心臓
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29 巻, 12 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 小室 一成
    1997 年29 巻12 号 p. 925-930
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 高血圧を合併した肥大型心筋症を含めた検討
    米山 聡嗣, 杉原 洋樹, 伊藤 一貴, 松本 雄賀, 寺田 幸治, 木下 法之, 中村 智樹, 平崎 智士, 島 孝友, 東 秋弘, 中川 ...
    1997 年29 巻12 号 p. 931-938
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    肥大型心筋症46例,高血圧合併の肥大型心筋症23例,高血圧性肥大心20例に123I-BMIPP心筋SPECT(BMIPP)を施行し,1)BMIPPが鑑別に寄与するか,2)高血圧が肥大型心筋症の心筋脂肪酸代謝障害に影響を及ぼすかを検討した.SPECT像を17領域に分割し,集積低下の程度を視覚的に4段階評価し,defect score(DS)とした.DSの総和(TDS)を算出し,各群の集積低下の頻度,程度,部位の特徴を比較した.肥大型心筋症と高血圧合併の肥大型心筋症で集積低下の頻度とTDSは同程度で,高血圧性肥大心に比し高値であった.集積低下部位は,肥大型心筋症と高血圧合併の肥大型心筋症は類似し,中隔前壁接合部,後壁中隔接合部,心尖部に高頻度であったが,高血圧性肥大心は後壁のみであった.肥大型心筋症と高血圧性肥大心では,集積低下の頻度,程度,部位が異なり,BMIPPは両者の鑑別に寄与する可能性がある.また,高血圧を合併した肥大型心筋症の心筋脂肪酸代謝障害に対する高血圧の影響は少ないと考えられた.
  • 田口 敦史, 清水 渉, 鎌倉 史郎, 相原 直彦, 栗田 隆志, 須山 和弘, 稲垣 正司, 由谷 親夫, 下村 克朗
    1997 年29 巻12 号 p. 939-944
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    明らかな器質的心疾患を認めない右室流出路起源非持続型の心室頻拍(VT)症例74例中,5例に心室細動(Vf)を確認し(Vf群),その臨床的,病理学的および電気生理学的特微を無作為に選んだ非Vf群20例と比較検討した.
    VT rateはVf群282±25/分で非Vf群の187±46/分に比較して有意に強く(p<0.0005),Vf群5例では全例でVT中のQRS波形の変形を認めた.電気生理学的には右室心尖部,流出路の有効不応期と1:1応答に有意差は認めなかったが,非Vf群に比べVf群で不応期が短く,1:1応答が充進している傾向にあった.また,両群とも心室内に明らかな異常電位は認めなかったが,心内膜生検による病理所見ではVf群5例全例に軽度の線維化と3例に中等度の脂肪浸潤を認めた.一方,非Vf群では中等度以上の脂肪浸潤は心筋生検を行った12例中1例も認めなかった.
    Vf群は5例ともVT中の心拍数が速く,VT中にQRS波形の変形を認めており,このような所見のある右室流出路起源の非持続型VT症例では,Vfに移行する可能性があり,VTを管理していく上で注意が必要であると考えられた.
  • 西條 泰明, 大井 伸治, 川嶋 栄司, 赤坂 和美, 石井 良直, 菊池 健次郎, 青木 秀俊
    1997 年29 巻12 号 p. 945-950
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は56歳,男性.主訴は動悸,息切れ.昭和53年に僧帽弁閉鎖不全症(MR)3度にてHancock弁を用いた僧帽弁置換術(MVR)が施行された.平成3年に労作時の息切れ,咳嗽が出現しうっ血性心不全,人工弁逆流を認めたため,同年10月Carbomedics弁(29mm)を用いた2回目のMVRが施行された.その後症状なく経過していたが,平成7年2月より動悸,息切れが出現し4月5日当科入院した.経胸壁心エコーにて左房径は44mmで左房内の異常は指摘できなかった.
    経食道心エコーでは左房の前壁側に2つの解離腔を認めた.1つは弁輪部より流入血流を認め,さらに左房への流出血流を認めた.僧帽弁置換術後の左房壁解離の報告はきわめてまれで,我々の調べ得た範囲ではこれまでに3例しかない.この症例では慢性に経過し,心不全は呈さなかったが心房粗動のコントロールが不良であり治療方針の決定に苦慮したが,再々弁置換を施行し,術前治療に苦慮した心房粗動も見られなくなり良好な経過を得ている.
    我々は2度のMVR後に徐々に進行したと考えられる左厨壁解離を経験した.このような報告例はなく,治療方針には苦慮したが貴重な症例と思われ報告する.
  • 岡村 誉之, 高芝 潔, 知花 隆郎, 見上 俊輔, 島尻 正紀, 山田 寿太郎
    1997 年29 巻12 号 p. 951-955
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    僧帽弁概換術後に左房解離を介して生じた左室左房間交通の1例を報告する.症例は72歳,女性.僧帽弁狭窄症の診断にて1987年僧帽弁置換術を施行し,経過順調であったが,1990年頃より呼吸困難,下腿浮腫が出現し,心不全の診断にて入退院を繰り返していた.症状軽快せず当科を受診,経胸壁心エコーでは軽度の大動脈弁閉鎖不全と三尖弁閉鎖不全および左房解離を疑わせる所見を認めたが,僧帽弁位人工弁の機能不全は明らかでなかった.左室造影では大動脈と左房の間で肺動脈の後方に僧帽弁輪部より生じる左房解離腔が確認され,左房は左室と同程度に造影された.経食道心エコーを施行したところ,軽度の人工弁周囲逆流と僧帽弁輪の大動脈弁側より心房中隔上方に向かう左房解離腔を認めた. 大動脈弁と僧帽弁位人工弁の間に左室からのエントリーを認めた.また,僧帽弁輪の右端やや頭側よりで心房中隔の前方の位置にリエントリーを認め,左房内へ流入する収縮期血流を観箋審することができた.これにより,血行動態的には僧帽弁閉鎖不全症と同様の病態を星し心不全をきたしたものと考えられた。現在は内科的治療によりNYHAII度で外来通院中である.経食道心エコードプラー法により人工弁のアーチファクトの影響を受けることなく左房内の観察ができ,左房解離の位置,エントリーおよび左房へのリエントリーを同定でき診断に有用であった.
  • 井上 正
    1997 年29 巻12 号 p. 956-959
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 中川 由美, 林 鐘声, 城戸 佐知子, 福持 裕, 大持 寛, 浜岡 建城, 尾内 善四郎
    1997 年29 巻12 号 p. 960-964
    発行日: 1997/12/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    結節性硬化症の約半数は心臓横紋筋腫を合併するとされている.また,心臓横紋筋腫は自然退縮することがあることが知られている.我々は,結節性硬化症に合併した心臓腫瘍のため,房室ブロック,脚ブロックを認め,腫瘍の縮小に伴い,房室ブロック,脚ブロックが改善した症例を経験したので報告する.
    症例は,分娩時の不整脈,徐脈により発見された心臓腫瘍を合併した結節性硬化症であった.脚ブロックを伴った高度房室ブロックのため,生後2カ月時にペースメーカーの植え込み術を行った.その後,心臓腫瘍の自然退縮が見られ,腫瘍の退縮に伴い,房室ブロック,脚ブロックは改善した.3歳時には,腫瘍はほぼ消失し,ペースメーカーの摘出が可能となった.
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