心臓
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9 巻, 2 号
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  • ECG gated RI Cardiographyによる心プールおよび心筋イメージングを中心に
    村田 啓, 飯尾 正宏, 外山 比南子, 川口 新一郎, 千葉 一夫, 山田 英夫, 松井 謙吾, 上田 慶二, 大川 真一郎
    1977 年9 巻2 号 p. 107-114
    発行日: 1977/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    著者らの開発した猛ECG gated RI Cardiographyは,従来のゲート法に比して時間的高分解能の情報が得られる.本法を用いて,テクネチウム標識血清アルブミソによる心プールイメージングおよび塩化タリウムによる心筋イメージングを行うことにより,1心拍あたり数十枚の経時的な,左室内血液プールイメージと左室心筋のイメージを作成しうる.これら一連のイメージから,左室の不均等収縮の有無の検出,左室の容積曲線と駆出分画の算出,心筋梗塞の部位とその拡がりの検索を行った.これらの情報をもとに,臨床的に心筋梗塞の疑われた20症例を検討した結果,17例で梗塞の有無を判定し得た.
    ECG gated RI Cardiographyは,非観血的に左室機能の詳細な分析が可能であり,心筋梗塞の診断に有用なものであるが,本法で得られる情報をより多方面から検討することにより,さらに精度の高い検査法として確立されることが期待される.
  • 飯沼 宏之, 加藤 和三
    1977 年9 巻2 号 p. 115-122
    発行日: 1977/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    イヌ右室筋切片標本を用い,早期収縮活動電位(PAP)のプラトー相およびそのpostextrasystolic potentiation(PEP)との関係に対する細胞外Ca濃度([Ca]0,verapamil(V),caffeine(Caf)の影響を検討した。PAPのプラトーは基本収縮のそれより大きかったが,その増大度(△PA)は[Ca]0の増加と共に著しくなる一方,Vにより抑制されたことからCa電流(Ica)の増大によるものと思われた.PEPは△PAの増大につれ増強したが,Vおよび1mMCaf作用下では△PAを伴わずともPEPを生じた.PEPの発生には早期刺激によるCamflux増大が関与するもののその主要因とはいえないと考えられる.また高濃度のCafによりPEPは消失し,筋小胞体がPEP発生に密接に関与していることが示竣された.なおCafにより早期収縮の収縮力が基本のそれより増強する現象が認められた.
  • とくに誘導法を中心に
    竹田 晴彦, 高梨 忠寛, 加藤 孝和, 徳岡 武夫, 浜本 肇, 坂中 勝, 菱本 芳明, 北村 和人, 仁木 偉瑳夫
    1977 年9 巻2 号 p. 123-128
    発行日: 1977/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    体表面より7種類の双極および単極誘導を行い,この心電図を80~300Hz.12dB/oct cut offのバソドパスフィルターを通してデーダーレコーダーに記録した.ついでテープを逆転再生しQRSをトリガーに用いて加算平均することによりヒス束由来の信号(blips)を描出した.症例はすべて正常洞調律例で,PQ間隔の短縮例を除外した26例である.そのうち6例についてはHBEを記録しているが,HV時間と体表面誘導加算心電図(SAE)のBV時間は全例でよく一致した.誘導法としては第4,5肋間胸骨正中線上を陽極とし,同じ高さで背面脊椎上を陰極とする双極誘導がblipsの検出率76.9%,72%と高かった.この結果について解剖学的にヒス束の存在部位と,その走行について考察した.臨床的には本法を用いて非観血的にヒス東電位を求める場合,最初に試みる誘導法と考えられる.
  • 木村 栄一, 佐久間 昭, 谷口 興一
    1977 年9 巻2 号 p. 129-136
    発行日: 1977/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    狭心症治療薬捻ifedipine(N)およびmolsidomine(M)の効果を,propranolol(P)を対照薬として,多施設二重盲検群間比較試験法によって検討した.対象症例はN群25例,M群23例,P群30例であった.
    投薬前の重症度に3群間に偏りがみられたが,各評価項目の改善度と重症度の間に特別な関連性が認められなかったので,偏りの影響はないとして解析検討を行った.
    その結果,主治医による病状の比較,薬の総合評価,発作回数,nitroglycerin使用量,ST降下または胸痛出現までの運動時間については3剤間に有意の差を見出しえず,ただ日常運動能力についてNとPがMより,運動耐容試験(昇降回数)についてMとPがNより有意にすぐれているとの成績がえられた.副作用に関しては3剤間に差がなかった.
    以上よりNもMも,Pと同様に臨床上有用な狭心症治療薬であると同時に,れれそれ若干の特微があると判断された.
  • 和泉 徹, 斉藤 真理, 亀井 清光, 矢沢 良光, 小沢 武文, 田村 康二, 松岡 松三, 前田 裕伸, 浜田 忠弥, 斉藤 豊, 後藤 ...
    1977 年9 巻2 号 p. 137-143
    発行日: 1977/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    アダムス・ストークス発作を呈した,3クサッキーB4ウイルス感染による心膜心筋炎の1例を報告した.症例は,16歳男性.生来健康であったが,昭和50年12月上旬,突然,発熱頭痛関節痛などの感冒様症状で発症した.第6病日に第2度(2:1伝導)房室ブロックを指摘され,第10病日では,心拍数毎分24の完全房室ブ群ックを示す,アダムス・ストークス発作が現れた.第13病日に,1時的体外性経静脈性右心室ペース・メーキング法を行い,第14病日からステロイドの短期投与を行ったところ,刺激伝導障害は次第に改善した.またこの経過中で,第18病日に,心膜摩擦音の出現をみた.ウイルス学的検索では,血清及び糞便からのウイルス分離は,不成功であったが,回復期に一致して,コクサッキーB4ウイルス中和抗体価の有意の上昇がみられた.1年3ヵ月後の現在患者は,正常な学生生活を営んでいる.
