fermented sake-kasu. Thus, we were able to produce a high value sake-kasu by bacterial fermentation.

技術論文
  • 藤田 信吾, 大澤 雅子, 稲熊 隆博
    原稿種別: 技術論文
    2023 年 70 巻 6 号 p. 243-248
    発行日: 2023/06/15
    公開日: 2023/06/15
    [早期公開] 公開日: 2023/03/07
    ジャーナル 認証あり

    スイカ赤肉大玉品種‘祭ばやし777’の熟度における, 色, カロテノイド含量, 一重項酸素消去活性の変化を調査した. 色の変化について, 授粉後30日までL*値は低下, a*値は上昇したことから, 果肉色は急激に赤黒くなり, 授粉後40日から50日にかけてL*値は上昇したことから, やや退色したことが予測できた. カロテノイド含量について, 授粉後20日から30日にかけてリコぺン含量は増加し, 授粉後30日から40日で高い値を示し, 50日にかけて減少した. β-カロテン含量は, 授粉後日数に伴い増加し続けた. SOAC法で測定した一重項酸素消去活性について, 授粉後20日から30日にかけて上昇し, 授粉後30日で最も高い値 (12.55 µmol α-トコフェロール当量/ mL) を示し, 50日にかけて低下した. カロテノイド含量と色に関する項目 (L*値, a*値, b*値, a*/b*値) との単相関分析を行ったところ, リコペン含量とa*値との相関は0.898であった. カロテノイド含量は一重項酸素消去活性と密接な関係が報告されているが, 本試験においても同様の傾向を確認した. 授粉後20日から40日における, a*値と一重項酸素消去活性との相関は0.940であり, 回帰式y = 0.9761x-13.626 (R2 = 0.8838)が得られた. 以上の結果から, ‘祭ばやし777’において, 果汁色の測定から一重項酸素消去活性が予測可能であると示唆された.

研究ノート
  • 鈴木 秀之, 藤原 有希, 木下 郁心
    原稿種別: 研究ノート
    2023 年 70 巻 6 号 p. 249-254
    発行日: 2023/06/15
    公開日: 2023/06/15
    [早期公開] 公開日: 2023/02/21
    ジャーナル 認証あり

    京野菜の中で, 万願寺甘トウ, 丹波黒大豆系の紫ずきん・京夏ずきん, 宇治緑茶にスペルミジンが多く含まれていることが分かった. 宇治緑茶にはスペルミジンばかりでなくスペルミンも多く含まれていた. ただ, 煎茶や玉露を湯で淹れたのでは, スペルミジン・スペルミンは一部しか抽出されないことが分かった. 人工胃液処理すると茶葉に含まれるスペルミジン・スペルミンはよく抽出されたことから, 茶葉を丸ごと食べる新しい食べ方の工夫が期待される.

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