心臓
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17 巻, 6 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 先成 英一, 松岡 裕二, 沖島 寳洋, 西口 俊裕, 鈴宮 寛子, 早川 国男, 佐藤 雄一, 住吉 昭信, 河野 正, 石橋 健治朗, ...
    1985 年 17 巻 6 号 p. 593-600
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    今回の研究の目的は,大動脈縮窄および大動脈弓離断を伴うVSDの形態において,人種差が存在するかもしれないという点を指摘することである.
    1981年4月より1984年3月までの間に,南・中九州5県より収集した心奇形を有する剖検心標本150個の中から,大動脈縮窄あるいは大動脈弓離断を合併した23個のsimple VSDについて,形態学的な検討を行った.
    6例は大動脈弓離断を,残りの17例は大動脈縮窄を合併していた.15例(65.2%)は円錐中隔あるいは総動脈幹中隔の後方偏位を有するmalalignment typeのVSDであった.
    Andersonらの報告とは異なり,われわれの症例では,大動脈騎乗を伴うperimembranous defectはわずか1例のみであった.日本人(九州の症例)では,円錐中隔あるいは総動脈幹中隔の後方偏位により左室流出路狭窄をきたすようなmalalignment typeのVSDが多くみられる.
  • 正常と高血圧症の比較
    深川 和英, 鵜木 哲秀, 吉野 文雄, 宮本 武, 中村 功
    1985 年 17 巻 6 号 p. 601-607
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    剖検心で左房鋳型を作成し,正常群(19例)と高血圧症群(12例)における左房の形態ならびに容積の変化について検討した.
    正常群の左房壁の径は,31.5±4.7~39.6±4.8mm(20.9±3.2~26.4±4.0mm/m2)の間にあり,前壁の横径(DWmax)が最長で,後壁の縦径(Dhmax)が最短であった.最大左房容積(LAVmax)は,平均58.2±13.8ml(38.8±7.7ml/m2)であった.
    高血圧症群では,すべての左房壁に拡大がみられ,LAVmaxも39%増大していた.しかし,心拡大のない高血圧症群では,一部の左房壁のみの拡大がみられ,LAVmaxの増大は21%であった.
    心エコー法による左房径測定位置と考えられる下壁のDh maxとLAVmaxの間には, 正常群では良い相関が認められたが,高血圧症群では相関は認められなかった.それは高血圧症群では下壁の拡大率が最小であるためであり,心エコー法で左房拡大を評価することは適切でないと思われる.したがって,胸写および心エコー法で,高血圧患者の左房拡大を早期に診断することは困難であり,左房の立体的な検索が必要と思われる.
  • 日浅 芳一, 矢野 勇人, 前田 利裕, 原田 道則, 森本 真二, 相原 令, 坂東 正章, 中井 義廣, 片岡 善彦, 中屋 豊, 森 ...
    1985 年 17 巻 6 号 p. 608-614
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Ergonovine maleateにより冠動脈攣縮を誘発させ,U波陰性化の診断的有用性を検討した.Ergonovine負荷試験陽性27例と陰性100例を対象とした.U波の陰性化は,負荷試験陽性27例中23例(sensitivity85.2%),負荷試験陰性100例中4例(specificity96.0%)に認められた.U波単独の変化は,負荷試験陽性例中6例(22.2%)に認められた.II誘導のU波陰性化は,右冠動脈に攣縮を生じた21例中18例(sensitivity85.7%),冠攣縮を認めなかった6例中1例に認められた(specificity83.3%).V5誘導のU波陰性化は,左前下行枝に攣縮を生じた10例中9例(sensitivity90%),攣縮を生じなかった17例中11例(specificity35.3%)に認められた.以上のごとく,冠動脈攣縮に対しU波の変化は診断性が高く, 特にII誘導の陰性U波は, 特異度も高いことが明らかとなった.
