1 優良きょうかい清酒酵母菌株(K7グループ:K6,K7,K9,K10及びこれらの派生株)で共通かつ特異的な
rim155067insA,
msn4C1540T及びΔ
ppt1::Ty2の3つの高発酵性変異について,優良きょうかい清酒酵母とそれ以外の系統の菌株との判別のためのDNAマーカーとしての汎用性の検討を行った。
2 一塩基多型の遺伝型タイピング法として,
RIM155067ins,
MSN41540については高解像度融解(HRM)解析を採用し,各遺伝子に対して条件の最適化を行った。Δ
ppt1::Ty2変異の有無のタイピングは,PCR増幅断片長の多型を利用して行った。
3 上記の方法により,98菌株134ストックのタイピングを行ったところ,K7グループであることがわかっている菌株を除くと,大半の菌株はいずれのマーカーとも非K7型であった。また,あるマーカーがK7型/非K7型のヘテロ接合型である菌株や,一つの菌株においてK7型と非K7型が混在するマーカーは見出されなかった。
4 以上のことから,これら3つの多型は,優良清酒酵母群であるK7グループを判別するマーカーとして有用であることが示された。
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