心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
15 巻, 12 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 特にnisoldipineについて
    岩崎 勤, Lair G. T. Ribeiro, Peter R. Maroko
    1983 年 15 巻 12 号 p. 1241-1246
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    新しいカルシウム拮抗薬のnisoldipine(0.1mg/kg)の心筋梗塞量減少効果を検討するため,オートラディオグラフィーとTTC染色を使用し,24頭の雑種犬での実験的心筋梗塞量(IS)を測定し,対照群と比較した.左前下行枝結紮後88mTcで標識したアルブミンマイクロスフェアを左房へ注入した.6時間後にTTC染色でISを測定した.マイクロスフェアのフィルムへの爆射により灌流域を求め,その他を低灌流域(HZ)とした.HZは対照群(左室の27±3%)と治療群(28±3%)で差がなく,ISも対照群(25±3%)と治療群(19±3%)では有意差は認めなかった.しかし梗塞へ発展した低灌流域(IS/HZ)は対照群(91±2%)に比し,治療群(68±8%)で有意(P<0.01)な低値を示した.以上nisoldipineは梗塞量を減少させ,虚血心筋を保護する効果のあることが示された.また今回の方法は各イヌが真の意味でのコントロールであり,有意義な方法と考えられる.
  • 菅野 恵, 星野 俊一, 岩谷 文夫, 本多 正知, 猪狩 次雄, 安藤 正樹, 阿部 俊文, 高野 光太郎, 萩原 賢一, 丹治 雅博, ...
    1983 年 15 巻 12 号 p. 1247-1255
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    総肺静脈還流異常症の発生頻度は全先天性心疾患の0.4~2.0%であり,生後1年以内の死亡率は80%以上とされ本症にて成人まで達する例は極めてまれである.
    今回,われわれは33歳と36歳の分娩を経過した成人の総肺静脈還流異常症(Darling Ia)2例に対し,いわゆるGersony-Malm法による根治術を施行し,ほぼ満足すべき結果を得た.
    術前左心室拡張末期容積指数は,それぞれ60.4ml/m2,64.3ml/m2と正常範囲内で,肺静脈閉塞もなく,肺高血圧症も軽度であったために,成人まで生存し,かつ分娩も可能であったと考えられた.
  • 三浦 正雄, 中道 五郎, 並木 恒夫, 佐治 公明
    1983 年 15 巻 12 号 p. 1256-1262
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    中学生のころから漫性的な頭痛を訴え,ランニング中にしばしば意識障害を呈し,血圧測定で著明な高血圧を示した19歳男子である.血漿レニン活性48ng/ml/hour,血漿アンギオテンシンI 9,800pg/ml,血漿アンギオテンシンII 142pg/mlおよび血漿アルドステロン(臥位)254.5pg/mlと高値を示し,腹部大動脈造影で左腎動脈起始部に90%以上の狭窄像を得た.左側腎血管性高血圧症と診断し,左腎血管のバイパス手術を行ったが,中脳血を併発して術後8日目に死亡した.剖検の結果,出intimal fibroplasia型のfibromuscular dysplasiaによる狭窄を左腎血管の他に右腎血管にも認めた.さらに,同様の病変を冠動脈,大腿動脈,脳底動脈にも認めた.
    Intimal fibroplasia型のfiromuscular dysplasia が全身の動脈に認められた報告は比較的少ないため,若干の考察を加えて報告する.
  • 藤原 慶一, 横田 祥夫, 節家 直己, 岡本 文雄, 三宅 俊治, 清田 芳春, 佐野 俊二, 中本 進, 槇野 征一郎, 吉川 栄治, ...
    1983 年 15 巻 12 号 p. 1263-1268
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    大動脈縮窄症の中で,isthmus以外に縮窄が存在する例は,異型大動脈縮窄症といわれ,まれな疾患である.
    今回,大動脈弓部につながる異所性動脈管索・大動脈瘤を合併した大動脈弓部縮窄症の9歳女児の1例を経験した.本例に対して,12mm径人工血管による大動脈瘤の置換と10mm径人工血管による上行-下行大動脈間のExtra-anatomical bypassを行い経過良好である.
    本例に対するわれわれの経験と本症の発生・頻度・手術手技・術後の奇異性高血圧について若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 河野 光紀, 安達 隆二, 相馬 民太郎, 熊田 淳一, 近藤 治郎, 佐藤 順, 松本 昭彦
    1983 年 15 巻 12 号 p. 1269-1273
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    先天性冠動脈瘻は近年報告例が多くなってきたが,乳児期に心不全を量した症例は少ない.著者らは,生後3週から心不全を呈した右冠動脈右心室瘻を経験し,生後76日目に緊急手術を行い,瘻孔を選択的に結紮することにより治癒せしめた.
    冠動脈瘻は無症状で発見されることが多いが,本症例のように発見時症状が強く,内科的治療で病態の改善の得られない場合は,積極的に手術を行うべきだと考える.
  • 1手術治験例
    岡田 嘉之, 乙供 通稔, 横山 紘一, 斉藤 幹朗, 三浦 民雄, 荒木 隆夫, 菅野 邦明, 香川 謙
    1983 年 15 巻 12 号 p. 1274-1278
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    三心房心の成人症例を経験した.54歳の女性で,主訴は呼吸困難,浮腫等の心不全であった.心拡大・心房細動がみられ,心尖部に収縮期心雑音があった.超音波検査(Bモード心エコー)によって左房内の異常隔壁と僧帽弁逸脱がみられ,造影で僧帽弁の中等度の逆流が確かめられた.人工心肺下に開心し,異常隔壁の切除と僧帽弁の弁輪形成術とを行った.術後経過は良好であった.三心房心に僧帽弁逆流を伴うことは比較的まれであり,弁手術を行った報告はきわめて少ない.
  • 渥美 和彦
    1983 年 15 巻 12 号 p. 1281-1353
    発行日: 1983/12/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
feedback
Top