  • 石丸 真由美, 重松 裕二, 末田 章三, 風谷 幸男, 関谷 達人, 越智 隆明, 浜田 希臣, 伊藤 武俊, 国府 達郎, 松崎 圭輔
    1985 年 17 巻 6 号 p. 615-622
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    左房内可動血栓は,全身への塞栓あるいは僧帽弁口への嵌頓のため,突然死の原因ともなりうる.われわれは,心エコー図により発見された,左房内可動血栓を有する僧帽弁狭窄症患者3例を経験したので,その発生因子および発生機序について検討した.3例中,2例は球状浮遊血栓であり,1例は有茎性可動血栓であったが,3例とも塞栓症を合併しており,左房内可動血栓においては塞栓症が頻発する可能性の高いことを示唆していた.さらにワーファリンコントロール中に左房内浮遊血栓が僧帽弁口を通過し,塞栓症を起こした症例もあるため,僧帽弁狭窄症における抗凝固療法は,症状,心エコー図所見などに注意を払い,慎重に開始すべきであると思われた.また,上記3例と,壁在血栓を有する患者5例および血栓を有さない僧帽弁狭窄症患者7例の心エコー図上の特徴を比較検討したが,左房径,僧帽弁口面積および左心機能に差は認められず,可動血栓の成因としては心房細動以外に所見は得られなかった.しかし,われわれの症例および文献的考察より,この可動血栓は短期間で発生,発育する可能性が示唆されるため,頻回に心エコー図をとり,その有無を確認すべきであると思われた.
  • 正木 久男, 藤原 巍, 土光 荘六, 元広 勝美, 稲田 洋, 木曽 昭光, 野上 厚志, 中井 正信, 山本 尚, 山根 尚慶, 勝村 ...
    1985 年 17 巻 6 号 p. 623-630
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    大動脈弁膜症において血行動態的に重要な逆流度や左室大動脈間圧較差の程度を非観血的に評価を行う目的として,大動脈弁膜症35例(AR 22例,AS 6例,ASR 7例)を対象に超音波ドプラー血流計ならびにreal-time spectrum analyzerを用いて,術前および術後1カ月目に各末稍動脈で測定し,その流速波形をパターン分析し,さらに総大腿動脈の流速波形の6指標の数値的解析を試み,以下の結果を得た.1.ARでは,各末稍動脈の中で総大腿動脈はsellers II度以上で初めて拡張期逆流相が出現し,その他の動脈ではSellers III度以上で出現した.総大腿動脈の拡張期逆流相のタイプをA,B,Cの3つに分類したが,Sellers分類とよい相関を認めた.2.ASでは,手術対象例は急速前進相の低下がみられ,さらに波形分析の各指標の中でPTの延長と左室大動脈間圧較差が比較的よい相関を示した.3.ASRでは,圧較差40mmHg以下では拡張期逆流相の防げにならなかった.圧較差60mmHg以上では,逆流の程度にかかわらずRTは延長していた.4.術後では,各疾患とも流速波形はほぼ正常に改善した.5.以上のように超音波ドプラー血流計およびrealtime spectrum analyzerによる末梢動脈の流速波形の分析は,大動脈弁膜症の評価の非観血的な補助手段として有用と考えられた.
  • 池田 裕, 上村 茂, 根来 博之, 清水 映二, 平野 和彦, 前田 次郎
    1985 年 17 巻 6 号 p. 631-638
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    歩行可能な各種疾患患者2,388例から,期外収縮(PB)が全心拍の20%以上を占める74例を認めたが,このうちの27例のPBは座位で即座に消えた.これを臥位性PBと仮称して検討した結果,ほとんどが右心室起源の単巣性のPBで,固定連結していた.Holter心電図で5例に心室性PBの連発を認めたが,PBの出現に一致した自覚症状は有意なものではない.臥位性PBを4例の陳旧性心筋梗塞にも認めたが,その他は器質的心疾患を有しない様々の疾患に認めた.心理テストや寒冷血圧試験の成績から,その出現の背景に自律神経緊張異常が推測され,特に臥位でのvagal restraintが強勢されていた.外因的にvagal toneをたかめるとPBが増し,vagusを遮断したりsympathetic toneをたかめるとPBが消失したり減ったりすることから,臥位性PBはvagotonia-induced extrasystole in supine postureであり,機能性の,良性のPBと思われる.1~1.5年後に,16例中の5例は再現しなかったが,抗不整脈治療効果は期待しがたいようである.重篤な不整脈発作への進展例はまだ経験しないが,なおfollow up studyを要すると思われる.
  • 斉藤 裕, 三井 毅, 牛島 聡, 向井 恵一, 笠原 善郎, 吉田 政之, 飯田 茂穂, 大平 政人, 三崎 拓郎, 岩 喬
    1985 年 17 巻 6 号 p. 639-645
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    WPW症候群150症例に対し副伝導路切断術を行った.うち心房細動を合併した症例は68例(45%)あり,この90%に回帰性頻拍を認めた.心房細動合併症は非合併例より重篤な症状を呈し,1例に心室細動を認めたほか,3例が手術待機中自宅で突然死している.器質的心疾患合併例,および高齢発症または回帰性頻拍経験の長いものが心房細動を合併しやすかった.しかし電気生理学的見地から心房細動合併を予測する因子は明確ではなかった.また手術時期が遅い程,術後心房細動が多く残存した.回帰性頻拍治療のために植え込まれたペースメーカーが,心房細動を誘発した3症例も経験した.
