紫さつまいもを原料とする焼酎粕のアントシアニン色素の退色が最小限で, 濾過性の改善が可能となるセルラーゼ製剤を市販のセルラーゼ製剤20種類からスクリーニングし,
Trichoderma系のセルラーゼ製剤1種類を選抜した。
1. 焼酎粕に含まれる食物繊維の分解能は,
Aspergillus属由来のセルラーゼ製剤と比べて,
Trichoderma属由来のものが優れていた。
2. セルラーゼ処理によって味が変化しないもの, 苦味やえぐみが強くなるものがあった。
3. ほとんどのセルラーゼ製剤で色調は変化が少なかったが, 赤から榿に変化しているものもあった。
4. 色素退色の指標であるE
440/E
Max値の高いセルラーゼ製剤はアントシアニンの5位のグルコースの遊離が進んでいることを確認した。
5. 選抜したセルラーゼ製剤を用いて, 500
l規模の小規模試験を行った結果, 対照と比べ濾過性は2倍に向上し, 色調に影響がなく, 得られた濾液は抗酸化能等の機能性に優れていた。
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