日本醸造協会誌
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100 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 辰馬 章夫
    2005 年100 巻1 号 p. 1
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 概論
    篠田 次郎
    2005 年100 巻1 号 p. 2-8
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    吟醸酒こそ百年に一つの新しい美禄と見ている筆者は, ピーク時の半分にまで減少した日本酒市場の中で,-人気を吐いているのが吟醸酒であり, 30年でゼロから-千億円市場にまで成長したその市場の経緯をつぶさに分析・検証している。
    そのうえで, 今後吟醸酒の市場をさらに飛躍させるために, 清酒製造業界が行動すべき方向性を示唆している。
  • 吉宗 一晃, 森口 充瞭
    2005 年100 巻1 号 p. 9-16
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    醤油, 味噌の旨味の主成分はL-グルタミン酸ナトリウムである。麹の造る酵素・グルタミナーゼの活性は, 高濃度の食塩水により大幅に低下してしまうことが永年の課題になっている。筆者らは海洋性細菌から分離した株の中に耐塩性のあるものを見出し, その機構を解明したので詳しく解説していただいた。
  • エクストルーダー処理した米糠, オカラの麹化とその特性
    渡辺 聡, 佐藤 和人
    2005 年100 巻1 号 p. 17-23
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    食品リサイクル法の施行により, 食品製造副産物のリサイクル (資源循環) が推進されているが, 現状において, その利用率はなお低い。殊に, 大豆由来のオカラは, 一部が肥料・飼料化, 残りは依然として廃棄されている。筆者らは, 新潟県で発生する食品製造副産物の中で量的に多い米糠とオカラをエクストルーダーを利用して, 麹化し, 米辛口味噌への利用方法を検討されたので, それらの結果について詳しく解説いただいた。
  • 本道 一男
    2005 年100 巻1 号 p. 24-29
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    大豆製品は伝統的な日本的食生活に欠かせない食材であり, 古くから知られている健康効果の他に, 近年は実に多種多様な機能性が明かになってきた。アメリカ, ヨーロッパを含め, 世界で安価な蛋白の供給源としての大豆が注目され, その消費も著しく増加している。わが国で年間に消費される約500万トンの大豆のうち, 国産は約23万トンに過ぎず, 多くは諸外国よりの輸入に頼っており, 国産・輸入品ともに価格は高騰している。現在, 輸入大豆需給の最先端にある著者にこれらの現状と展望について解説いただいた。
  • 鈴木 昭紀
    2005 年100 巻1 号 p. 30-39
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    酒類販売数量の前年対比伸び率と酒類販売数量の構成比との関係に着目して, 各種類ごとの相関関係を筆者独自の手法で分析されている。その結果, 種類による特徴的な関係が散見され, 通念的な見方では捉えきれない複雑な構造が浮き彫りにされている。
  • 脇田 義久, 原田 修, 桑田 実, 藤村 庄, 辻 啓介
    2005 年100 巻1 号 p. 49-55
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    酒粕を亜臨界水処理(温度290℃, 320℃;圧力22MPa)および超臨界水(温度375℃;圧力22MPa)し,得られた可溶性画分について生理機能を検討した。亜臨界,超臨界水処理により酒粕の可溶成分量が増加し,その中でも超臨界水処理で最も可溶化率が高く, 70%以上が可溶化した。処理物と未処理酒粕の可溶性画分のACE阻害活性とDPPHラジかル補足活性を比較したところ,両者とも処理温度が高くなるに従い活性が強くなった。最もラジかル補足能の強かった375℃ 処理サンプルについて酸化剤にV70を用いたLDLの抗酸化試験を行ったところ,コントロールでは実験開始約60分から酸化が開始したのに対し,サンプル添加した場合では酸化が認められなかった。
  • 谷村 健, 濱田 明美, 鬼束 楠里, 野崎 直樹, 甲斐 孝憲, 小川 喜八郎
    2005 年100 巻1 号 p. 56-64
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    宮崎県日向灘沿岸および沖縄県石垣島周辺海域からの焼酎用酵母の分離を試みた結果,酵母様微生物を547株分離できた。産膜が見られず,糖醗酵性試験により,良好な結果の得られた16株を選抜した。
    選抜菌株について醗酵試験,芋焼酎小仕込み試験を行い,醗酵経過が安定し,酒質も良好であったBlD-12株を最優良菌株とした。同菌株はS. cerevisiaeであると同定され,従来の焼酎用酵母よりも耐塩性およびアルコール耐性が高いことが示唆された。高耐塩性は海水域由来株の指標の1つになりうると考えられる。また, 2次膠の最高晶温35℃前後の条件下おいても醸酵は順調に推移し,BlD-12株は高温耐性株であることが確認された。さらに,実地規模での芋焼酎仕込み試験で従来の酵母よりも良好な醸酵経過を示したことから,ソバ等に代表される他の穀類原料においても実用化が期待できる。
  • 水間 智哉, 藤原 久志, 清川 良文, 若井 芳則
    2005 年100 巻1 号 p. 65-75
    発行日: 2005/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    平成10~13年産の原料米8品種81点について,玄米品質,精米条件,精米後の精白米品質について分析を行い,精白米の品質と玄米品質および精米条件との関係について検討を行った。
    (1)8項目(粒重分布における標準偏差,無効精米歩合,砕米発生率,完全粒歩合,胴割粒歩合,砕粒歩合,原形指数LW,原形指数WT)の分析項目を用いることにより精白米の品質および精米工程を多面的に評価することができた。また,精米工程の正確な評価には複数の指標を用い多面的に捉えることが必要であると考えられた。
    (2)精白米の品質に関する項目と,玄米,精白米の一般分析値との問で相関分析を行い,その影響について考察した。このなかで,玄米整粒歩合と白米の完全粒歩合,玄米の千粒重,品温と精白米の品質,原形指数などについての知見を得た。
    (3)精白米の品質に関する項目と,精米条件との間で相関分析を行った。その結果,強い単相関関係は認められなかった。これにより,いくつかの関連する項目がまとまって精米の良否に影響を与えているものと推察された。
    (4)確認された単相関関係について,実地精米試験によってその妥当性を検証した。ロール回転数の低下速度がゆるやかなほど粒重のバラツキが少なくなる相関関係について確認試験を実施した結果,その妥当性が確認された。この結果,精米条件の決定については,これら単相関関係の知見を用いることが可能であると考えられた。
    (5)精白米の品質を決定する各要素(精米条件,玄米品質)について因子分析を行い,精米条件,玄米の状態,玄米の品位,玄米の形態の各因子が存在することを示した。
    (6)精白米の品質に対する各因子の影響度を算出した。その結果,精白米の品質を評価する項目によって各因子の影響度は異なった。また,一般米と酒造好適米によっても各因子の影響度は異なることが示唆された。
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