日本食品科学工学会誌
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44 巻, 5 号
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  • 田中 史彦, 村田 敏, アマラトゥンガ , 内野 敏剛, 羽原 一宏
    1997 年 44 巻 5 号 p. 347-352
    発行日: 1997/05/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    流動層式凍結器による凍結理論を提示し,凍結時間推定のための解析解を導いた.本理論により得られた解による計算結果は,グリンピースの流動層凍結の実験結果とよく一致することが確認された.凍結時間の推定式は,次の2式で与えられる.すなわち,である.
    以上,本研究により,農産物の流動層式凍結器の開発設計や有効利用の際,基礎となる凍結曲線を求める計算理論が示された.
  • 吉井 洋一, 有坂 将美, 城 斗志夫, 早川 利郎
    1997 年 44 巻 5 号 p. 353-360
    発行日: 1997/05/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    うるち米19点(アミロース含量17.6~26.4%),低アミロース米11点(アミロース含量8.3~17.6%)及びもち米10点の理化学的特性を調べた.
    (1) 澱粉の塩酸分解残渣量は,アミロース含量と有意の相関関係を示した.澱粉の塩酸分解残渣量は,もち米が多く低アミロース米(アミロース含量13.0%以下)が中間でうるち米が少なかった.
    (2) 精米の飽和水分は,アミロース含量及び澱粉の飽和水分と有意の相関関係を示した.この関係から,精米の飽和水分は澱粉の吸水性に依存すると推察された.澱粉の飽和水分は,もち米が高く低アミロース米(アミロース含量14.0%以下)が中間でうるち米が少なかった.
    (3) アミログラフィー特性の糊化温度・最高粘度は,アミロース含量と有意の相関関係を示した.アミロース含量13.6%以下の低アミロース米の糊化温度・最高粘度は,うるち米ともち米の中間であった.
    (4) 電気炊飯器で調製した糊化試料のG′及びtanδは,アミロース含量と有意の相関関係を示した.tanδは,もち米が大きく低アミロース米(アミロース含量13.6%以下)が中間でうるち米が小さかった.
    (5) 糊化試料の酸溶解度は,アミロース含量およびそのtanδとそれぞれ関係した.米飯の酸溶解度は,もち米が高く,低アミロース米(アミロース含量13.6%以下)が中間で,うるち米が低かった.
  • 松井 利郎, 中尾 聡明, 下田 満哉, 筬島 豊, 森 文雄
    1997 年 44 巻 5 号 p. 361-366
    発行日: 1997/05/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    食品容器のキャップ内面に着目し,アスコルビン酸2ナトリウムをPVCコーティングした酸素消費キャップを新たに作製することによって食品容器内酸素の迅速除去を試みた.
    1) 本AsN/PVC-capを用いることにより容器内ヘッドスペース部の酸素の除去が可能となったが,その酸素消費力はヘッドスペース部体積に依存的であり,ヘッドスペース部の体積の減少とともに残存O2量も顕著に減少した.
    2) 単位ヘッドスペース部体積当たりの酸素消費力は,体積比20%では50%と比べて約1.4倍となり,実試料の充填にはヘッドースペース体積の縮小化が望ましいと判断された.
    3) 貯蔵温度の低下に伴い酸素消費力は明らかに低下し,5℃での酸素消費力は35℃の約12%であった.
    4) アルデヒド類及びテルペン系炭化水素類ともに本AsN/PVC-capを用いると,酸化的劣化は顕著に抑制され,貯蔵42日目においてなお残存率が40%以上とコントロールの2倍以上を示した.
    5) 本AsN/PVC-capを用いて所定期間貯蔵後の溶存酸素量を測定したところ,貯蔵日数の増加とともに溶存酸素量は顕著に減少し,貯蔵25日目では約16%まで低下した.
  • 深井 洋一, 松沢 恒友, 石谷 孝佑
    1997 年 44 巻 5 号 p. 367-375
    発行日: 1997/05/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    1. 無洗米は,普通精米と比較し水分含量および明度(L値)が高く,タンパク質含量,粗脂肪含量および総遊離脂肪酸含量が低かった.方法の異なる無洗米間では,総遊離脂肪酸含量で若干の差異が認められた.また無洗米の調製残渣は,タンパク質および粗脂肪の含量が高かった.これらの特徴は無洗米化処理により,糊粉層が普通精米と比べ十分に除去されていることが示唆された.
