日本醸造協会誌
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90 巻, 1 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 秋山 裕一
    1995 年90 巻1 号 p. 1
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 銘酒開発協同組合
    1995 年90 巻1 号 p. 2-7
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    最近, 統一銘柄清酒の開発事業が各地で活発に行われており, 清酒の需要開発に大きく寄与しているが, 銘酒開発協同組合の事業のはじまりは昭和49年と古く, かつ, 順調に発展してきており, 共同事業の成功例と言える。最近の統一銘柄清酒が, 新しく開発された原料米や酵母を用いた例が多い中, 銘酒開発協同組合の製品は消費者の嗜好をよく把握し, それにあった商品の製造法を設計することから生まれたものばかりである。その点でもユニークである。協同組合の最近までの活動状況を解説していただいた。
  • 高橋 康次郎
    1995 年90 巻1 号 p. 8-15
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    近年, 消費者の嗜好の多様化, 高級化に対応して吟醸酒, 純米酒及び本醸造酒等の特定名称の清酒や長期貯蔵酒, 低アルコール清酒などのさまざまな清酒が市場にあふれている。
    これらの多品種少量製品をはじめとする市販清酒全般の流通市場における品質管理技術上の留意点について, シェル7ライフ (商品寿命) の観点から解説していただいた。
  • 日下部 孝雄, 石坂 正勝, 米原 稔, 貴嶋 俊二
    1995 年90 巻1 号 p. 16-20
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    本格焼酎の蒸留廃液は, 現在, 特殊肥料としての農地還元や養豚業等の飼料としての利用, あるいは海洋投棄により処理されているが, 一昨年11月の第16回ロンドン条約締約国協議会議において同条約附属書の改正が行われ, 一部の例外を除き1996年1月1日より産業廃棄物の海洋投入処分が禁止されることとなった。
    そこで, 焼酎蒸留粕の有効利用技術開発の一例として, パルス乾燥機を用いた蒸留廃液の処理法について紹介する。
  • 若井 芳則
    1995 年90 巻1 号 p. 21-26
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    最近, 醸造技術が目まぐるしく変化してきているが, その情報がいつでも活用できる状態に整理されていることが望まれる。そこで, 今回からシリーズで, 過去3~5年間の技術の進歩や新しい動きなどを各工程についてやさしく連載することとした。
    初回は, 最近各地で開発されている酒造好適米の状況や新しい原料処理技術等について, 現在この分野で活躍中の著者に解説していただいた。
  • 久米 堯
    1995 年90 巻1 号 p. 27-31
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    平成6年の厳しい米の需給事情で, 味噌用原料米としてタイ国産硬質米が当てられ, 製造家はその処理に苦心させられた。問題は米の吸水方法に絞られたが, これを根本的に解決するためには硬質米の吸水特性を解明した上での処理技術の樹立が必要であった。著者の研究を中心に, その処理の原理と実際について解説していただいた。
  • 小原 仁実
    1995 年90 巻1 号 p. 32-35
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    乳酸発酵に関わる製品は環境に優しい製品が多い。なかでもポリ乳酸は世界的に注目を集めている。また, その他にも乳酸発酵を利用して新しい製品の開発が進められている。
  • 辻 謙次
    1995 年90 巻1 号 p. 36-41
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    4年毎に英国アビーモアで開催される会議は, 1982年に創設されたウィスキーに関する最も代表的な学会である。昨年第4回会議が開催されたが。第2, 3回と出席されている筆者に, 第4回会議の内容や, 状況・雰囲気等についてご紹介いただいた。
    このところ, 市場でのウィスキーの低迷が続いているが, 業界直結の学会であるアビーモア会議にもその影響が色濃く写しだされたようである。
  • 三上 重明
    1995 年90 巻1 号 p. 42
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 浜田 由紀雄
    1995 年90 巻1 号 p. 43
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 吟醸もろみにおけるカルシウムの役割 (第1報)
    堀江 修二, 土佐 典照, 遠藤 斉, 角田 潔和, 小泉 武夫
    1995 年90 巻1 号 p. 51-56
