心臓
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13 巻, 11 号
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  • 佐竹 修太郎, 鈴木 文男, 高橋 正喜, 比江嶋 一昌, 桃井 宏直
    1981 年13 巻11 号 p. 1311-1315
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    潜在性WPW症候群(CWPW)と房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)の症例において,抗不整脈剤verapamilによる頻拍停止機序の相違を電気生理学的手法を用いて検討した.誘発されたPSVTに対しverapamil(10mg)を静注すると,CWPW 5例では,心房への逆伝導時間(V-A' 間隔)は不変のまま房室結節伝導時間(A'-H間隔)の漸次的延長をきたし,ついにはA'-Hブロックを生じ頻拍の停止をみた.一方AVNRT5例では,ヒス束より右房下位までの伝導時間(H-A'間隔)よりもA'-H間隔の延長が著明であったが, 最終的にはH-A'ブロックを生じ頻拍の停止に至った.このverapamil静注後のPSVT停止機序の差により,AVNRTとCWPWを鑑別する可能性が示唆された.
  • 大橋 俊夫, 中川 治一, 東 健彦
    1981 年13 巻11 号 p. 1316-1322
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    振動病は近年,社会的関心の的となっている職業病の1つで,各種振動工具使用者に発生する.本症の重要な臨床症状の1つに,振動負荷の加わった手指に発現する局所的循環不全があげられる.この病態の発生機転はいまだ明らかにされていない.われわれは一連の生理学的実験により,この局所的循環不全発現の重要な一因子として,振動負荷後における局所動脈平滑筋のノルアドレナリン感受性の増大を考えなければならないとの結論に達した.本研究においては,振動病における局所循環障害の予防ならびに治療の観点から,このノルアドレナリ感受性増大の発現を抑制する方途を検索した.その結ン果,白ろう指の発生を防止する可能性のある方法として次の4つが考えられた.(1)手指に伝達する振動の周波数を10Hz以下に抑える.(2)振動負荷時間を細分割し,間に休止時間を入れる.(3)カルシウム拮抗剤投与.(4)ビタシンE投与.
  • 平岡 昌和, 岡本 康孝
    1981 年13 巻11 号 p. 1323-1328
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    摘出した犬心室固有筋に微小電極法を適用し,triggered-activityが頻拍性不整脈の発生にはたす意義を検討した.60例の心室固有筋標本をK+-free,Ca+-free液,ついでK+-free, high-Ca+液(Ca++=3.6-7.2mM)にて灌流し,トレーン刺激を与えると全例に振動性後電位の発現をみ,20例では後電位より派生するtriggeredactivityからなる頻拍の発生をみた.その平均心拍数は毎分130であった. 頻拍はトレーン刺激の間隔が短い程発現しやすいが,その発現様式には再現性に乏しく,かつ一定の傾向はみられなかった. イソプロテレノール投与は頻拍の発現を容易とし,テトロドトキシンは頻拍を抑制した.以上の結果,ここでみられるtriggered-activityは異常自動能である振動性後電位を介してfast responseが誘発されたものであり,その繰り返しにより容易に頻拍に移行しうるものと考えられた.またその発現にはリエントリーは重要な意義をはたしていないことが示唆された.
  • 内服投与による
    鈴木 信, 高良 政弘, 真栄城 弘史, 平田 亮一, 城間 祥行
    1981 年13 巻11 号 p. 1329-1336
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    発症後6カ月以内の各種不整脈患者62例に漸増的にdisopyramide 300~1200mgを長期間内服で投与し,2週間毎に連続3分間の心電図記録を行った. 期外収縮では消失を「著効」,減少を「有効」,心房細動では除細動成功例を「著効」洞調律でも期外收縮の残存例は,「有効」と判定した.投与1カ月目,6カ月目および増量時に血中濃度を測定し,その結果,抗不整脈効果と血圧・心拍数・心電図の自動計測値の変動値との相関を求めた.「有効」以上は短期(1カ月)で上室性期外収縮・上室頻拍87%,心室性期外収縮・心室頻拍78%,心房細動48%で,長期(2~22カ月)でそれぞれ65%, 91%, 69%であった.血中濃度に関しては著効値および有効値はそれぞれ上室性不整脈群2.22±0.88, 2.31±2.60μg/ml,心室性不整脈群2.73±1.30, 1.41±0.83μg/ml,心房細動1.87±0.87, 3.04±1.10μg/mlであった.心室性不整脈群で「著効」と「有効」・「著効」と「無効」の間に有意差があった.PQ・QRS幅, QTc,心拍数, 血圧変動値と血中濃度との間に相関はなかった.副作用としては口渇が11.3%,排尿困難が12.9%に認められた.
