日本醸造協会誌
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101 巻, 11 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 阿部 敬悦
    2006 年 101 巻 11 号 p. 827
    発行日: 2006/11/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 川瀬 直樹, 山中 圭司, 武藤 彰宣, 坂本 裕子
    2006 年 101 巻 11 号 p. 828-832
    発行日: 2006/11/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    酒類総合研究所では, 独立行政法人としての中期計画の-環として, 酒類流通 (卸し・小売業者) 向けセミナ-を実施している。このセミナ-の実施に当たり, その目的とする商品知識や品質管理のほかにも販売管理やマ-ケッティングなどを取り入れ, また, 実習を中心とした講習にするなど, 工夫がなされている。本稿では, 酒セミナ-の開催にあたっての経緯, 企画, 実習内容などについて紹介していたいた。
  • 松井 徳光, 大杉 匡弘
    2006 年 101 巻 11 号 p. 833-838
    発行日: 2006/11/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    古来より味噌は麹カビを用い, 耐塩性酵母および耐塩性乳酸菌の働きで造られてきた。筆者らは, 子嚢菌類 (麹カビ) とともにいわゆる真菌類の主体をなす担子菌類 (きのこ類) がアミラーゼ, プロテアーゼ, 乳酸脱水素酵素, アルコール脱水素酵素を有することを見出だし, きのこを用いるワイン, ビール, 清酒などの製造も試みておられる。さらに, きのこには抗ガン作用や抗血栓作用などもあり, 機能性食品素材としても注目される。筆者らは, 食品素材としてのきのこに着目し, 機能性食品の開発を主目的として大豆素材の特性を活かしながら, 機能性に優れ独特の風味を有するきのこ味噌 (無塩味噌, むしろ味噌様食品と呼ぶべき食品) の製造を試みられた。知恵と経験を活かしながら, 今迄にない食品素材と微生物組み合わせることによって, 新しい風味を呈し種々の疾病予防に効果を示す発酵食品の製造が可能の好例として大いに参考になるものと思われる。
  • 石崎 俊行, 吉浜 義雄, 平松 順一, 高橋 康次郎
    2006 年 101 巻 11 号 p. 839-849
    発行日: 2006/11/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    生物が生命現象を維持するのに必要不可欠な酸化反応と過剰に生産される活性酸素を不活性化する抗酸化防御機構のバランスが崩れたときに酸化ストレスが誘導される。
    植物を素材として構成する食品には素材由来の抗酸化物質が含まれ過酸化脂質や活性酸素に起因する種々の体調異常や疾病等を制御予防することが明らかとなり食品の第三次機能として注目されている。
    醸造調味料の味噌, 醤油, 酒類の赤ワインなどの抗酸化性については検討が進んでいるが今回は酒類調味料である本みりんの機能性成分の一つとして見いだされた抗酸化性物質とその晶質保持への影響等について解説いただいた。
  • 北垣 浩志
    2006 年 101 巻 11 号 p. 850-854
    発行日: 2006/11/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    製造方法が不明確な地ウイスキーを除いて, 現在世界で一番消費量が多いウイスキーブランドは, テネシーウイスキーのブランドである。なぜテネシーウイスキーのブランドがこれまで圧倒的に強かったスコッチブレンデッドウイスキーを凌駕するに至ったのか。それを知るには製造工程の理解が必須だが, これまで詳しい報告は少なかった。
    この総説は, 原酒中のオフフレーバーを減らして生み出された最終製品のソフトな香味がテネシーウイスキーの魅力であり, その中核がcharcoal mellowing (炭層柔化法) であることを, バーボンやスコッチの製造方法との比較で鮮やかに描き出している。
  • 柳田 藤寿, 陳 奕伸
    2006 年 101 巻 11 号 p. 855-861
