日本醸造協会誌
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99 巻, 6 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 岩田 雅明
    2004 年 99 巻 6 号 p. 389
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
  • 安部 康久
    2004 年 99 巻 6 号 p. 390-397
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    今後の清酒醸造の技術革新には, 現在抱えている課題を克服していきながら, まったく新しい技術を創造していくことが必要である。そのためには, 様々な情報を蓄積することも重要である。一つの例として, 月桂冠株式会社における現在までの技術革新の取り組みをご紹介していただき, さらに今後の展望についても解説していただいた。
  • 大森 俊郎
    2004 年 99 巻 6 号 p. 398-403
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    最近の酒類生産及び消費数量の推移を見てみると, 特にしょうちゅう乙類の増加が際立っている。これに伴って, 焼酎製造時に副生する焼酎粕の排出量も年々増加する傾向にあるが, その処理技術の開発は焼酎製造業界の重要な課題である。今回は, 焼酎粕の機能性について, 大麦焼酎粕の高度利用を目指した焼酎粕乾燥システムにより生産される発酵大麦ファイバー及び発酵大麦エキスに含まれる機能性成分の探索や用途開発の成果を紹介していただいた。
  • 編集部
    2004 年 99 巻 6 号 p. 404-434
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    平成15年度の醤油の研究業績を見ると, 全般に報告数が低下しているようである。醤油に直接かかわる研究報告数は全掲載文献数の約5%であるが, その内容から考え, たゆまざる努力がなされていることは力強い。また, その多くが地方行政の研究機関が行ったものであり, 地域産業の強い後ろ盾となっている様子が伺える。新しい技術や機器を用いた効率的な研究と地道な常日頃の努力は, 必ずや新しい知見の確保と商品開発への手掛かりをもたらすであろう。
  • 荒巻 功, 吉井 美華, 岩瀬 新吾, 江辺 正英, 菅野 喜浩, 菊永 雪絵, 奥田 将生, 小関 卓也, 橋爪 克己
    2004 年 99 巻 6 号 p. 457-466
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    1 アミロペクチンの側鎖長分布に各品種ごとの特徴が見られ, 酒造好適米 (9点) と食用米(5点)の平均値の比較では, 酒造好適米は, 短鎖 (DP:8, 9及び12) の比率が高く, 中長鎖 (DP:29, 39及び43) の比率が低かった。酒造好適米 (6品種) とコシヒカリとの比較では, 酒造好適米は, 短鎖 (DP:8を中心とするDP:7, 9) の比率が高かった。山田錦, 八反錦1号は, DP:36を超える長鎖の比率が低く, また, 五百万石 (福井, 大野産), おくほまれ, 八反錦1号はDP:24から36の中鎖の比率が低い傾向が見られた。
    2 アミロペクチンのDP:6及び7の側鎖比率と120分吸水率が, DP:8及び9の側鎖比率と20分吸水率が正の相関を示した。また, 消化性 (Brix) は, 比較的長鎖(DP:35-41)と負の相関を示し, 逆に比較的短鎖 (DP:9-16) とは正の相関を示した。これらの結果は, 低温環境下で生育した米のアミロペクチンの短鎖/長鎖比率は大きく, 同時に清酒もろみで良好な溶解性を示すという経験的な事実と良く一致していた。
    3 DSCパラメーター値のTp及びTcとアミロペクチンの長鎖(DP:43-51) が正の相関を示し, 逆に短鎖 (DP:7-11) が負の相関を示した。また, △Hも同様の傾向を示した。DSCパラメーターの測定は, アミロペクチン側鎖構造に関する情報を得ること, 引いては蒸米の消化性に関する情報を得るために有効な手段であると考えられた。
    4 RVAパラメーター値のP及びBDが短鎖 (DP:8-12) と負の相関を, 中鎖 (DP:20-25) と正の相関を示した。SBは, 短鎖 (DP:8-15) と正の相関, 中鎖 (DP:26) と負の相関を示した。また, PTは長鎖 (DP:37-46) と負の相関を示した。RVAパラメーター値で見られた相関係数は, DSCパラメーター値ほどの高いものではなかったが, アミロペクチン側鎖構造とも関係があることを示すものと思われた。
  • 岩田 博, 磯谷 敦子, 宇都宮 仁, 西尾 尚道
    2004 年 99 巻 6 号 p. 467-473
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    米胚乳細胞中に含まれるα-グルコシダーゼの清酒醸造の浸漬・蒸きょう工程に及ぼす影響について, 日本晴と山田錦を用いて検討した。
    (1) 両品種とも浸漬中にグルコースが経時的に溶出し, 浸漬温度の上昇により溶出量は増加した。α-グルコシダーゼの特異的阻害剤ミグリトールの添加でグルコースの溶出, 生成は阻害された。
    (2) 白米に含まれるα-グルコシダーゼ活性と浸漬液の生成グルコース量には, 有意な相関があった。
    (3) 浸漬, 蒸きょう処理による米中のグルコース量を検討したところ, 浸漬, 水切り中に白米含量の4.6~5.6倍に増加したが, 蒸きょう中には減少した場合と増加した場合があった。
    (4) 山田錦 (40%) を用いた蒸米吸水率の結果と, 日本晴 (70%) を用いた消化性試験のBrix度の結果において, ミグリトール添加区が有意に値が低かった。
    これらの結果, 米α-グルコシダーゼは, 浸漬, 水切り工程において少量のグルコースを生成することが明らかとなった。また, 米α-グルコシダーゼは, 浸漬から蒸きょうに到る一連の工程において米の組織に何らかの影響を与えていることも示唆された。
  • 栗田 修, 中林 徹, 福川 雅則, 坪内 一夫
    2004 年 99 巻 6 号 p. 474-480
    発行日: 2004/06/15
    公開日: 2011/09/20
    ジャーナル フリー
    焙煎発芽玄米を用いて, 高濃度アルコール清酒の開発を行った。焙煎発芽玄米を総米に対して留添時に10%まで蒸米と置換して清酒製造を行った場合, 製成された清酒はアルコール度数が高くなり, 日本酒度も辛い淡麗で雑味の少ない清酒ができることを確認した。焙煎発芽玄米粉の酸性抽出液には, 蒸米のα-アミラーゼへの無効吸着を抑制する効果が認められ, 清酒への焙煎発芽玄米を利用した場合にも, 利用しない対照区に比べて, 蒸米の溶解は向上することを確認した。また, 仕込みにおいて, 焙煎発芽玄米の原料処理としての浸漬及び蒸しは, 焙煎発芽玄米の未処理と比べて蒸米の溶解を滅少させることを確認した。
    終わりに, 焙煎発芽玄米を利用して製成された清酒の官能評価に, ご協力を頂きました三重県酒造協同組合連合会, 技術顧問斎藤和夫様に対して厚く御礼申し上げます。
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