日本醸造協会誌
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113 巻, 2 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 宮本 拓
    2018 年 113 巻 2 号 p. 63
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/19
    ジャーナル フリー
  • 古屋 俊樹, 木野 邦器
    2018 年 113 巻 2 号 p. 64-70
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/19
    ジャーナル フリー
    泡盛等の香気成分の一つとしてバニリンが含まれている。バニリンはバニラビーンズから得られる香料であり,洋菓子やスイーツのほか,化粧品,医薬品にも用いられ近年需要が高まっている。バニリンは,醸造物中において微生物・酵素により生成するが,著者らは微生物・酵素作用を利用した合成の研究を進めている。バニリンと醸造の関連,バニリン合成への微生物・酵素の利用について分かりやすく解説していただいた。
  • 佐々木 建吾
    2018 年 113 巻 2 号 p. 71-78
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/19
    ジャーナル フリー
    近年,ヒト腸内細菌が宿主の健康に多大な影響を及ぼしていることが明らかとなってきた。同時に,食品中に存在して有益菌の増殖を促し,腸内環境を整える成分が注目されてきた。本稿においては食品の機能性評価を行い,有用菌が腸内環境に与える効果を簡便に評価することが可能であるin vitro培養系ヒト大腸菌叢モデルについて紹介いただいた。本モデルを利用して,機能性食品の開拓や有益菌の発見へと展開されることが期待される。
  • 大友 裕絵
    2018 年 113 巻 2 号 p. 79-84
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/19
    ジャーナル フリー
    しょうゆは,味噌,酢などと並び和食の味付けには欠かせない調味料の一つであるが,一口にしょうゆといっても,「こいくち」「うすくち」「たまり」「さいしこみ」「しろ」の5種類あり,その用途も,使用地域も様々である。これまでしょうゆの種類や原材料の地域性に関する報告はあったが,しょうゆを官能特性的に地域分類した報告は殆どない。今回は全国に流通するしょうゆを官能評価の観点から分類し,その興味深い地域性について分かり易く解説していただいたので,読者の皆様には一読をお勧めする。
  • 原田 恭行, 横井 健二
    2018 年 113 巻 2 号 p. 85-93
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/19
    ジャーナル フリー
    魚介類を原料とした発酵物は,地域に特産品として貴重な製品であるとともに,独特の風味をもつことで,注目を集めている。古来,日本海沿岸では魚醤油が作られており,近年魚介類原料に麹を加え発酵熟成させる魚味噌の製品が作られた。魚介類を原料とする発酵食品では,ヒスタミンの生成が問題となっており,ヒスタミン低減が求められている。著者らは,魚味噌の仕込み時にクエン酸を添加することでヒスタミン生成を低減する発酵技術を開発し,試験醸造によって作製された製品の品質および風味について評価した。ヒスタミン低減技術について,製造工程を明確にするとともに低減機構についても解説していただいた。新規の調味食品の開発のために大変参考となる解説である。
  • 大森 大陸
    2018 年 113 巻 2 号 p. 100-101
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/19
    ジャーナル フリー
  • 福田 央, 韓 錦順
    2018 年 113 巻 2 号 p. 105-114
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/19
    ジャーナル フリー
    輸入されているカシャーサとラム酒の低沸点香気成分及び中高沸点香気成分84成分を分析・比較した。カシャーサとカリブ海諸国及びインド洋諸国のラム酒では34成分に有意差が認められた。ステップワイズ法によりカシャーサ及びカリブ海諸国及びインド洋諸国のラム酒の判別分析を試みたところ,β-フェネチルアルコール,コハク酸ジエチル及びチオ酢酸S-メチルにより分類され,33点中31点が適切に判別された。判別精度を検証したところ90.9%の精度であった。また,カシャーサと日本産のラム酒では19成分に有意差が認められ,ステップワイズ法により判別分析を試みたところ,シトロネロール及びフルフラールにより適切に分類され,判別精度を検証したところ100%の精度であった。
  • 向井 伸彦, 森本 朋子, 福家 成美, 上佐古 大貴, 水谷 治, 西堀 奈穂子, 金井 宗良, 山田 修, 藤井 力
    2018 年 113 巻 2 号 p. 115-122
    発行日: 2018年
    公開日: 2023/06/19
    ジャーナル フリー
    我々は焼酎粕には葉酸が豊富に含まれることを以前報告した。しかし,焼酎粕の葉酸の由来は明らかになっていなかった。そこで,甘藷製焼酎粕中の葉酸の高含有要因を調べるため,パイロットスケールでの甘藷焼酎醸造試験を実施し,各醸造工程における葉酸の含量の推移を調べた。試料100 g(乾燥重量)中に原料白米では24.4 μg,米麹では31.1 μg,原料甘藷中では187.9 μgの葉酸が含まれていたが,これらは全て5-MTHFであった。発酵・蒸留工程での葉酸の含量を調べたところ,THFは原料米及び米麹には含まれず酵母によって生産されるが,蒸留により大部分は消失すること,一方,5-MTHFは原料米及び甘藷に含まれるとともに,製麹工程中に麹菌によって生成され,さらに発酵工程中に酵母により生産されるが,蒸留により一部減少することが明らかとなった。2次もろみ発酵終了時点での葉酸の総量を100とした場合の各工程の寄与を調べると,2次もろみの仕込みに使用した蒸きょうした甘藷が46.4,2次もろみ発酵中の酵母による生成が44.1と大きく,焼酎粕の葉酸の大部分は甘藷及び酵母による生成に由来することがわかった。一方,蒸留によって36%減少することが判明した。さらに,焼酎粕の貯蔵試験において,焼酎粕の嫌気処理及びケーキの凍結乾燥により貯蔵中の5-MTHFの減少が抑制されることで,葉酸の貯蔵安定性が向上することが明らかとなった。これらの成果は,焼酎粕の有効利用や付加価値の向上につながるものと期待される。
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