    WPW症候群における心房細動発生には副伝導路が深く関与しており,一担発生した後は症状が増悪し,突然死することもある.今回の検討から心房細動合併症例では可及的早期に手術的根治をすべきである.
  • 森 清男, 桝田 昌之助, 佐藤 隆, 大家 他喜雄, 林 守源
    1985 年 17 巻 6 号 p. 646-651
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は31歳,女性.10年前にVSDと診断され手術を勧められたが拒否し,内科療法を受けてきた.3回の心カテーテル検査を受けたが,29歳の時,肺動脈圧85/65mmHg,Qp/Qs=0.96,Rp/Rs=1.17であり手術不能の状態となった.31歳の最後の入院の際,乏尿が続き,死亡の第180病日までに計4回のECUM(extracorporeal ultrafiltration method)が間歇的になされ,心不全はコントロールされた.PSPテスト=1.9%,C creatinine=18.4ml/min,Cosm=0.845ml/min,CH2O=-0.199ml/minで腎前性機能障害がうかがわれた.心室細動にて死亡したが,肺動脈起始部から著しい血栓と動脈硬化を呈する閉塞性肺血管病変が認められた.肺動脈末梢には,その所見はみられなかった.ECUMは,高度な肺高血圧を合併した末期VSDの難治性心不全に対して,安全に施行され延命に有用であった.
  • 島松 昌由, 大北 泰夫, 葉 昌義, 池田 久雄, 冷牟田 浩司, 牛嶋 久, 戸次 久敏, 戸嶋 裕徳, 上野 高史, 溝口 敬一郎, ...
    1985 年 17 巻 6 号 p. 652-658
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞に対し選択的冠動脈内血栓溶解療法(PTCR)が導入され,有用性も認められつつあるが,PTCR単独では左心機能に対する効果も限られる場合がある.今回,陳旧性前壁梗塞で新たに側壁梗塞を合併した56歳男性例にPTCRを施行したが,回旋枝近位部に99%狭窄が残存し,左前下行枝も,右冠動脈からの側副血行路はあるものの,近位部で完全閉塞していた.その後心電図上新たなQ波を作らずに非貫壁性梗塞にとどめ得たが,残存狭窄が高度で,IABPからの離脱が困難であり,PTCRのみでは左心機能の改善には不十分と考え,PTCR施行6日後に大動脈-冠動脈バイパス術(CABG)を,前下行枝および回旋枝に行い,明らかな血行動態の改善と左心機能の回復を得た.心筋梗塞発症早期のCABGには異論もあるが,PTCRの確立により,適応が拡げられつつあり,中でも本症例のごとく,再梗塞例で主要冠動脈2枝以上に高度狭窄が残存し,しかも貫壁性梗塞を起こすことなく,かつIABPなどの手段によっても血行動態の改善がみられない場合には,救命を目的としたPTCR早期のCABGの絶対的適応があるものと考えられた.
  • 鵜木 哲秀, 吉野 文雄, 深川 和英, 宮本 武, 中村 功
    1985 年 17 巻 6 号 p. 659-660
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    左冠動脈主幹部のspasmによる狭心症はきわめてまれである.症例:47歳,主婦,主訴は毎朝起こる胸痛発作.発作時の心電図でaVRをのぞく広範な誘導でSTの著明な低下が認められ,安静狭心症と診断された.早朝の自然発作時の冠動脈造影で,左冠動脈主幹部に95%の狭窄が認められたが,nitroglycerin舌下で発作が消失した時点では同部の狭窄は20%に改善した.本症例の治療としてはdiltiazemと亜硝酸剤が奏効し発作は完全に防止されている.
    左冠動脈主幹部のspasmの報告例は英語文献上13例にすぎず,その中の10例はspasmが狭心症の原因と考えられ,残り3例はcatheter-inducedspasmと診断されている.本症例を含めこれらを検討した結果,左冠動脈主幹部のspasmによる狭心症の特徴として1)狭心症発作時の心電図で,広範な誘導でST・T変化が認められ,血圧低下や心停止をきたす例があり,2)冠動脈造影所見では冠動脈器質病変は左冠動脈主幹部を含め全般に軽度であり,発作時のspasmは強く90%以上の狭窄をきたすが,完全閉塞にはいたらず,発作時,右冠動脈より左冠動脈への側副血行は乏しいことが挙げられる.左冠動脈主幹部のspasmが疑われる症例では冠動脈造影時,患部の完全閉塞をきたせば重大な事故を招く危険性があり,十分な注意が必要と思われる.
