日本食品科学工学会誌
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62 巻 , 12 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
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報文
  • 中村 善行, 高田 明子, 藏之内 利和, 片山 健二
    62 巻 (2015) 12 号 p. 555-562
    公開日: 2016/01/28
    ジャーナル フリー
    サツマイモの食感(肉質)に関わる塊根成分の解明を目的として,肉質の異なる様々な品種,育成系統等の塊根のデンプン,ペクチン質ならびにCaの含量を測定した.また,蒸した塊根の組織崩壊率による食感(肉質)の定量的評価の可能性について検討した.
    (1)塊根のデンプン含有率が高いほど蒸しいもの食感(肉質)が粉質となる傾向が認められたが,肉質に基づいて分類された5つの塊根集団のうち,デンプン含有率に有意差が認められたのは4つであった.
    (2)蒸した塊根の組織崩壊率と蒸しいもの肉質との間には一定の関連があり,崩壊率が低い塊根ほど肉質が粉質であった.特に,デンプン含有率が中程度(16∼22.5%)の塊根において組織崩壊率と肉質との密接な関係性が認められた.
    (3)蒸した塊根の組織崩壊率は塊根のデンプン含有率ならびに,Caおよびデンプン残さから抽出されたキレート剤可溶性ペクチン質の各々生重量当たりの含有量といずれも負の相関を示した(r=-0.448*** ; デンプン,r=-0.403*** ; Ca,r=-0.214* ; ペクチン質)が,後2者は肉質指数とは相関が認められなかった.
    以上要するに,蒸したサツマイモ塊根の肉質と組織崩壊性との間には関連が認められ,前者にはデンプン含有率が主に関わるが,後者にはこれに加えてCa含有率が同程度に関与することが明らかとなった.
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  • 藤原 佳史, 安井 麻里子, 稲田 明宏, 朝田 仁, 和田 俊
    62 巻 (2015) 12 号 p. 563-571
    公開日: 2016/01/28
    ジャーナル フリー
    本研究では,枯節製造中の香気成分変化を調べるとともに,乾燥方法の違いが香気成分に及ぼす影響を明らかにした.
    (1)枯節製造工程における乾燥方法の違いが,香気成分,特にアルデヒド類の生成量に差異を及ぼすこと,すなわち天日乾燥は機械乾燥よりもヘキサナールとヘプタナールの生成量を増加させることがわかった.一方で,二番カビ付けを行うことで,乾燥方法の違いにより生じたアルデヒド類の生成量の差は消失することも明らかにした.
    (2)天日乾燥においては,天日乾燥時間の増加に伴ってヘキサナールとヘプタナールの生成量が増加することがわかった.さらに,紫外線量の多い春季および夏季の天日乾燥は,秋季および冬季に比べてヘキサナールとヘプタナールの生成量を増加させることを認めた.また,一番カビ品に紫外線を照射したところ,紫外線照射量の増加に伴い,ヘキサナールとヘプタナールの生成量が増加することも明らかにした.
    以上のことから,かつお枯節の製造工程における乾燥方法の違い,つまり天日乾燥と機械乾燥の違いが,その香気成分に影響を及ぼすことが明らかとなった.加えて,天日乾燥により,ヘキサナールとヘプタナールの生成量が顕著に増加するのは,天日に含まれる紫外線の影響であることが示唆された.
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技術論文
  • 日渡 美世, 加納 早緒里, 加藤 丈雄
    62 巻 (2015) 12 号 p. 572-578
    公開日: 2016/01/28
    ジャーナル フリー
    豆腐製造時に排出されるオカラを低コストで,簡便·確実に保存するための乳酸発酵方法について検討した.1)有機酸生成能が高い乳酸菌として,Lb. casei L-14とWs. paramesenteroides HM25を選抜し,両菌株の接種量や混合比を最適化した.2)乳酸発酵にあたって補糖や温度調整を不要とした.3)微生物汚染の少ないオカラについては,混合乳酸菌スターターの接種により,腐敗が防止された.4)豆腐製造工場で排出·保管された微生物汚染の多いオカラについては,混合乳酸菌スターター接種と密封容器への詰め込みを併用することにより腐敗が防止された.
    本方法は,特別な技術や設備を必要としない簡便で低コストであることから,中小豆腐製造企業でも導入可能なオカラの腐敗防止方法であると考えられた.
