1548年に創業した吉乃川株式会社の酒母及び醪から,TTC染色法と
K7_02212遺伝子および
PPT1遺伝子を標的とするLAMP法をスクリーニング法として利用し,6×10
3株の酵母より,
K7_02212遺伝子と
PPT1遺伝子の両方を有するK7グループ系清酒酵母とは異なるYS4株を分離した。YS4株の生理学的特徴(TTC染色性,酸性ホスファターゼ活性,細胞膜表面の疎水度,胞子形成率)が,K7グループ以外のきょうかい清酒酵母とも異なることが強く示唆されたため,蔵付き酵母と判断した。また,YS4株は
Saccharomyces cerevisiaeとして同定された。実規模醸造試験の結果,YS4株からは酸味に特徴をもった酒質の清酒が得られることがわかった。
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