  • 築山 久一郎, 大塚 啓子, 根本 栄一郎, 中村 豊, 後藤 英司
    1981 年13 巻11 号 p. 1337-1344
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    α,β 遮断剤Iabelol,Ca++拮抗剤diltiazem,verapamilの降圧剤としての有用性が注目されている.入院本態性高血圧症例にlabetalolを静脈内投与したところ血圧下降,脈拍数減少,とともに左室駆出分画の増加を示した.diltiazem,verapamil静脈内投与により血圧下降とともに一過性の脈拍数増加を生じ,前者では左室駆出分画の増加をきたした.
    外来本態性高血圧症患者にlabetalolおよびdiltiazemを5週間経口投与したところ,有意の平均血圧の下降を認めたが,心拍出量に有意の変動はなく,全末梢抵抗係数に減少傾向を認めた.
    本態性高血圧症例では,これらα,β 遮断剤,Ca++拮抗剤の薬理作用上の心pupm機能抑制効果は,通常の用量内では明らかでなく,その降圧機序は主として末梢抵抗の減少によると推測された.
  • 門間 和夫, 清水 秀二, 里見 元義, 高尾 篤良, 今井 康晴
    1981 年13 巻11 号 p. 1345-1353
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    Fallot四徴症極型の3小児例に経動脈性逆行性肺動脈造影を行い,明瞭な肺動脈造影像を得た.いずれの例も,右室造影,大動脈造影,動脈管またはBlalock短絡からの選択的造影で片側(1例は両側)肺動脈が写らず,手術前検査として肺静脈楔入部からの逆行性肺動脈造影を必須とした.いずれの例も卵円孔が閉じており,2例にBrockenbrough法を試みたが成功せず,経動脈性に直孔カテーテルを大動脈左室左房肺静脈へとすすめて,肺動脈の造影に成功した.年長児では7F直孔カテーテルより20ml(0.6-0.7ml/kg)の造影剤を2-2.5秒で注入し,年小児では6F直孔カテーテルより8ml(0.5ml/kg)を2秒で注入し,連続撮影した.この方法は小児ではBrockenbrough法より安全で,広く応用されてよい手技と思われる.逆行性肺動脈造影の必要な症例の約20%は卵円孔が閉じており,本法の適応がある.
  • とくにその遠隔成績, 問題点と対策について
    石沢 栄次, 堀内 藤吾, 田所 正路, 佐藤 成和, 鈴木 康之, 加畑 治, 伊藤 孝, 佐藤 清春, 横山 和則
    1981 年13 巻11 号 p. 1354-1361
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    昭和43年から昭和54年の11年間に行われた26例の自家心膜弁つき管状グラフトによる右心流出路再建例の手術成績と遠隔成績について報告した.手術死亡率は46%と不満足でとくに進行性肺血管病変をもつ症例や共通房室弁をもつ症例で不良であったが,手術手技,術後管理に問題のあった症例もみられた.遠隔死亡は2例で,1例は再手術で,他の1例は抜歯後の細菌性心内膜炎で失った.生存例12例の状態は良好で,大多数は正常の生活が可能であった.平均3.4年後の静脈性心室と肺動脈間の圧差は32mmHgで,グラフトは導管としてよく機能していた.グラフトの石灰化を1例で認めたがグラフト自体の瘤形成や著しい狭窄はみとめなかった.しかし放置された末梢肺動脈狭窄や肺動脈分岐部狭窄は血行動態上の異常の主因であった.これら狭窄の完全解除が遠隔成績向上の要因と考えられた.
  • 非侵襲的診断法を中心として
    佐藤 正友, 中居 賢司, 肥田 敏比古, 臼井 康雄, 斎藤 昌一, 川上 幹夫, 大関 哲郎, 吉永 司郎, 加藤 政孝, 伊藤 伊一郎 ...
    1981 年13 巻11 号 p. 1362-1367
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    非侵襲的な検査法により心筋梗塞後心室瘤と診断しcontrast angiographyで確認し,心室瘤切除術を実施して救命しえた1例を経験したので報告する.
    症例は57歳の男性,心筋梗塞の発症は昭和52年10月で,2年3カ月後に胸部X線像により左第4弓の異常な突出像を指摘され,精査のため入院した.非侵襲的な検査法である超音波検査,CT-scan, 201-Thallium scan, RIangiographyにより,血栓を有する前側壁の心筋梗塞後心室瘤と診断し,手術を施行した.非侵襲的な検査法は心室瘤切除術適応のスクリーニングとして有用である.
  • 宮本 武, 深川 和英, 鵜木 哲秀, 松尾 新一郎, 平湯 秀司, 吉岡 朗, 小田 敏郎, 倉重 洋二郎, 柳原 照生, 西村 秀男, ...
    1981 年13 巻11 号 p. 1368-1378
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    本邦での肺高血圧を伴ったSLEの報告例について,自験例を合せて検討し,文献的考察を加えた.症例46歳,主婦.29歳の出産後にRaynaud現象,顔面蝶形紅斑,血小板減少,LE細胞,心膜炎を認め,ARAのSLEの診断基準を満し, 抗核抗体陽性, 抗DNA抗体は高値を示した.44歳ごろより労作時の息切れ,動悸,易疲労感など肺高血圧症状を呈し,46歳で死亡した.胸部X線像,心電図, 心音図, 心エコー図所見より肺高血圧の存在が推定された.
