日本食品科学工学会誌
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69 巻, 1 号
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総説
  • 伊藤 圭祐
    2022 年 69 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2022/01/15
    公開日: 2022/01/14
    ジャーナル オープンアクセス

    In 2014, the Ministry of Health, Labour and Welfare reported that flavor is the most valued aspect of food for consumers. Since flavor is a perception of the combined taste and smell of food, quantifying the taste and smell of food is useful in the rational design of desirable flavors. Taste and smell are also called chemical senses as they involve the detection of chemical components. Since 2000, progress in the identification of taste and olfactory receptors has made it possible to evaluate the taste and smell of food at a molecular level by cell-based receptor assays. Recently, molecular evaluation of taste and smell focusing on the chemosensory receptors has attracted attention. This review outlines the cell-based assay methods for these chemosensory receptors.

報文
  • 安部 淳一, 吉永 一浩
    2022 年 69 巻 1 号 p. 9-15
    発行日: 2022/01/15
    公開日: 2022/01/14
    ジャーナル オープンアクセス

    デンプンを酵素分解して得られた1, 5-アンヒドロ-D-フルクトースは市販のAgaricusチロシナーゼを競争阻害し, その時の阻害定数は20 mM程度であった.ソフトウェア上でチロシナーゼの活性サブユニットと1, 5-AFの結合状態をモデリングしたところ, 1, 5-AFが水中でとる形態のうちケト型の構造のみが活性部位に結合しやすいことが示された. このことが1, 5-AFの阻害定数が大きい理由であると思われた. 結合の様子は, 既に報告されているトロポロンとの複合体に似ていた. 1, 5-AFの食品素材への応用を試したところ, この糖は小麦粉から抽出したチロシナーゼを阻害し, さらに市販のアボカドペーストの着色を減少させた. これらのことから, 1, 5-AFは食品の褐変の抑制に利用できると期待できる.

  • 小泉 慶子, 吉田 泉, 熊谷 百慶, 井出 将博, 加藤 毅, 三嶋 隆, 小谷口 美也子, 北村 進一, 藤田 和弘, 五十嵐 友二
    2022 年 69 巻 1 号 p. 17-29
    発行日: 2022/01/15
    公開日: 2022/01/14
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では, 広範囲な分子量域のHAを同一手法で定量する分析方法を構築した. 市場流通加工品の定量法として酵素HPLC法が用いられているものの,従来法では酵素分解が不十分なため低分子HAの定量性に課題を残すことが示唆されていた. そこでHA2糖に分解する酵素を用いることで, 従来法よりも精度, 真度に優れた定量法を確立した. この際, 定量標準品となる飽和HA2糖及び不飽和HA2糖を作製し, かつ2種類のHA2糖の同時定量を可能とするポストカラム蛍光検出HPLC条件を構築することで, 分析能を向上させた. さらに低分子HA原料の加工過程で精製する官能基の構造変化が構築した方法の適用対象外となることを明らかとした. HAの分子量及び官能基の定義については今後検討されるべき課題である.

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