    本症例は自然発作中に左冠動脈主幹部のspasmを観察し得たきわめてまれな例と考えられるので報告する.
  • 榎木 登, 村田 吉郎, 土谷 之紀, 林 俊宏, 市川 篤, 山西 行造
    1985 年 17 巻 6 号 p. 668-672
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    生後3カ月時に,急性熱性発疹性疾患に罹患し,11年8カ月後に急性心不全症状にて突然死した1剖検例を報告する.
    症例は12歳男子でランニング中,突然死をきたした.患者は生後3カ月時に敗血症,気管支肺炎の診断にて約5カ月間入院治療を受けた.当時の病歴を詳細に検討し川崎病と診断した.剖検にて心に著明な病変を認め,剖検心に対し冠動脈造影,冠動脈の組織学的検索等を施行し右冠動脈瘤,左冠動脈硬化性病変,心筋の巣状線維化,心外膜線維性癒着等の病変を認め,川崎病における心病変が瘢痕治癒したものと考えた.本症例の突然死の原因は致死的不整脈による心不全の可能性が大であると考えた.本症例から川崎病には罹患後長い期間をおいて,突然死をきたす症例が存在すること,また,青少年の突然死には既往に川崎病に罹患した症例が含まれることを考慮するべきであろう.
  • 河田 政明, 飯田 吉彦, 八木 葉子, 中田 誠介, 中江 世明, 遠藤 真弘, 小柳 仁, 川越 康博, 稲葉 茂樹, 梅村 純, 藤田 ...
    1985 年 17 巻 6 号 p. 673-680
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    末端肥大症においては各臓器の肥大のほか,心血管系の病変もしばしば認められる.
    下垂体切除後もgrowth hormoneが高値を示す活動性末端肥大症に合併した腱索断裂による僧帽弁閉鎖不全症(MR)に対しSJM-31MにてMVRを行い良好な結果を得た56歳男性例を経験した.患者は170cm,75kg,典型的末端肥大症体型で,心不全症状を主訴とし著しい心拡大,心電図上高度の左室肥大を示した.UCG上,後尖の腱索断裂が示唆され,左室造影上Sellers分類IV°のMR,LVEDVI182ml/m2 ,EF54%を示した.内科的治療に抵抗性を示し,症状が進行増悪したため手術適応とし確実な効果を期待して人工弁置換術を施行した.僧帽弁は後尖に腱索断裂を認め,弁は菲薄で炎症所見,リウマチ性変化を欠いていた.心筋に核の異常を伴う肥大,変性,線維化を認めた.術後,低心拍出状態が長びきacromegalic heart muscle diseaseの関与が推測されたが術後18カ月の時点では自他覚ともに著しい改善を示し経過良好である.
  • 舟山 直樹, 五十嵐 丈記, 山城 勝重, 宮川 明
    1985 年 17 巻 6 号 p. 681-685
    発行日: 1985/06/15
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    79歳,女性.主訴:発熱易疲労感.入院後,進行性の心拡大,不整脈を示し,超音波断層心エコー図にて心膜液貯留,心電図モニターおよび電気生理学的検査にて徐脈-頻脈症候群と診断した.入院第40病日に心タンポナーデを起こして死亡し,その際の心膜穿刺液に悪性骨髄系細胞を認めた.
    剖検により右房外側に全層にわたる腫瘍浸潤を認め,左室心筋層にも同様の所見を認めた.病理組織学的に洞結節,とくに洞結節動脈周囲に強い腫瘍細胞の浸潤を認め,右房に発生したgranulocytic sarcomaと診断した.本例は,全経過を通じて末稍血液像に白血病を思わせる所見を示さず,心膜液貯留,心タンポナーデ,洞結節機能不全症候群などの心所見を前景に示した点に興味がある.
  • 窪田 小弓, 朝山 純, 勝目 紘, 北村 浩一, 樋上 雅一, 幸田 正明, 中西 正, 中川 博昭, 吉賀 正博, 西田 和夫, 杉原 ...
    1985 年 17 巻 6 号 p. 687-692
    発行日: 1985年
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    肺動脈幹の著明な拡大を示した73歳の女性において,閉塞性肺疾患を有するものの,過去7年間に及ぶ胸部X線写真ならびに自覚症状などより特発性肺動脈拡張症と診断した.肺機能の変化,右心系心内圧の変動が拡大した肺動脈の拡大や縮小に関与することが示唆された.本症の長期観察の報告はなく,長期観察例の1例として興味あるので報告した.
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