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    1.精米歩合35%の白米について, 洗米浸漬によって水の中のカルシウム, マグネシウム, ナトリウムの吸着について検討した。その結果, それぞれのイオンの単溶液では2価イオンのカルシウムとマグネシウムは指数関数的な吸着曲線を示したが, 1価のナトリウムイオンは直線的な吸着曲線を示した。これらのイオンの混合溶液ではナトリウムも同様な指数的な吸着を示し, 吸着量は電荷が高く水和イオン半径の大きいものが高くカルシウム⟩マグネシウム⟩ナトリウムの順であった。
    2.洗米浸漬時間とカルシウムの吸着について検討した。その結果, 水温12℃, 洗米浸漬時間60分で指数関数の式から求めた吸着収束値の99.8%を示し, これを100としたとき, 15分の洗米浸漬時間で約90%の吸着を示した。
    3.洗米浸漬水のカルシウム量と白米及び蒸米の吸水率について検討した結果, カルシウム量と吸水率の間に関係は認められなかった。
    4.α-アミラーゼによる蒸米の溶解試験の結果, 洗米浸漬水のカルシウムの存在が蒸米の溶解を促進させ, また, 仕込水についても同様の結果が得られた。そして, 洗米浸漬水, 仕込水の両者にカルシウムが存在すると蒸米の溶解は相乗効果によってより高い値を示した。
    5.蒸米に対するα-アミラーゼの吸着は仕込初期2目~4日は若干遊離していたものの, 6日目以後はほとんど蒸米に吸着された。
    6.α-アミラーゼの蒸米への吸着にも関わらずカルシウムの存在が蒸米の溶解を促進した。これについては, 今後の研究課題である。
    7.電子顕微鏡による蒸米の溶解状態の観察結果, 洗米浸漬水, 仕込水にカルシウムを含んだものが, いずれも蒸米の表而がより多孔性になっており, デンプン粒の膨潤も促進されていた。
  • 野崎 一彦, 横塚 弘毅
    1995 年90 巻1 号 p. 57-64
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    1. 1981年から1991年の間に製造されたマスカット・べリーA赤ワインを1.8lのガラス瓶中に貯蔵した。これらのワインの澱を39,000×g, 30分間の遠心分離により集めた。ワイン1l当たりの澱のタンパク質, 全フェノールおよび中性糖の各含有量は, それぞれ19~88mg, 平均55mg, 16~118mg, 平均72mg及び25~140mg, 平均77mgであった。
    2. 澱中のタンパク質量, 全フェノール量, 中性糖量及びワインの濁度の問にほぼ直線的な相関関係が認められた。これは赤ワインの澱がタンパク質, フェノール及び中性糖の3成分の相互作用により形成されることを示唆する。
    3. ほぼ平均的なワイン成分組成を示した1987年産ワインから分離した澱中のタンパク質画分をpH10の緩衝液を用いて抽出したところ, 可溶化されたタンパク質の回収率は澱中の全タンパク質の約80%であった。可溶化後, 透析を行ったタンパク質画分は20%のタンパク質, 35%の全フェノール及び29%の中性糖を含んでいた。
    4. 貯蔵期間が最も長い1981年産ワイン, 最も短い1991年産ワイン, 及び濁度が最も大きな1984年産ワインを選び, これらより溶存及び澱タンパク質画分を分離し, アミノ酸組成及び澱タンパク質画分の中性糖の組成を調べた。このような製造年の異なる3つのワイン中に溶存しているタンパク質のアミノ酸組成と澱中のタンパク質のそれとは異なり, 特にアスパラギン酸, スレオニン, セリン及びアラニン含量に相違が認められた。澱・タンパク質画分にはアラビノース, ガラクトース, マンノース及びグルコースが主要な中性糖として含まれていたが, 醸造年による糖組成の違いが認められた。
  • 山川 祥秀
    1995 年90 巻1 号 p. 65-67
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    ‘甲州’‘カベルネ・ソービニオン’を試験品種として, 単位面積当たりの結実量を一定とした垣根仕立てとX型棚仕立てがマストとワインの品質に与える影響について, 1991年 (5年生樹) から1993年 (7年生樹) の3か年にわたり調査した。
    果房重と果汁糖度は, 仕立ての違いによる差はほとんどなく, 果汁酸度は9月上旬に行った果房着位近傍節の摘葉の影響で, 垣根の方がわずかに低かった。仕立ての違いよりも天候条件の違いによる年度差の方が大きかった。G/F及びT/Mから, 垣根のブドウは熟度が進んでいることが推察された。
    ワインは, 仕立ての違いによる差はほとんどなかったが, カベネル種においては天候に恵まれた年では垣根仕立ての方が勝っている傾向にあった。
  • 一般分析値からの評価
    曹 小紅
    1995 年90 巻1 号 p. 68-70
    発行日: 1995/01/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    中国の低塩固体発酵法で醤油を醸造するにあたって, 製麹時に麹原料のpHを5.0に調整し, 諸味にソルヒン酸カリウムを0.07~0.1%(w/w) に添加して得られた試醸醤油を分析したところ, 無塩可溶性固形分含有量, 総窒素量, ホルモール窒素量については, 前報のソルビン酸塩を加えない低塩固体発酵法で得られた醤油より1.1~1.3倍向上した。特に, L-ゲルケミン酸量は1.1倍増加したが, エタノール含有量は半量以下の低い値となった。
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