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  • 八戸 真弓, 奥西 智哉, 萩原 昌司, 等々力 節子, 川本 伸一, 濱松 潮香
    62 巻 (2015) 12 号 p. 579-584
    公開日: 2016/01/28
    ジャーナル フリー
    玄米と分づき米(3分づき米,5分づき米,7分づき米,10分づき米)の炊飯調理における放射性セシウムの濃度,加工係数Pf,および残存割合Frを調べ,とう精の有無や糠の除去割合が放射性セシウムの動態に及ぼす影響を評価した.玄米を炊飯調理すると放射性セシウムの5%が除去され,放射性セシウム濃度は調理前の0.43倍となった.一方,分づき米の炊飯調理では,放射性セシウムの36-38%が除去され,放射性セシウム濃度は炊飯前の0.25-0.26倍となった.炊飯調理での加工係数Pfと残存割合Frは,玄米よりも分づき米が有意に低い結果となったが,とう精割合による差は認められず,炊飯調理における放射性セシウムの動態には,とう精の有無は影響を及ぼすが,3分づきから10分づきの範囲であれば,糠の除去割合は影響を及ぼさないことが示された.
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  • 大澤 克己, 松井 淳一, 丸田 正治, 森田 祐子, 斉藤 信博
    62 巻 (2015) 12 号 p. 585-590
    公開日: 2016/01/28
    ジャーナル フリー
    長野県木曽地域の伝統食品である無塩乳酸発酵漬物すんきから植物由来乳酸菌を分離し,ヨーグルト製造に適した乳酸菌を選抜を行い,その乳酸菌を用いたヨーグルトが開発できた.初発菌数1.0×108cfu/ml,発酵時間24時間以内で良好なカードが形成でき,牛乳以外に他の乳酸菌増殖用添加物を使用しないで商業ベースでヨーグルトを製造することを可能にした.
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解説
シリーズ—研究小集会(第21回)水部会
  • 村勢 則郎
    62 巻 (2015) 12 号 p. 591-592
    公開日: 2016/01/28
    ジャーナル フリー
  • 熊谷 仁
    62 巻 (2015) 12 号 p. 593-603
    公開日: 2016/01/28
    ジャーナル フリー
    食品の物性と水に関する2つのテーマに関して概説した.第一に物性に関するものとして「ハイドロコロイドの物性と嚥下困難者用介護食」,第二に水に関するものとして「食品の水分収着とガラス転移」である.
    パーコレーションモデルは,ゾル-ゲル転移点近傍における力学物性の挙動を高分子の分散構造を考慮しつつ理解するうえで有用である.ハイドロコロイドのレオロジー的性質は誤嚥のしやすさと関連の深い咽頭部の食塊の流速に影響を与える.増粘剤溶液に関して,粘度(μ),動的粘性率(η'),複素粘性率(η*)は,咽頭部最大流速Vmaxとの相関が高く,嚥下困難者用介護食の物性指標として有用であることが示された.ゲルに関しては,Vmaxの減少はゾル-ゲル転移点以上の濃度領域でゆるやかになった.
    水分収着等温線は,水と固体の相互作用に関する情報を与える.多くの食品の水分収着等温線は,GAB式で良好に回帰できる.溶液熱力学を用いて,水分収着等温線のデータから,水と固体両方の部分モル量を評価することができる.ガラス転移の概念は,非酵素的褐変速度や粉体の固結など食品の多くの現象を説明可能である.ガラスは,ガラス転移点Tgといわれる温度でラバーに変化する.水は,食品の重要な可塑剤であり,Tgを下げる役割をする.水分収着等温線から,溶液熱力学を用いて求められる固体側の自由エネルギー変化ΔGasは,収着に伴うガラス転移点の低下ΔTgと高い相関があった.
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  • 山口 敏男, 伊藤 華苗, 吉田 亨次, 氏本 菊次郎, Bellissent-Funel, Marie-Claire
    62 巻 (2015) 12 号 p. 604-613
    公開日: 2016/01/28
    ジャーナル フリー
    The thermal behavior, structure, and dynamic properties of water confined in polymer gel Sephadex G15 were investigated over a temperature range of 298-173K as a function of hydration level (g H2O/g dry gel) by differential scanning calorimetry (DSC), X-ray diffraction (XRD), and quasi-elastic neutron scattering (QENS) and neutron spin echo (NSE) measurements. The DSC data showed that there are three states of water in G15 gel: free water, freezable bound water, and unfrozen water. The X-ray radial distribution functions revealed that the tetrahedral-like hydrogen bonded network of confined water is largely distorted, compared with the bulk water. The QENS data showed that the water molecules perform local motions characterized by a diffusion coefficient of (0.65±0.05)×10-5cm2s-1 within a sphere with a radius of 4.4 Å. The Arrhenius plots of the relaxation time of water gave an activation energy of 44.2±1.5 kJmol-1, which is somewhat larger than the value of 15-36kJmol-1 of capillary condensed water confined in mesoporous silica MCM-41 C10 (pore diameter 21 Å). The present findings suggest that water molecules in G15 gels are strongly bound to the hydroxyl groups of the gel matrix.
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