日本醸造協会誌
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114 巻, 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 新城 猪之吉
    2019 年 114 巻 2 号 p. 63
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
  • 久保田 真敏
    2019 年 114 巻 2 号 p. 64-70
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    米は主要な栄養成分がデンプン(77.6%)であるため,炭水化物供給源として認識されている。ところが,米はデンプンに比べ,含量は少ないものの,タンパク質(6%)を含む。日本人は米を主食とし多くの米を摂取するため,米は肉類や魚介類に次ぐ,重要なタンパク質供給源となっている。これまで米タンパク質の栄養学的な価値に関する研究は,供給上の問題や,米を主食とする国が世界で限定的であるため,限られていた。米食を中心とした日本型食生活の健康機能も言われているが,実際には,その食生活形態は大きく崩れつつある。筆者らによる米タンパク質の健康機能の証明が米の新たな付加価値につながり,日本型食生活推進の一助になると期待される。
  • 小林 晃
    2019 年 114 巻 2 号 p. 71-78
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    芋焼酎の柔らかな甘みを醸し出す芋焼酎好適サツマイモ「コガネセンガン」は,昭和41年にでん粉生産用として品種登録された。黄金色の肌を持ち,反収が千貫(3.75トン)もある(これまでのサツマイモは2〜2.5トン程度)サツマイモになることを期待し黄金千貫と命名された。サツマイモの品種は紫系や橙系,白系からなり,それらが芋焼酎の酒質にバラエティーを与える。サツマイモの品種改良は食用,でん粉生産用,バイオエタノール生産用のために,より高でん粉・より高収量のサツマイモの品種が育種された時代から,青果用,色素生産用,そして焼酎用として品種改良の目的が変遷してきている。平成6年に焼酎原料として初めて育種開発に成功した「ジョイホワイト」をはじめ,現在焼酎製造に用いられる品種は6品種に及ぶ。本稿では,サツマイモの育種開発の変遷と今後の展望について解説していただいた。
  • 徳田 宏晴
    2019 年 114 巻 2 号 p. 79-87
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    エチル-α-D-グルコシドは,その特有の呈味性から食品添加物として利用されているばかりではなく,近年では,肌荒れ防止効果などから化粧品原料としても注目を浴びている。このエチル-α-D-グルコシドの糸状菌菌体を用いた生産系の最適化,バイオリアクターによる連続生産,さらには工業化規模での大量生産へ向けた技術開発などについて解説して頂いた。
  • 大森 大陸
    2019 年 114 巻 2 号 p. 88-90
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
  • 飯塚 幸子, 磯谷 敦子, 神田 涼子, 藤井 力
    2019 年 114 巻 2 号 p. 93-101
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    (1)平成26酒造年度全国新酒鑑評会出品酒の「マスカット様」,「ライチ様」,「柑橘様」と表現される香り特性について,チオール類の関与を予測した検討を行った。
    (2)チオール類の関与が考えられるコメントや指摘のあった試料25点の4MMP含量は,5~14 ng/Lで,いずれも以前に報告した清酒における4MMPの検知閾値(1.2ng/L)よりも高かった。
    (3)チオール類を選択的に抽出した試料のGC/Oを行った結果,4MMP以外のチオール類も清酒中に存在する可能性が示唆された。
    (4)4MMPを添加した清酒の官能評価試験を行い,清酒の香味に対する4MMPの影響を調べた。その結果,8.0 ng/L以上の4MMPの添加により,「硫黄系」の香り特性が有意に増強された。また,16.0 ng/L以上の4MMPの添加により,総合的な香味評価は有意に低下したものの,「マスカット」,「ライチ」,「柑橘」などと表現される「果実様」の香り特性も増強された。
  • 山﨑 栄次, 山岡 千鶴, 丸山 裕慎, 藤原 孝之, 栗田 修
    2019 年 114 巻 2 号 p. 102-107
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/10/20
    ジャーナル フリー
    DORFT法により,年産の異なる酒造用原料米(山田錦,五百万石,神の穂,みえのゆめ)の米粉から調製したゲルの長期老化特性を評価した。2017年産米粉から調製したゲル(6%,w/w)のτ(デンプンの長期老化特性指標)は,山田錦,五百万石,神の穂およびみえのゆめでそれぞれ1.11,2.06,1.64および1.54であり,この濃度では五百万石が最もデンプンの老化速度が速かった。各種酒造用原料米の全てで,τはゲル濃度に依存して直線的に増加した。五百万石は直線の傾きが最も大きく,デンプンの老化速度の濃度依存性が最も強かった。2015-2017年産山田錦は,それぞれの年産で異なる傾きの濃度依存性を示した。2015年産と2017年産は,ともに平均気温,アミロース含量および蒸米の酵素消化性が同等であった。同一品種で蒸米の酵素消化性が同等であってもデンプンの老化特性が異なることがあることを示した。
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