狭心症治療薬捻ifedipine(N)およびmolsidomine(M)の効果を,propranolol(P)を対照薬として,多施設二重盲検群間比較試験法によって検討した.対象症例はN群25例,M群23例,P群30例であった.
投薬前の重症度に3群間に偏りがみられたが,各評価項目の改善度と重症度の間に特別な関連性が認められなかったので,偏りの影響はないとして解析検討を行った.
その結果,主治医による病状の比較,薬の総合評価,発作回数,nitroglycerin使用量,ST降下または胸痛出現までの運動時間については3剤間に有意の差を見出しえず,ただ日常運動能力についてNとPがMより,運動耐容試験(昇降回数)についてMとPがNより有意にすぐれているとの成績がえられた.副作用に関しては3剤間に差がなかった.
以上よりNもMも,Pと同様に臨床上有用な狭心症治療薬であると同時に,れれそれ若干の特微があると判断された.
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