    2. 含気包装による貯蔵試験では,無洗米は初発の高い明度が保持され,糊化特性では,同じ玄米を用いている普通精米と比較して糊化開始温度が低く,最高粘度および最終粘度の経時的な上昇が小さかった.総遊離脂肪酸含量では,無洗米は普通精米と比較して貯蔵中の増加率が低かった.
    これらの傾向は,室温のポリエチレン包装貯蔵で顕著であり,Kナイロン包装は若干抑えられる傾向にあった.15℃の低温貯蔵では,貯蔵に伴う経時変化が小さく,無洗米と普通精米との差異も小さかった.
    脂肪酸度とADAMの遊離脂肪酸含量との間には,一次式y=2.4x-0.15が成立し,相関係数0.995,危険率1%で有意であった.
    貯蔵1年後の食味試験では,無洗米Aは普通精米と比較し,香りでは5%危険率,粘りでは1%危険率でそれぞれ有意差が認められた.この有意差は,低い遊離脂肪酸含量に由来していると推察された.
  • 小川 宏蔵, 大道 公秀, 山本 篤史, 湯井 敏文
    1997 年 44 巻 5 号 p. 376-379
    発行日: 1997/05/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    食品添加物として使用されているカードラン(β-1,3-glucan)-リン酸三ナトリウム溶液中におけるカードランの溶存状態を調べた.カードランが溶解するNa3PO4の濃度範囲(0.05~0.4M)では,カードラン溶液のアルカリ濃度変化に伴う粘度変化はわずかであり,また,congo redの可視部吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax,485~490nm)はカードラン添加により大きく(518~520nm)red shiftし,円偏光二色性(CD)が観察された.カードラン-0.4M Na3PO4溶液に同じカードラン濃度の1M NaOH溶液を添加してゆくと,粘度の急激な低下とカードラン-congo red溶液のblue shiftが観察され,また,CDバンドは観測されなくなった.
    以上のことから,カードランはNa3PO4溶液中で規則的な構造を採っているが,NaOH溶液の添加に伴い,random coilへと転移することが考えられた.
  • 裏地 達哉, 河野 宏行, 中島 京子, 下山田 真, 渡辺 乾二
    1997 年 44 巻 5 号 p. 380-385
    発行日: 1997/05/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    本研究では,ポリオール水溶液(ソルビトール,キシリトール,マルチトールとラクチトール)の示差走査熱量測定(DSC)から求めた凝固点(Tm)と溶解度により相平衡図を描いて共晶点を求め,これらの値を相応する還元糖(グルコース,キシロース,マルトースとラクトース)についても明らかにした.さらに,DSCから求めたガラス転移点(Tg'),Tg'における溶液濃度(Cg')および水分濃度(Wg',不凍水量に相当)を求めた.その結果,ポリオールの特性を相応する還元糖と比較すると,Tmは単糖類でポリオールの方が僅かに高く,二糖類はほぼ同等であった.溶解度はポリオ―ルの方がかなり高かった.このことから,両グループ間の共晶点に大きな差異があり,ポリオールの方がより低温で高濃度であると認めた.両グループ間のTg'(開始温度)はポリオールの方が低い傾向にあり,単糖類の両グループのTg'はほぼ近似していたが,二糖類では大きな差がみられた.また,状態図法によって求めた全試料のCg'は73~87%の範囲であり,ROOSのデータ9)と近似していた.
  • 大坪 研一, 藤井 剛, 橋野 陽一, 豊島 英親, 岡留 博司, 中村 澄子, 川崎 信二
    1997 年 44 巻 5 号 p. 386-390
    発行日: 1997/05/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
    As it is obliged that the cultivars, location and year of production should be displayed on the bag of milled rice grains, a powerful technique to identify them by objective methods is indispensable. Milled rice grains produced at the several agricultural experiment stations were subjected to the RAPD method. Each DNA was extracted by the CTAB method and amplified by the PCR method using 10 mer primers. It became possible to identify the cultivars by electrophoresis of the PCR products among the dominant 10 cultivars in Japan.
  • 石川 豊
    1997 年 44 巻 5 号 p. 391-392
    発行日: 1997/05/15
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 44 巻 5 号 p. N57
    発行日: 1997年
    公開日: 2009/05/26
    ジャーナル フリー
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