    剖検所見:心重量500g,右室壁は8mmと著しく肥厚し,右室腔は著しく拡大,肺動脈幹および左右主肺動脈は著しく拡大し, 内膜面に著明なアテローム斑を認めた.組織学的には腎はmesangial glomerulitisの像を,脾には軽度のonion skin lesionを認めた.中小筋性肺動脈には内膜の肥厚,血栓やplexiform lesionもみられた.
    剖検例を文献的に考察し,全例に中小肺動脈に血栓がみられ,SLEの肺高血圧の成因に重要な役割を演じていると考えられる.
  • 倉田 直彦, 岡部 学, 大井 勉, 森本 保, 水谷 哲夫, 矢田 公, 並河 尚二, 草川 実, 野田 悦生, 竹沢 英郎
    1981 年13 巻11 号 p. 1379-1386
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心臓の原発性悪性腫蕩は,生前に診断されることは非常に少なく,したがって手術にて摘出されたとの報告は極めて少ない,
    最近,われわれは,安静時呼吸困難,意識消失発作を主訴として入院した39歳の男性で,超音波断層法,CT,RI アンギオ,その他の所見から,右室内腫瘍と診断し,腫瘍摘出術および三尖弁置換術を施行した.摘出腫瘍の病理組織学的診断では,腺腔形成と間質細胞の増殖を伴う2方向性の分化像を示す極めて稀な腫瘍であることから,Synovial Sarcomaと診断された.本症例は,術後1年2カ月を経た現在,腫瘍の再発および他臓器への転移巣はまったく認めておらず,良好な経過をとっている.
    Synovial Sarcomaは,A.F.I.P.に1例記載があるのみで,文献上世界第2例目,本邦第1例目であり,また本症例は,心臓悪性腫瘍に対する長期生存例の本邦第1例目と考えられるので報告する.
  • Hydralazineの有効性に対する疑義
    酒井 隆, 林 潤一, 川村 陽一, 後藤 敏夫, 星野 達夫, 盛 英三, 佐々木 弘子, 小川 聡, 半田 俊之介, 中村 芳郎
    1981 年13 巻11 号 p. 1387-1393
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    原発性肺高血圧症(PPH)は原因不明の疾患でその治療法は確立されていない.近年肺血管抵抗の異常増加を軽減させる目的で血管拡張薬療法が試みられている.1980年Rubinらは4例にhydralazineを経口投与し全例に肺高血圧の著しい改善をみたと報告し,その治療効果に大きな期待がもたれた.最近われわれは同薬剤を本症例に投与する機会を得た.症例は16歳女子,2年前から失神発作を繰返し,労作時呼吸困難,易疲労感を認めた.理学的に右室のheaveを触知,P2亢進,三尖弁逆流雑音を聴取,心電図に右室肥大,胸部X線に右室,肺動脈主幹の拡大,末梢の細小化を認めた.肺シンチで肺野に欠損像は認めなかった.心カテで肺動脈圧85/40mmHg,楔入圧6,体血圧108/73,心拍出量3.7l/minであった.以上よりPPHと診断した.Hydralazine200mg/日経口投与48時間後の心カテではRubinらの成績と異なり血管拡張薬療法の効果はみられなかった.Hydralazineの治療適応には今後なお検討が必要と考えられた.
  • 中村 豪, 岩嵜 義彦, 鳥居 重夫, 高山 香代, 杉 薫, 沢井 寛人, 井上 健, 跡部 俊彦, 石田 恵一, 直江 史郎, 海老根 ...
    1981 年13 巻11 号 p. 1394-1400
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例:14歳,男子,学生.
    昭和55年6月27日ごろより咽頭異和感が出現,7月5日,午後3時30分ごろ,運動中に立ちくらみ,めまいを自覚したが約30分の安静の後消失.同日午後5時ごろより再度動悸,嘔気が出現し,午後10時30分ごろ近医受診,心電図上発作性上室性頻拍症の診断のもとに治療を受けるも反応なく,血圧の低下を認めるようになったため当院へ転送された.頻拍発作後,心電図上II.III.aVF.V3-6にST降下とT波の逆転を示し,あたかも虚血性変化を疑わせる所見を呈しながら,間もなく行った左室造影および冠状動脈造影では有意な異常は認めず,マイコプラズマ抗体価が,急性期と回復期に8倍の変動を示した.また,心筋生検より心筋炎の存在が強示唆される所見を得た.
    以上より本症例をマイコプラズマ性心筋炎と診断した.本症例はきわめてまれな疾患で,本症例は本邦における第6例目と思われる.
  • 1981 年13 巻11 号 p. 1404-1420
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 1981 年13 巻11 号 p. 1421-1432
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 1981 年13 巻11 号 p. 1433-1448
    発行日: 1981/11/25
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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