日本醸造協会誌
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113 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 矢ヶ崎 啓一郎
    2018 年 113 巻 3 号 p. 125
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/07/07
    ジャーナル フリー
  • 石川 匡子
    2018 年 113 巻 3 号 p. 126-132
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/07/07
    ジャーナル フリー
    塩は生物にとって必須のミネラルであるが,過剰摂取が問題視され,2015年度より1日の食事摂取基準値として男性8g,女性7gが適塩であるとされるなど減塩に向けた動きがより顕著になってきている。一口に塩といっても製造方法等によりその無機成分含有量や味質が異なる。今回は減塩への取組の一環として,特にその食品物性に与える影響力の強いにがり成分にフォーカスしてその味質や野菜に対する影響について丁寧に解説いただいた。
  • 末原 憲一郎, 亀岡 孝治, 橋本 篤
    2018 年 113 巻 3 号 p. 133-141
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/07/07
    ジャーナル フリー
    光センシングの技術は圃場作物の収量予測などに応用されている。また,醸造分野でも赤外領域のスペクトルを用いて酒類中の成分や穀類中のタンパク質の分析などが行われてきたが,それを発展させ,スペクトルパターンの差異による醸造物の品質の違い,品質評価に応用する試みが本解説である。赤外分光の理論をやさしく解説いただくとともに,これを読むと未来の醸造食品の品質,製造管理への利用が見えてくる。
  • 山本 英樹, 水谷 政美, 森村 茂, 山田 和史, 祝園 秀樹, 越智 洋, 高山 清子, 工藤 哲三, 太田 広人, 木田 建次
    2018 年 113 巻 3 号 p. 142-150
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/07/07
    ジャーナル フリー
    本格焼酎製造における多様化は,原料に限らず微生物の種類,仕込み方法,貯蔵方法など多岐にわたっており,より一層の品質管理が要求されるようになってきている。筆者らは,その多様化の一端を担うであろう酵母に着目し,今までない性質を兼ね備えた実用酵母「平成宮崎酵母」を開発,実用化に至った。新規酵母の選抜方法,酵母の性質の確認,大小の仕込み方法等,順序よくこと細かに示されている。今後新酵母の開発・実用化を目指すものにとって大変参考になる解説文となっている。ぜひご一読願いたい。
  • (3)四川成都水井街酒坊遺址
    髙山 卓美
    2018 年 113 巻 3 号 p. 151-163
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/07/07
    ジャーナル フリー
    中国四川省成都は古来,銘醸地として知られるところであり,現在も白酒の一大産地となっている。1998年,この地で,地下に埋もれた古代醸酒遺跡が発見され,中国白酒の謎に迫る遺跡として大きな話題を呼んだ。著者は,中国の古文書や研究文献を参考しながら,この水井街酒坊遺址から発掘された遺跡と遺物に考察を加え,この遺跡が明代,清代そして現代に至る遺跡である可能性を指摘した。
  • 大森 大陸
    2018 年 113 巻 3 号 p. 164-166
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/07/07
    ジャーナル フリー
  • 武藤 貴史, 稲橋 正明, 木崎 康造, 岡崎 直人, 石川 雄章, 赤尾 健
    2018 年 113 巻 3 号 p. 169-178
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/07/07
    ジャーナル フリー
    本研究では,一次仕込時の添加酵母としてセルレニン耐性およびカプロン酸エチル高生産性酵母であるS4を用いて,差し酛を反復した際の醪におけるセルレニン耐性を指標としたS4の酵母純度の変化について検討した結果,酵母純度は差し酛の反復により低下し,それに伴いカプロン酸エチル濃度が減少した。差し酛を行った焼酎醪から分離したセルレニン耐性株(WR1)は,比増殖速度,カプロン酸エチル生成能,セルレニン培地における生育性,α-MGを炭素源としたTTC染色,硫酸銅含有培地における生育性および倍数性の一致から,一次仕込時に添加した酵母であるS4であることが確かめられた。一方,セルレニン感受性株(WS1)は,ITS領域の相同性解析の結果からSaccharomyces cerevisiaeであることが明らかになったが,S4とは異なる特徴を持つ酵母であった。また,S4とWS1を混合した小仕込試験によってセルレニン耐性を指標とした醪管理について検討した結果,スターター醪への適切な酵母添加を行うことで差し酛反復時における純度を高く維持できるが,仕込時に添加したカプロン酸エチル高生産性酵母よりも比増殖速度の速い野生酵母(比増殖速度にして1.2~2.4倍までの野生酵母)が侵入した場合,カプロン酸エチル含量を高く維持するためには一次醪3日目のセルレニン耐性酵母純度が50%以上必要であることを示した。以上の結果から,焼酎醪での差し酛の反復において,セルレニン耐性を指標とすることで,添加したセルレニン耐性酵母の挙動と酵母純度の推移および野生酵母の醪への侵入の動態をとらえることができるので,醪管理に寄与できることを明らかにした。
  • 川根 秀平, 奥田 将生, 上用 みどり, 福田 央, 後藤 奈美
    2018 年 113 巻 3 号 p. 179-190
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/07/07
    ジャーナル フリー
    イネ登熟期が猛暑となった2010年産米と比較的冷涼であった2009年産米を実験材料に用いて実際の清酒醸造工程における原料米デンプンの老化の影響を調べた。実際の醸造工程(製麹,もろみ)において高温登熟米でデンプンの老化が速く進行した。また,醸造工程を想定したモデル系(気中放置,液中放置)を設定し,気中及び液中での老化がもろみにおける米の溶解性に及ぼす影響を調べた。その結果,蒸米の酵素消化性は気中・液中放置ともにデンプンの老化が進むにつれ低下したが,高温登熟米の方においてデンプンの老化及び消化性の低下が速く進み,老化度と酵素消化性には高い負の相関がみられた。従って,製麹のような気中だけでなく,もろみのような液中においてもデンプンの老化は進行し,高温登熟米を用いた場合もろみでの消化性に影響を及ぼすことが示された。
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