真精米歩合90,80,70 %の清酒用原形精白米と等厚精白米を対象に,粗タンパク質濃度低減効果について検討することを目的として,他の2種類(等厚精白米より扁平および原形精白米より球状)の形状の精白米とともに粗タンパク質濃度を比較した結果,以下の結論が得られた。
1)横軸に扁平指数,縦軸に長短指数を示したZinggの図において,等厚精白米は精白が進行するとともに下に凸の曲線を描いて単調減少し,扁平かつ細長くなり,原形精白米は玄米と同一点にプロットされる。
2)米粒の大きさや形状の統計的バラツキによる信頼区間を利用して,原形精白米と等厚精白米の判定法を提案し,試験用精米機のロール回転数の適切な選択により,真精米歩合70%において両精白米の精米に成功した。
3)原形精白米と最も球状な精白米の粗タンパク質濃度に差は認められず,等厚精白米と最も扁平な精白米の粗タンパク質濃度にも差は認められなかった。
4)等厚精白米は原形精白米より粗タンパク質濃度が低かった。胚芽残存率の高かった影響よりも玄米において面積の広い側面が多く研削されて,より扁平になった効果の方が大きかったと考えられるが,幅がより研削されて細長くなったことも原因の可能性がある。
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