日本醸造協会誌
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113 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 片山 高嶺
    2018 年 113 巻 6 号 p. 335
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/08/24
    ジャーナル フリー
  • 坊垣 隆之, 尾関 健二
    2018 年 113 巻 6 号 p. 336-345
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/08/24
    ジャーナル フリー
    日本酒は古来,百薬の長と言われ,健康や美容の維持に関与する成分が含まれると考えられてきた。近年,メタボローム解析などを通してそのような機能性成分に関する情報が増加しつつあるが,その作用機序の解明に関する研究例は少ない。本稿では,清酒に含まれるエチル-α-d-グルコシドの保湿機能に着目し,その作用機序に関する知見および実用化へ向けたヒト肌試験について解説いただいた。今後の清酒の機能性研究の進展のために大いに参考になることから,是非ご一読をお勧めしたい。
  • 山田 耕路, 西園 祥子
    2018 年 113 巻 6 号 p. 346-352
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/08/24
    ジャーナル フリー
    食酢は調味料として利用されるだけでなく,健康飲料としての用途が拡大しつつある。健康酢はさまざまな原材料を用いて製造されており,原料物質に由来する種々の抗酸化成分を含んでいることから健康素材として注目を集めている。本稿では,健康酢に含まれるポリフェノール及び非ポリフェノール化合物の種類や効果について解説していただいた。
  • 鈴木 秀之, 中藤 裕子, 田村 友規
    2018 年 113 巻 6 号 p. 353-362
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/08/24
    ジャーナル フリー
    著者らはグルタミンをγ-グルタミル基供与体として,単一のアミノ酸やペプチドではなく,プロテアーゼ処理により調製したタンパク加水分解物をγ-グルタミル化することによりコク味調味料を製造する方法を開発された。大豆タンパク質加水分解物のγ-グルタミル化に比べ,グルテン加水分解物のγ-グルタミル化の方が呈味性に優れており,また,プロテアーゼのグルテン加水分解条件の最適化により十分量のグルタミンを遊離化できたため,反応液に新たにグルタミンを添加することなくγ-グルタミル基の転移反応に移れるというメリットがある。さらに,市販の食品添加用グルタミナーゼにγ-グルタミル基転移活性があること,タンパク加水分解物のγ-グルタミル化に利用可能なこともご紹介いただいた。
  • 大森 大陸
    2018 年 113 巻 6 号 p. 370-372
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/08/24
    ジャーナル フリー
  • 髙峯 和則, 小島 舞, 奥津 果優, 二神 泰基, 玉置 尚徳, 吉﨑 由美子
    2018 年 113 巻 6 号 p. 375-382
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では二次醪pHが芋焼酎の発酵経過や香気成分,酒質に与える影響について調べた。その結果,対照であるpH4.3の醪と比べて醪pHが3.3,3.6および5.4では,発酵の立ち上がりが若干遅れたものの,最終的にはほぼ同様の発酵経過となった。熟成醪の酵母総菌数と生菌率は,pHが3.3と3.6の醪で低い値であった。熟成醪のアルコール度数は,pHが4.5より低くなる醪ほど低い値となり,特にpH3.3の醪はアルコール収得量が216.6mL/kgと最も低かった。揮発酸度は,醪pHが低くなるほど高くなった。
    GC-MS分析の結果,高級アルコールと酢酸エステルは醪pHが高くなるに従い緩やかに増加する傾向が認められた。β-ダマセノンとアルデヒドは醪pHが高くなると減少する傾向にあった。テルペンは,醪pHの影響を明らかに受けている成分として,α-テルピネオール,リナロール,ネロリドール,ネロールおよびネロルオキサイドがあった。ローズオキサイドとシトロネロールは, pHが高くなるに従い緩やかに増加する傾向が認められた.官能評価の結果,低pHほど「華やか」,「柑橘香」などと評価され,pHが高くなるほど「蒸し芋臭」や「黄麹様」などと評価された。
    本研究により,醪pHを調整することで酒質の多様化を図ることが期待できることが明らかとなった。
  • 三井 俊, 近藤 徹弥
    2018 年 113 巻 6 号 p. 383-388
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/08/24
    ジャーナル フリー
    HPLC/UV法により,清酒,特に生酒の香り劣化(生老香)の主因子であるi-Valを簡便に定量する方法について検討した。内部標準物質の選択,DNPH誘導体化及び固相抽出の条件を最適化した結果,試料必要量5 mLで検出下限が2.1 μg/L,定量下限が5.1 μg/Lと高感度かつ再現性良く測定できる方法を構築することができた。本方法を用いて,貯蔵生酒のi-Val濃度を経時的に測定した結果,i-Val濃度の増加率は貯蔵温度に依存しており,30℃以下では貯蔵温度が低い程,その増加が抑制されることが確認された。また,市販清酒中のi-Valは,広い濃度範囲に亘っていた。特に生酒に関しては,i-Val濃度の高いものが多く,生老香が強く感じられるものが多かったことから,より厳密な低温管理技術等の生酒の品質安定化技術の開発が今後の課題であると考えられた。
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