心室期外収縮のQRS波形(起源部位)を一連の患者401例について調べ,それと基礎疾患との関連を検討した.起源部位の分類は,阿久津の実験成績を主な規準とし,佐野らのVCGによる成績を参考にして行なった.基礎疾患の分類は,心筋硬塞,非硬塞虚血,高血圧,弁膜症,その他の心疾患,その他の各種疾患,心室期外収縮のみの7群に分けた.
全401例における各起源部位の発生率は,右室源性59.1%,左室源性22.7%,中隔源性10.2%,多源性4.5%,心室後部源性1.3%,分類不能2.2%であった.右室円錐部,右室前側壁源性は,期外収縮のみの群およびその他の各種疾患群に高頻度に出現した.右室心尖部源性は,期外収縮のみの群には少なかった.左室源性は,心筋硬塞群にとくに高頻度に出現していた.中隔源性は期外収縮のみの群とその他の各種疾患群において,他の群よりも高率に出現していた.この成績は,右室円錐部源性,右室前側壁源性および中隔源性は,心臓の器質的変化との関係が比較的少なく,右室心尖部源性および左室源性は,器質的変化との関係が大きいものであることを示唆している.
そのほか,心室期外収縮に関して注目すべき数種の項目に関して,その出現頻度を調べた.Postextrasystolic T-wavecha Rgesは,高血圧群,非硬塞虚血群に高頻度に出現していた.
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