日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
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104 巻, 12 号
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解説
研究
  • 湯川 雅之, 伊藤 大輔, 峰時 俊貴, 渡辺 敏郎, 広常 正人
    2009 年 104 巻 12 号 p. 963-968
    発行日: 2009年
    公開日: 2016/02/16
    ジャーナル フリー
    酒粕の有効活用のため,吟醸酒粕や普通酒粕より資化できる糖質の残存量が少ない液化酒粕を用い,その生理活性を高めたSLIPの製造方法を検討した。液化酒粕をプロテアーゼ剤と共に清酒酵母で再発酵させた結果,米由来の酸性グルテリン,グロブリン,塩基性グルテリンが減少し,TDFとRPの合計量が液化酒粕の1.7倍に高まったSLIPの製造に成功した。試験管レベルで油の吸着実験によりSLIPを評価した結果,メタボリックシンドローム対応素材として市販されている,キノコキトサンの脂質吸着量の約1.5倍となることが確認された。SLIPを摂取することにより,過剰な脂質の吸収を抑制することでコレステロール低下作用や肥満抑制作用が期待できる。
  • 米元 俊一, 中野 智木, 竹迫 寿一, 中冶 十成, 高峯 和則, 青木 孝良, 藤井 信
    2009 年 104 巻 12 号 p. 969-977
    発行日: 2009年
    公開日: 2016/02/16
    ジャーナル フリー
    サツマイモ発酵エキスと乳製品を原料として,サツマイモ焼酎粕特有の臭いが少なく,かつカルシウムを強化(100gあたりカルシウム50mg,カゼイン30mg)した新規の機能を有するカルシウム強化乳酸菌飲料の技術開発を行った。
    ①サツマイモ焼酎粕の固液分離には酵素処理後,圧搾ろ過が有効であり,SDBに対してスミチーム0.067%使用で,ろ液割合が対照区より1.3倍増加した。
    ②原料に使用したサツマイモの種類によって,特徴ある乳酸菌飲料の開発ができた。サツマイモ発酵エキスの添加量はサツマイモの種類によって異なり,コガネセンガンでは約50%まで,ムラサキマサリ,ベニハヤトでは約75%まで使用可能であった。
    ③官能評価の結果,味,香りにおいて男性はコガネセンガン,女性はコガネセンガンとムラサキマサリが良い評価を得,好まれた。特に女性の60%以上が飲みたいと答え,高い市場性が示唆された。
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