日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
97 巻, 5 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 川岸 舜朗
    2002 年97 巻5 号 p. 315
    発行日: 2002/05/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 昭紀
    2002 年97 巻5 号 p. 316-326
    発行日: 2002/05/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    酒類の販売数量は品質や価格, 消費者の嗜好などのさまざまな要因の影響を受ける。特に, 競合する酒類の販売動向の影響は甚大であり, 酒類業界の重大な関心事となっている。そのため酒類間の競合関係をいろいろな角度から解明する意義は大きく, 貴重な情報が得られる期待がある。
    筆者はこれまで酒類に関するデータ解析に統計学的な手法を積極的に取り入れてきた。その実績を踏まえて今回酒類の販売数量間の関係に着目して酒類間の競合の解析を試み, 興味深い結果を提供している。
  • ルオウ・カンとルオウ・ネプ
    小崎 道雄, 飯野 久和, トク トランリン, ホウ ファムタン, 関 達治
    2002 年97 巻5 号 p. 327-337
    発行日: 2002/05/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    「米酒」醸造地帯の「米酒」と米関係食品の製法, 特徴, 背景などについて, 東南アジア全域に渡り長期調査された筆者に, 前回に引き続き甘酒, 梗米酒, 糟米酒, 籾殻吸管酒, 焼酎について解説していただい。「米酒」の製造に黒米や赤米を使ったり, 米を焦がす方法や, 米とともに雑穀やキャッサバを使用するといった工夫がみられて面白い.
    又吸管の籾殻壼酒は親睦だけでなく, 儀礼的にも重要な位置を占めており, 飲酒文化面からも興味深い。
  • 編集部
    2002 年97 巻5 号 p. 338-366
    発行日: 2002/05/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    平成13年度の味噌の研究業績を見ると, 低調ではあるが時代の要請や問題に対応して着実に研究が進められていることがわかる。大きくは, 遺伝子組み換え原材料への対応と食品としての味噌の機能性についてである。我が国の伝統食品としても, また新しい機能性食品という観点からも, 一層の味噌研究の隆盛を期待したい。
    昨年度食酢の研究は, 製造面では穀類, 果汁, 野菜や蜂蜜を原料とし, 製造方法も静置法やリアクターを併用したものが見られる。塩基配列を使った菌の分類では, 新属や新種が提唱されているが実用面からは紛らわしい。微生物セルロース生産では, 種々の添加物を加えセルロースの強化を試み, また製品の利用面での研究, 分析面では, 迅速かつ簡便で同時に数種の成分を分析する方法等が考案されている。
  • 須藤 茂俊, 小関 卓也, 木崎 康造
    2002 年97 巻5 号 p. 369-376
    発行日: 2002/05/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    蒸米に形成される破精の形成要因と麹菌の増殖及び酵素生産との関係について検討し, 次の結果を得た。
    (1) 表面破精と内部破精の形成は, 蒸米吸水率に強く依存した。
    (2) 蒸米吸水率40%では, 破精は麹菌の増殖量の代替指標として適当であったが, 蒸米吸水率70%では適当ではなかった。
    (3) 表面破精の形成において, 帯状痕は菌糸とともに表面破精の形成要因であると考えられた。また, 高い蒸米吸水率は表面破精の形成を妨げた。
    (4) 内部破精の形成において, 空隙を伴う蒸米内部組織の粒状化崩壊は, 菌糸とともに内部破精の形成要因であると考えられた。また, 高い蒸米吸水率は内部破精の形成を妨げた。
    (5) 膠の順調な発酵に必要な酵素生産との観点では, 破精は蒸米吸水率にかかわらず, 酵素生産の代替指標として適当であると考えられた。
  • 佐藤 圭吾, 鍋倉 義仁, 青木 俊夫, 金桶 光起, 渡辺 健一, 月岡 本
    2002 年97 巻5 号 p. 377-381
    発行日: 2002/05/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    市販の低アルコール, ソフトタイプ清酒27点について一般成分分析, 糖組成および有機酸組成の分析を行い結果を得た.
    1.一般成分の分析を行ったところ, 酸度, アミノ酸度, 日本酒度およびアルコール分は幅広い成分値を示していた.また, 日本酒度および酸度に直線関係がみられた.
    2.糖組成は, その主たる成分はグルコースであった.
    3.有機酸組成は, 乳酸が主体であったが, いくつかの試料はクエン酸またはリンゴ酸の含有量が比較的高いものがみられた.
    4.官能評価において香味の不調和を指摘する意見が多かった.また, ピルビン酸を前駆体とするダイアセチル臭やアルデヒド臭の指摘が散見された.
  • 土谷 紀美, 西村 賢了
    2002 年97 巻5 号 p. 382-386
    発行日: 2002/05/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    醸造業界で一般的に利用されている醸造用糸状菌のGAD活性とその特性について調べた。
    18株の醸造用麹菌 (味囎用, 醤油用, 清酒用, 焼酎用) と紅麹菌2株を用いて, 液体培養で得られた菌体のGAD活性を比較したところ, 味噌用麹菌と清酒用麹菌が活性が高く, 比較すると同じA.oryzaeでも醤油麹菌の活性は低かった。紅麹菌2株のGAD活性は, この培養条件下ではいずれのA.oryzaeよりも低かった。〈P〉〈/P〉培養液中にはGAD活性は見られず, 麹菌GADは非遊離型であった。また, 基質と菌体のみの反応では活性はほとんど見られず, 補酵素ピリドキサールリン酸の添加により活性が見られたことから, 麹菌GADのほとんどは補酵素を伴わないアポ酵素の状態で菌体に存在すると考えられた。
    液体培養では, 菌体の増殖に伴って菌体重量当たりのGAD活性も増加し, 培養3日目の菌体が最も活性が高く, 以降定常期には低下した。味囎用麹菌GADの至適pHは5.5, 至適温度は55℃ だった。培養菌体のGADは培養後低温静置条件下 (4.C) の保存時間に比例して顕著に活性化された。
    味噌用や清酒用のA.oryzaeは, GAD活性が潜在的に高いことが明らかとなった。GADは血圧降下作用を有するγ-アミノ酪酸の生成酵素であり, 食品への機能性付与やγ-アミノ酪酸生産にこれらの醸造用糸状菌が利用できると考えられる。
feedback
Top