  • 僧帽弁閉鎖不全と石灰化を有する冠状動脈瘤の合併例
    新村 一郎, 横山 修三, 原口 寿夫, 宮沢 要一朗
    1977 年9 巻2 号 p. 144-152
    発行日: 1977/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    1歳2ヵ月時にMCLSまたはIPN様の症状を呈し冠状動脈瘤と僧帽弁閉鎖不全を残したが,現在元気に生活している11歳男児について報告する.本稿症例の特徴はi)発病より10年間定期的観察を続けていること,ii)35病日より僧帽弁の逆流音が聴取され,4年後より胸部X-Pにて円形の石次化像が左第3弓の部位に出現し始めたこと,iii)発病6年間は汎収縮期雑音であったものが,4年目より収縮中期クリックが加わり,雑音は次第に減弱して収縮中期性となっていること,などであろう.
    MCLSとIPNの異同についても議論のある点であるが,外国において発表されているIPNの症例のなかにもMCLSと鑑別不能な症例も決して少なくはない.さらに,MCLSおよびIPNの遠隔死亡例についても文献的考察を加えた.
  • 田嶋 経躬, 高瀬 真一, 佐々木 豊志
    1977 年9 巻2 号 p. 153-157
    発行日: 1977/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    発作性房室ブロック(PAVB)をHis束心電図で検索した報告は数少ない.
    われわれは最近,アダムスーストークス発作を伴ったかかる1例を経験し,スカラー心電図とともにHis束心電図による検索も行った.
    本例のPAVBは上室性期外収縮と洞周期の延長を契機として起始し,数秒の心停止後,上室性および心室性の補充収縮のあとで再び伝導の回復がみられた.
    2:1の房室伝灘の時に,電気的心房早期収縮を与えると,洞結節がresetされた後,PAVBが誘発され,この時His束心電図では,ブロック部位はHis束内(分裂His束)と思われた.
    かかる分裂His束例の報告は非常に少ない.
    これらの事実から本例におけるPAVBの機序は徐拍依存性であろうと想定されたが,これ以外の説明も考慮された.
    本例のアダムスーストークス発作はこのような機序でひきおこされた可能性が考えられた.
  • 村田 弘隆, 川島 康生, 森 透, 北村 惣一郎, 松田 暉, 板倉 丈夫, 金 勢華, 曲直部 寿夫
    1977 年9 巻2 号 p. 158-162
    発行日: 1977/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    心内伏針例の報告は少なくはないが,その多くは心腔内にあるか,心臓外に一部が出ており,比較的容易に摘出されている.
    今回,われわれは右室前壁内に迷入した伏針を経験し,左冠状動脈造影を行ってその位置を確かめ,人工心肺を用いて安全,容易に摘出する事に成功した.心筋内伏針の場合,手術に際してはその発見がしばしば困難であるが,術前に左冠状動脈造影を行っていたので容易に伏釦の位置を確認出来た.また右室壁の,伏針が埋没していた部分は糠様に変化し,もろくなっており,右室穿孔の危険もあったと考えられる.
    心内伏針の診断,手術方法,予後などに関して若干の文献的考察を加えた.
  • 三船 順一郎, 上田 慶二, 大川 真一郎, 鎌田 千鶴子, 桑島 巌, 杉浦 昌也, 村上 元孝, 沖本 孝雄, 松尾 博司
    1977 年9 巻2 号 p. 163-168
    発行日: 1977/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    B型WPW症候群の1例において,副伝導路の不応期の著明な延長と過常伝導(supernormal conduction)のを認めた.アトロピン静注後,心房早期電気刺激の連結期を徐々に短縮するとQRS波形が正常化し,さらに短縮するとふたたび元の△ 波を有する波形に戻った.
    WPW症候群の副伝導路における過常伝導の報告例は少ないが,このような条件下では心房の興奮が受攻期(vulnerable period)の心室に伝えられて心室興奮を起こす可能性があるため臨床的意義が大きいと思われる.
  • 江里 健輔, 友沢 尚文, 中山 富太, 古川 昭一, 角 隆一, 小田 達郎, 八牧 力雄
    1977 年9 巻2 号 p. 169-175
    発行日: 1977/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    ファロー四徴症根治手術後,右室流出路のパッチ縫着部に仮性心室瘤が発生することは稀であるが,最近本症の1例を経験した.
    症例は20歳男性で,右室流出路切開創を3×2cm大の紡錘状自家心膜片をテフロン・メッシュで外張りしたもので修復した.術後慢性心不全状態となり,右室流出路に11×7cm大の心室瘤を認め,術後6ヵ月目に.再手術を行った心室瘤は左前方に突出し,前回手術時のパッチは右方に圧排されて収縮し,径4cmの開口部を以って右室流出路と交通する仮性心室瘤で,3×3cm大の自家心膜片をWoven Dacron人工血管片で外張りしたものを,残留せしめた心室瘤壁に縫着した,このように高齢者ファロー四徴症に対し,安易なパッチ使用は厳に慎むべきことを強調し,仮性心室瘤の原因について考察した.
  • 伊藤 隆之, 山崎 昇, 小川 宏一, 鈴木 与志和, 柿沢 紀夫, 大久保 満, 吉田 守宏, 平林 紀男, 山本 英樹
    1977 年9 巻2 号 p. 176-181
    発行日: 1977/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
  • 橋本 虎六
    1977 年9 巻2 号 p. 188-191
    発行日: 1977/02/01
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
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