日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
113 巻, 11 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 熊谷 日登美
    2018 年 113 巻 11 号 p. 645
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/09/13
    ジャーナル フリー
  • 加藤 範久
    2018 年 113 巻 11 号 p. 646-655
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/09/13
    ジャーナル フリー
    多量のアルコール摂取が有害作用を及ぼすが,少量のアルコール摂取は様々な疾病リスクをむしろ低下させることが数多くの疫学的研究で示唆されており,アルコールのJ-カーブ効果といわれている。しかしながら,実験動物を用いた少量アルコールの効能に関する研究はこれまで非常に限られていた。本稿では,疾患モデル動物を用いた研究で少量アルコールの効能とアルコールのJ-カーブ効果を検証した著者らの研究を中心に紹介いただいた。
  • −ペプチドに作用してしょうゆのうま味を高める酵素の発見−
    伊藤 考太郎
    2018 年 113 巻 11 号 p. 656-666
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/09/13
    ジャーナル フリー
    しょうゆは3種の異なる微生物(麴菌,乳酸菌,酵母)が段階的に働いてその風味がつくられる。しょうゆの主要なうま味成分であるグルタミン酸の生成には麴菌が生産する酵素であるグルタミナーゼが関わる。しかし,麴菌は複数のグルタミナーゼを生産するため,しょうゆ醸造中で働くグルタミナーゼの正体は不明であった。今回,著者らは麴菌のゲノム配列情報を活用し,遺伝子側からアプローチすることで真にしょうゆ醸造で作用するグルタミナーゼを明らかにされたので紹介いただいた。ぜひご一読いただきたい。
  • 冨田 理
    2018 年 113 巻 11 号 p. 667-678
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/09/13
    ジャーナル フリー
    日本にはユネスコの無形文化遺産に登録された伝統的な「和食」文化があり,特に発酵食品を中心とした多種多様な味により支えられている。近年では,発酵食品の機能性にも高い注目が集まっていることから,発酵食品及び飲料についての「特徴」を成分と関連付けて詳細に把握しておくことが重要である。今回は,代謝物の総体(メタボローム)を解析対象とし,様々な発酵食品及び飲料の特徴把握に関する研究成果について解説いただいた。
  • 大森 大陸
    2018 年 113 巻 11 号 p. 679-681
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/09/13
    ジャーナル フリー
  • 山下 伸雄, 西本 遼, 玉田 佳大, 窪寺 隆文, 明石 貴裕
    2018 年 113 巻 11 号 p. 685-691
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/09/13
    ジャーナル フリー
    清酒麹菌HL-1012(wt)より,カルボキシペプチダーゼOをコードするocpOの欠失株(⊿ocpO)を取得し,その醸造特性について検討した。
    (1)⊿ocpO株を用い調製した米麹のACP活性は親株の約35%に大きく低減していたが,その他の主要活性は親株と同レベルであった。このことからカルボキシペプチダーゼOのACP活性への寄与率は非常に大きいと考えられた。基質を変えてACP活性を測定した結果,⊿ocpO株は親株にとの間で見かけ上の基質特異性の変化が見られた。
    (2)小仕込試験を行った結果,⊿ocpO株の発酵経過は親株と変わらず,一般分析値においてはアミノ酸度が1割程度低いこと以外,大きな差はなかった。アミノ酸組成分析においては大半のアミノ酸が減少していたが,L-アルギニンは20-25%ほど増加していた。発酵経過に差がなかったことから,ACPの見かけの基質特異性の変化が影響していることが示唆された。⊿ocpO株の小仕込み酒を味覚センサーで評価した結果,親株に比べ,やや酸味が強くなり,若干旨味が低下する傾向が見られた。これよりカルボキシペプチダーゼOが欠失することで味のバランスが変動すると考えられた。
    (3)米麹のACP活性が大きく低下したにも関わらず,製成酒のアミノ酸度はやや減少するにとどまったことから,他のACPアイソザイム等がocpOの欠失を補うべく清酒醪中で働いていると考えられた。
feedback
Top