    発行日: 2006/11/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    乳酸菌類は広い生活圏を持っており, 普遍性の高い細菌である。 食品に限らず動植物の表面から内部にまで, 至るところに乳酸菌は生活の場を有している。 その種類も大変多く, それだけに幅のある性質を乳酸菌全体として保有している。 多彩な環境に生活している乳酸菌のうち, 分離例としてはきわめて少ない土壌から分離した乳酸菌の特性についてお伺いした。
  • 吉田 元
    2006 年 101 巻 11 号 p. 862-866
    発行日: 2006/11/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    終戦の翌年 (昭和21年), 奄美諸島は突然鹿児島県から切り離されて, 米軍政下におかれることになった。 以来, 紆余曲折を経て, 昭和28年に宿願の本土復帰をはたしたが, 軍政下の8年間は奄美の歴史のなかでも極めて特異な時期であった。 すなわち, 軍政下という小さな独立国のなかで, 奄美島民が主体的に行政, 経済, 文化を担うことになったからである。
    本稿では, 奄美群島政府の行政資料や新聞記事などにもとついて, 軍政下における奄美の酒造史, 特に 「黒糖焼酎」 誕生までの前史について2回にわたって解説していただいた。
  • 伊藤 俊彦, 渡辺 沙織, 渡辺 誠衛, 中沢 伸重, 岩野 君夫
    2006 年 101 巻 11 号 p. 879-885
    発行日: 2006/11/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    清酒酵母20菌株を用いて, 増殖ステージと発酵ステージの2条件でアラニン, グルタミン酸, アスパラギン酸及びアルギニンの取込み量と放出量を調べ, クラスター分析を行った。その結果, 酵母20菌株はこれら4つのアミノ酸の取込み・放出のパターンの違いから4つのグループに分けられた。大多数の酵母はグループ1に属し, このグループに比べて苦味アミノ酸であるアルギニンの取込み量が多いグループII, 酸味アミノ酸であるグルタミン酸, アスパラギン酸の取込み量の多いグループIII, アミノ酸の取込み・放出量が少ないグループIVに分かれた。
    終わりに, 奨学寄附金をいただきました秋田県酒造組合に厚くお礼を申し上げます。
  • 安澤 義彦, 勝又 和明, 片岡 惇
    2006 年 101 巻 11 号 p. 886-892
    発行日: 2006/11/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    (1) テンシプレッサーを用いることで蒸米の硬度測定が可能であり, 25%圧縮の硬度測定から, 蒸米表面の硬さとさらし時間による硬化度の変化を, 90%圧縮の硬度測定から, 蒸米固有の硬さを測定できることを明らかにした。
    (2) 低圧縮及び高圧縮硬度の比を硬軟度と定義した。五百万石は表面硬化の速度が速く, 他の供試品種とは異なる挙動を示すことが確認された。また, 千秋楽の硬軟度は酒造好適米である越淡麗やたかね錦と近似の経過をし, さらし時問の経過に関係なくほぼ一定に推移したことから, 硬化しにくく溶けやすい品種であると考えられた。
    (3) プロラミンはさらし1時間の初期段階の蒸米固有の硬度と関係が深いことが確認され, 放冷機によって短時間に仕込む最近の酒造りにおいて興味深い結果であると考えられた。一方, 3, 6時間のさらしでは有意な結果が得られなかったことから, みかけの老化に影響を与える因子はプロラミンではなかった。
  • 伊豆 英恵, 後藤 邦康, 家藤 治幸
    2006 年 101 巻 11 号 p. 893-899
    発行日: 2006/11/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    マウスのD-ガラクトサミン誘発肝障害における酒粕投与の影響について検討を行った。カゼイン食に酒粕を10%添加し, マウスに2週間, 混餌投与した。その後, 肝障害を誘発させるためにD-ガラクトサミンを腹腔内投与 (1200mg/kg) し, 24時間後に採血を行った。肝障害の指標として血漿中のGPT及びGOTの値を調べたところ, D-ガラクトサミン投与による血漿GPT, GOTの上昇が酒粕投与によって有意に減少することが明らかとなった。また, D-ガラクトサミン投与で誘導されるDNA断片化が酒粕投与によって減少しており, 細胞死の抑制が示された。以上より, 酒粕投与がD-ガラクトサミン誘発肝障害を抑制することが示唆された。酒粕投与後, 肝臓のSAM含量が増加しており, 酒粕が肝臓のメチオニン代謝を強化することによって肝障害抑制に関与する可能性がある。
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